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リスクマネジメントの取り組み

当社グループでは、「長期ビジョン」「中期経営計画2025」のもと、新たな価値創造へ積極的に挑戦していく観点から、適切なリスクテイクが必要と考え、2023年度より下記の取り組みを行っています。

内部統制システム

監査等委員会設置会社に移行後のモニタリング型経営やグループ経営体制の深度化に合わせて、「基本方針」の記載事項につき、重点化・大綱化した改正を行うとともに、「内部統制管理規程」を新設し、各取締役の責任や具体的な取り組みの責任体制を明確化・体系化することで、内部統制システムの実効性を高めています。

グループリスクマネジメント

「全社的リスクマネジメント体制」を構築し、当社内(コーポレート)の各部門及びグループ各社(カンパニーその他グループ会社)が抽出・選定したリスクのうち、経営上対処すべき重要リスクについて、代表取締役社長を委員長とする「グループリスクマネジメント委員会」において、集約・一覧化し、その管理状況をモニタリングしていく取り組みを行っています。

同委員会を通じて確認したリスク管理状況については「社長マネジメントレビュー」を実施し、必要な改善措置を講じるなど、次年度のリスク管理の取り組みに反映するとともに、委員会の議論状況を取締役会に報告することとしています。

全社的リスクマネジメント体制

危機管理

自然災害、感染症、テロなどの多様化するハザードに対して、リスク事象発生時の迅速かつ適切な初動対応を構築すべく、体系化した規程・マニュアル類の整備、緊急時の情報 連絡体制の構築、また定期的な訓練などを実施しています。事業継続計画(BCP)を策定し、危機レベルに応じて柔軟に業務執行体制の構築が可能となるように危機発生時に備えています。

危機管理に関する主な計画

防災業務計画(PDF形式 232キロバイト)

国民保護業務計画(PDF形式 58キロバイト)

新型インフルエンザ等対策に関する業務計画(PDF形式 212キロバイト)

被害者等支援計画(PDF形式 276キロバイト)

海外駐在員等の安全確保

海外に渡航する社員の安全確保に向けて、対象社員には渡航前セミナーを実施しています。セミナーでは、マニュアル「海外渡航安全の手引き」を用いて、渡航者を取り巻くリスクや緊急事態への備えに関する注意喚起を行っています。

『海外渡航安全の手引き』

情報セキュリティ

情報セキュリティ体制の構築

「情報セキュリティ委員会」を設置し、経営層に対して社内外の動向などを踏まえた情報セキュリティ向上に向けた取り組みを共有するとともに、「JR西日本グループ情報セキュリティ連絡会」において、グループ会社経営層とサイバーセキュリティ対策の認識共有を図っています。

それを受けて、 JR西日本グループでは、セキュリティインシデントの未然防止や、発生時の被害拡大防止を目的とした組織「JR西日本グループCSIRT※(JRW-CSIRT)」による情報セキュリティ体制の構築およびJR西日本グループの情報セキュリティ意識の醸成に取り組んでいます。

※シーサート(CSIRT):Computer Security Incident Response Teamの略。コンピュータセキュリティに係るインシデントに対処するための組織の総称。

危機対応能力の向上・セキュリティ対策の強化

危機対応能力の向上を目的として、グループ会社も含めた全社員を対象とした標的型攻撃メール訓練やJRW-CSIRTメンバーを対象としたインシデント対応訓練を実施するとともに、行政機関と連携した重要インフラ向け訓練に参画しています。

また、JRW-CSIRT向けの集合研修やシステム担当者向けのセキュリティ教育により、ITリテラシーの向上に努めています。その他、毎年、グループでの具体的な対策を示したガイドラインに沿って各社でIT環境の自主点検を実施し、継続的に改善することでセキュリティ対策の強化に取り組んでいます。

今後もこれらの活動を深度化することで、JR西日本グループ全体の情報セキュリティレベルの向上を進めていきます。

グループ間の情報連携

鉄道以外での安全・安心の取り組み

 安全に関し、グループ会社、取引先様と一体となって取り組みを推進しているのは、鉄道だけではありません。「食の安全」をはじめ、お客様や地域の皆様の安全を脅かすリスクの低減を最優先課題として取り組みを進めています。

食の安全

当社は、2005年11月から「食のプロジェクト」を立ち上げ、現在に至るまで、社外の取引先様の力、知恵を借りながら、グループ一体となって「食の安全」に取り組んできました。今後も、「私たちの志」に基づき、安全・安心を追求し、取り組んでいきます。

1.「食の安全」の推進

(1)「食の安全」推進体制の構築・運用

当社はJR西日本グループ「食の安全」ガイドラインを制定するとともに、食品を取り扱うグループ会社内に品質管理部門を設置し、「食の安全」推進体制を構築しております。同ガイドラインでは、内部監査・マネジメントレビューなどを定め、グループ会社において「食の安全」に関するPDCAサイクルが機能するようにしています。

JR西日本グループ「食の安全」ガイドライン

JR西日本グループ「食の安全」ガイドライン

(2)食品に関する適切な情報提供

@食品表示に関するガイドラインの制定

食品のアレルギーや栄養に関する情報を適切に表示するために、JR西日本グループ「食の安全」ガイドラインにおいて食品表示に関するマニュアルを制定・運用しております。これにより、法令を遵守した適切な表示を行い、お客様の安全な食品へのアクセス、より栄養素の高い食品へのアクセスを実現します。

A「食の安全」に関するグループ会社向け研修の実施

当社グループのホテルカンパニー、物販飲食カンパニー、SCカンパニー、不動産カンパニーにおける食の安全に関わる担当者に加え、駅弁を製造しているパートナー会社の担当者も対象に、食品表示や品質管理、HACCPなどの知識・技能を向上させる研修を行っています。

品質表示に関する研修課題

B従業員への教育((株)ジェイアール西日本フードサービスネット)

(株)ジェイアール西日本フードサービスネットでは、店舗のパート社員に対する教育ツールとして「Food Safety News〜食の安全情報〜」を月一回発行しています。この他eラーニングを活用した教育も導入し、スタッフの食品衛生に関する理解度の向上を図っています。食品表示検定については、全従業員を対象にセミナーを開催し取得を推進してきたことにより、資格取得者が在籍社員の約30%を占めています。

(3)社外の取引先様等と連携した取り組みの推進

品質管理部門の設置やガイドラインの策定などの体制整備、内部監査などのバックアップだけでなく、実際に食品を提供する従事者の方の意識と協力が不可欠です。法令改正など、社会情勢に対応しつつ、基礎的な衛生管理をグループ全体の取り組みとして、愚直に実施しています。

@テナントコミュニケーションを通じた「食の安全」への取り組み

「食の安全」勉強会

テナントコミュニケーションを通じた「食の安全」への取り組み

山陽SC開発(株)は、岡山エリアを中心に、岡山一番街、さんすて岡山・倉敷・福山の各ショッピングセンター(SC)を運営しています。建物オーナーの立場から、飲食店舗に対し、日常的に店舗点検を行うとともに定期的に外部専門機関を活用した監査を実施し、その中で抽出された課題について、店長や店舗スタッフとともに個別具体的に議論を重ね対策を講じるなど、テナントとのコミュニケーションを通じた「食の安全」の取り組みを日々実践しています。

A取引先様のHACCP※制度化への対応を支援

当社が定める独自の「食の安全ガイドライン」において、「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理の進め方の手引書」を新たに追加し、HACCP導入に至る経緯、概要、各社で取組むべき内容とその方法、記録帳票類等について周知しています(2020年4月改正、施行)。また、HACCPに関するグループ会社向けの研修(専門講座)を開催しています。

  • HACCP:Hazard Analysis and Critical Control Point
    食品等の事業者が食中毒菌汚染や異物混入等の危害要因を把握した上で、それらを除去または低減させるための衛生管理手法。国連食糧農業機関と世界保健機関の合同機関である食品規格委員会から発表され、国際的に使用されている。

2.食品に関する諸課題への対応

(1)より栄養素の高い食品へのアクセス

世界では、栄養不良が問題になっています。より栄養素の高い食品へのアクセスを実現するため、JR西日本グループ「食の安全」ガイドラインに基づき、正確な栄養成分表示を行っております。

(2)加工食品の宣伝、マーケティングについて

加工食品は利用頻度が高くなるとエネルギーや脂肪・食塩などの過剰摂取につながる可能性があります。そのため、宣伝、マーケティングにあたっては、関連法令を遵守し、誤解を与えないように取り組んでおります。

表示・告知に関する研修の実施

宣伝等を行う際にお客様に誤解を与えないよう、食品表示法、景品表示法等の関係法令に基づく適切な表示・告知について、グループ会社に向けて研修を行っています。

(3)食品ロス削減の取り組み

@無人販売機「fuubo」の設置(JR西日本京都SC開発(株))

京都駅ポルタは、京都府およびZERO株式会社、株式会社ウェザーニューズの3者と連携協定を締結し、食品ロス削減の取り組みを通じて京都府のSDGsを推進し、環境にやさしい社会を実現することを目的に、「無人販売機fuubo※」をポルタ館内に設置しています。
※「無人販売機fuubo」…まだ食べられるのに、納品期限や販売期限、季節限定のパッケージなどの理由からやむなく廃棄されてしまう商品(未利用食品など)を割引価格(小売価格から最大9割引き)で販売する無人販売機

Aフードシェアリングサービス「TABETE」(タベテ)((株)ジェイアール西日本ホテル開発)

(株)ジェイアール西日本ホテル開発は、展開するJR西日本ホテルズの旗艦ブランドである「ホテルグランヴィア」の全5ホテルにて、株式会社コークッキングが運営する国内最大級のフードシェアリングプラットフォーム「TABETE※」を、2022年1月から導入しています。

また、従前より実施している、館内で発生する食品ロス(食べ残しや調理くず)をリサイクル工場で加工し、家畜飼料などへ活用を進める取り組みや、宴会中にお料理をしっかりお楽しみいただく時間を設けることで食べ残しを減らそうという「3010運動※」の推進と組み合わせることで、さらなる食品ロスの削減を図っていきます。
※TABETE…飲食店舗などで、営業時間終了までに売り切るのが難しく、まだおいしく安全に食べられるにも関わらず廃棄の危機に面している商品と、フードロス削減の趣旨に賛同いただいている登録ユーザーをマッチングする「フードシェアリングサービス」
※3010運動…会食時に、最初の30分と最後の10分は料理を楽しみ、食べ残しを減らしましょう、と呼びかけ、食品ロス削減にご協力いただくもの

(4)食の持続的な提供

“PROFISH プレミアムオーガニックフィッシュ”((株)JR西日本イノベーションズ)

PROFISH

 当社グループは、さまざまな事業パートナーとともに陸上養殖に挑戦し、産業振興・雇用創出による「地域活性化」とSDGs達成による「持続可能な社会」の実現に貢献することを目指しています。この一環として、(株)JR西日本イノベーションズでは選び抜いた稚魚や水、餌を使って、適正な管理下で持続的に育てられる陸上養殖により、 生産履歴の管理や各種検査を行い、安心・安全が担保された魚を提供しています。鳥取生まれの「お嬢サバ」をはじめとした各地の水産物を「PREMIUM」の「PR」、「ORGANIC」の「O」、「FISH」を組合せ、選び抜かれた(PRO(プロ))魚であることから「プロフィッシュ」と名付け、より安心な食を持続的に提供しています。
詳細はPROFISHのページをご覧ください。

(5)社会的弱者への支援

@「TABLE FOR TWO」の導入

JR西日本の本社の社員食堂では、ヘルシーな食事を1食とるごとに、開発途上国の子どもに給食1食が贈られる「TABLE FOR TWO」を導入しています。

3.イニシアチブへの参加、認証取得

(1)食品安全関連のイニシアチブ、協会等への参加

当社グループでは加工食品の安心安全なご提供に向け、品質管理機能の維持・向上のため、情報収集などを目的に、イニシアチブ、協会へ所属しております。以下に一例を記載いたします。

  • @一般社団法人日本フードサービス協会((株)ジェイアール西日本フードサービスネット)
  • 食の安全・安心への対応や外食産業に携わる人々への教育をはじめとした企業各社のサポート、食育、環境問題への対応、雇用の創出など、さまざまな貢献活動に積極的に取り組んでいます。

  • A尼崎市食品衛生協会(JR西日本不動産開発(株))

関連部署に所属する社員全員の食品衛生責任者の資格取得や、テナント支援に必要な『食の安全』に関わる基礎的な知識の習得に取り組んでいます。

(2)各種認証取得や表彰

食の安全に関わる取り組みについて、当社グループでは地域認証を取得したり、各種表彰を受けています。以下に一例を記載いたします。

地域認証 表彰
ホテルグランヴィア京都 2023年1月/京(みやこ)・食の安全衛生管理認証 -
ホテルグランヴィア大阪 - ・令和5年度大阪市食品衛生・環境衛生優良施設表彰
・令和5年度大阪府食品衛生関係優良施設表彰
ホテルグランヴィア岡山 日本食品衛生協会
食の安心・安全 五つ星事業認定(HACCP型)(毎年更新/継続中)
2020年10月/岡山市保健所長表彰
食品衛生優良施設
ホテルグランヴィア広島 - 従業員の表彰2件(2020年11月/厚生労働大臣、2021年1月/食品衛生協会)
※施設表彰無し
ホテルグランヴィア和歌山 日本食品衛生協会
食の安全・安心・五つ星店認定(HACCP型)(更新/継続中)
和歌山市食品衛生協会
・模範従業員表彰(2022年2月)
・会長表彰優良従業員表彰(2022年11月)
・食品衛生優秀施設(2022年度)
天王寺ミオ 大阪市
食品衛生関係施設優秀標認定(2022年77店舗認証)
大阪府
大阪版食の安全安心認証制度(2023年13店舗認証、2024年9店舗認証予定)
大阪府
食品衛生関係優良施設知事表彰(2022年9店舗受賞)

アルコールに関する取り組み

アルコールがもたらすさまざまな悪影響(急性アルコール中毒、アルコール依存症、健康被害、社会的弊害)を認識し、その悪影響の予防・低減の必要性から、以下の取り組みを推進しています。

飲酒運転の根絶

ホテルグランヴィア京都内レストランと飲酒運転根絶宣言店登録証の写真

ホテル内のレストランにおいて、自治体等と連携した飲酒運転防止の啓発を行っています。

20歳未満のお客様へ酒類・たばこを販売しない取り組み

未成年者へ酒類・たばこを販売しない取り組み

(株)ジェイアール西日本デイリーサービスネットでは駅構内の店舗において、酒類・たばこの販売時におけるお客さまの年齢確認やスタッフへの研修を通じて、(株)セブン-イレブン・ジャパンと連動した20歳未満のお客様へ酒類・たばこを販売しない取り組みを推進しています。

飲酒に起因する暴力行為の防止

飲酒の機会が増える年末年始期に、各鉄道事業者が連携して、飲酒に起因する暴力行為防止を呼びかけるポスターを駅構内や列車内に掲出しています。暴力行為件数の減少を図り、お客様に、より安全に、安心して鉄道をご利用いただける環境を実現していくことを目的としています。

駅構内や列車内での広告掲載基準

駅構内や、列車内の広告については、アルコールがもたらす悪影響への認識に基づき、(株)JR西日本コミュニケーションズが所属する公益社団法人日本鉄道広告協会の掲出基準、独自に定めた「意匠審査ガイドライン」、「未成年者の飲酒防止に関する表示基準(国税庁告示)」、飲酒に関する連絡協議会の「酒類の広告・宣伝及び酒類容器の表示に関する自主基準」を遵守しています。

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