地震の場合
なぜ、地震がおさまった後でも、運転速度を低下したり(以下、徐行)
運転見合わせをしているのか?
地震を検知し、一定の規制値に達したとき、および乗務員が地震を体感により検知したときは、直ちに列車を停車させたのち、状況により徐行や運転見合わせを行います。震度により、点検が必要な箇所については安全確認を行います。
阪神・淡路大震災や昨今の大規模な地震などの経験を生かし、耐震補強工事などの対策を進めています。設備点検が広範囲におよぶ場合や設備が地震により被害を受けた場合は、運転再開までに多くの時間を要することがあります。安全最優先の運行に努めてまいりますので、ご理解いただきますようお願いいたします。
地震への減災対策
地震が発生した場合に、被害が最小限となるように以下の取り組みを進めています。
耐震補強対策
盛土や鋼製橋脚、高架橋の補強のほか落橋の防止、駅上屋などの耐震補強対策を実施しています。
例えば、高架橋については、鋼板を巻いたり、鋼より線を巻きつけることで補強しています。
脱線後の減災対策
山陽新幹線では、「逸脱防止ガード」の設置を進めています。ガードを設置することで、車両が脱線しても車輪が同ガードにあたることで大きく逸脱することを防ぐことができます。
津波対策
津波対策については、各府県の津波浸水想定に基づき、線区のハザードマップを作成するとともに、浸水エリアとなる箇所に「浸水区間起点・終点標」を設置し、速やかに避難できるようにしています。また、運転台への手すり付梯子の搭載、避難誘導設備の整備(避難誘導降車台等)のほか、お客様も扱うことができる避難用梯子の車内設置も順次進めています。
地震発生時乗車されているお客様への迅速なご案内の取り組み
京阪神エリアでは、地震発生時におけるお客様の降車時間短縮に向け、以下の取り組みを行っています。
規制区間別路線図
乗務員は、「規制区間別路線図」の情報をもとに、自列車の規制レベルを確認し、規制レベル別に定められた具体的取り扱いに従って対応することで、お客様が乗車されたまま駅間で長時間停車するケースを減らすことができます。
鉄道地震被害推定情報配信システム(DISER)
(公財)鉄道総合技術研究所が開発した「DISER」というシステムから、鉄道地震計よりも細かい500メートルごとの推定震度情報を取得することで、次の駅まで移動可能な列車を特定し、駅間での降車が必要となるケースを減らす効果が期待されます。
※京阪神エリアの一部区間に活用。