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食品ロスを限りなくゼロに
まちに、人に、環境に優しいホテルをめざして

株式会社ホテルグランヴィア岡山 髙橋 章太

ご予約からお食事を提供するまで、食品ロス削減を意識

 ホテルグランヴィア岡山では、ご宴会、レストランで数多くのお食事を提供しています。
 お食事提供後に、食べ残った料理を廃棄しますが、「何とか少しでも減らしたい」という思いで、2010年から食品ロス削減の取り組みを開始しました。

 宴会では、事前にお食事の内容や量などご希望を細かく伺い、レストランではご予約されたお客様の年齢層などから、お食事の嗜好・量を想定し、食材を適量発注しています。

 また、当日の混み具合や残量に応じて、あらかじめ小分けにして保管している食材から必要な分量を取り出し調理するなど、残らずお召し上がりいただけるよう創意工夫を加え、提供しています。

 各スタッフは、お互いに宴会の進捗状況を共有しながら、提供のタイミングをうかがったり、主催者の方や司会者にご理解をいただいたうえで、お客様に「3010運動」への協力を依頼するなど、すべての場面において、食品ロス削減を意識して取り組みを推進しています。

 ※3010運動:宴会時の食べ残しを減らすためのキャンペーンで、「乾杯後30分間」は席を立たずに料理を楽しみましょう、「お開き10分前」になったら、自分の席に戻って、再度料理を楽しみましょう、と呼びかけて、食品ロスを削減するものです。

ホテル全体で推進するため粘り強く働きかけ

 ホテルグランヴィア岡山では、同規模のホテルでは珍しく、プレパレーション(下ごしらえ)部門を設置するなど、食品ロス削減を念頭においた組織や施設を整えています。

 実際に効果を出すには、各部門間の迅速かつ的確な情報共有と、社員一人ひとりの創意工夫の積み重ねが不可欠ですが、取り組みを開始した頃は、営業部門ではお客様のご要望を詳しくお伺いできていなかったり、調理部門では食材に対するコスト意識も十分ではありませんでした。

 それらを改善するには、社員一人ひとりへの働きかけがポイントであると考え、「環境通信」の掲示などを通じて、食品ロスの取り組みが社会的にいかに重要であるかについて、粘り強く伝えていきました。あわせて、電気・ガス・生ごみなどの削減量の見える化を行い、ホテル全体で取り組んでいることを働きかけることで、理解を深めていきました。

 地道な取り組みの積み重ねではありますが、各調理スタッフが、生ごみを自ら計量して記録するなど、社員の意識に変化が現れています。2019年度は2010年度比で約35%の食品ロス削減を実現できました。

 現在は、新型コロナウイルス感染症の影響で宴会などが少なくなっていますが、今私たちができることを考え、行動していきたいと思います。

まちに、人に、環境に優しいホテルをめざして

 2021年4月からは、食品廃棄物のさらなる有効利用を目的とし、バイオマス発電施設に食品廃棄物を引き渡し、メタン発酵を用いたバイオマス発電に活用しています。これにより、食品廃棄物100%リサイクルを実現できると考えています。

 2019年4月には「エコマーク『ホテル・旅館version2』」を取得するなど、食品ロス削減だけではなく、地球環境の保護のさまざまな取り組みを進めています。

 最近の主な取り組みでは、一部宴会場を除く、館内全照明のLED化や客室シャワーへの節水装置の取り付けなどを実施しました。ホテル機能を維持するためには相応のエネルギーが必要ですが、全体の削減に努めていきたいと考えています。また、 岡山商工会議所主催の旭川一斉清掃への参加など、地域の環境改善活動にも積極的に参画しています。

 私たちは、これからも、このような取り組みを継続することで、まちに、人に、環境に優しいホテルをめざします。

※省エネ・節水・廃棄物削減などの基本的な環境対策に加えて、宿泊施設の環境活動への利用者の理解を深め、宿泊を通して環境配慮への気づきを与える環境コミュニケーションなどを評価・認定する制度です。

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