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JR西日本

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主な研究成果

主な研究テーマ(完了テーマを含む)

  • 鉄道業界におけるワーク・エンゲイジメントに関する研究
  • 作業終盤の失念エラーに重要性認知が及ぼす影響
  • 運転士等の眠気予防策に関する研究
  • 異常時の対処法に関する研究
  • ヒューマンファクター教育の効果測定
  • ヒューマンエラーに起因する鉄道事故の防止に関する一考察
  • 夜勤時の眠気に関する研究
  • ホーム柵が運転士に与える心理的負担についての研究
  • リスク感度向上に向けた研究
  • 役割や権限が与えられたときの対人行動の変化に関する研究
  • 発言しやすい職場環境の醸成に向けた研究
  • 加齢(高齢化)が鉄道係員の業務に与える影響に関する研究
  • 職場における適切なリーダーシップ行動に関する研究
  • 人と装置とのインターフェイスに関する研究
  • 列車運転時における警報音の適正な音量に関する研究
  • 旅客流動確認モニターの検証
  • 新型車両導入時の運転士の習得度の変化について
  • 227系運転台前面パネルの機器配置に関する研究
  • 検修作業における最適な照明に関する研究
  • ホーム上の酔客対策の研究
  • 駅でのスマートフォン利用に関する調査
  • 鉄道トンネル火災事故における避難行動と救助活動
  • 踏切道における高齢ドライバーの行動特性
  • 心理的安全性が安全行動に与える影響に関する研究
  • 上司のマネジメント行動が心理的安全性に及ぼす影響
  • 会議や打ち合わせなどでの判断のバイアスに関する研究の整理
  • 鉄道現場における思い込み事例の分析と対策案の検討
  • ミスの連鎖の発生に関する実験的研究
  • 運転士を対象とする安全に関する工夫の実践を促す研修の開発
  • 乗降時の介助に係る駅係員の手配に関するエラーの実態把握
  • お客様と社員とのリスク知覚のギャップに関する研究

あんけんVol.19〜研究成果レポート〜

あんけん表紙イメージ

安全研究所の2025年度の研究成果をとりまとめています。

一括でご覧の方はこちらファイルダウンロード 新しいウィンドウで開きます あんけん Vol.19 研究成果レポート PDF形式(13,819KB)

過去の研究より、「心理的安全性」が「ワーク・エンゲイジメント」を介して「安全行動」を高めるという結果が得られました。そのため「心理的安全性」が「ワーク・エンゲイジメント」に限らず他の要素を媒介させても間接的に「安全行動」への影響を与えるのではないかと考え、「心理的安全性」の持つ役割について、他の要素との関係を通じて調査することにしました。他の要素としては、先述の「ワーク・エンゲイジメント」の他に、安全行動との関連が示された「自分ゴト化をする傾向」、「安全志向的モチベーション」を採用しました。「安全志向的モチベーション」とは、安全管理のように完遂することが当然で、失敗の回避が求められる仕事をする際に有効とされる、仕事に対するモチベーションのことです。

心理的安全性を高めるためには、リーダーによるリーダーシップ行動が重要です。本研究では、部下の心理的安全性を高めるために上司が行っている具体的な行動や、その上司の行動に対する部下の受け止め方、チームの雰囲気などの具体例を収集することを目的としてヒアリング調査を実施しました。

当社では、65歳までのシニア社員や70歳までのグランドシニア社員の採用が進み、現場で活躍する60歳以上の高齢社員が増加しています。鉄道業務には、依然として人の注意力や判断力に頼る作業がたくさんあるため、認知・身体機能は非常に重要です。認知機能とは、外界の情報を知覚し必要な情報に注意を向け、記憶することや、その場の状況や経験から推測や判断するような心の働きの総称であり、通常加齢によって認知機能の多くが低下していくことが、多くの研究で報告されています。これらの機能の低下が鉄道の安全に影響を与えないか、適切に把握する必要があると考えられます。
そこで本研究では、運転業務を対象に、実際に発生した運転中のエラー分析とアンケート調査から、年代によって客観的・主観的にどのようなエラーを起こしやすいのか調査・検討することにしました。この報告では、運転士が列車運転中のエラーや、運転業務にどのように向き合っているのかについてアンケート調査を行った結果を報告します。

労働力不足によって、就業者の持続的な活躍は社会的に重要性を増しています。昨年度は、経験と年齢を重ねることによる業務への影響を調べました。今年度は、経験と年齢に応じて運転士が持続的に活躍し続けることを支援するため、新しい研修を開発し試行を行いました。この研修は、運転士が互いの多様な特性や知識・経験を理解することで、自身の特性に合わせた工夫を振り返る内容としました。この仕組みにより、ヒューマンファクターの視点から自身の特性への気付きを促し、安全に関する工夫の実践を目指しました。

ヒューマンエラーは誰にでも起こりますが、重なると大きな事故にいたることがあります。2023年度よりの一連の研究では、一つのミスが次のミスを引き起こす現象をミスの連鎖(エラーの連鎖)と呼び、その要因やメカニズムを明らかにして事故防止に貢献することを目指しています。昨年度は、連鎖の最初のエラーによって起こる感情について調査をしました。今年度は、連鎖の後半のエラーの内容について明らかにするために、社外の一般の人を対象にWeb調査を行いました。本稿では、その結果の一部を紹介します。なお、本稿ではミスとエラーは同じ意味で使いますが、以降は「エラー」で統一します。

安全研究所では、リスクの感度向上に向けた研究を続けています。昨年度の「あんけん」では、JR西日本で全社的に実施された安全に関する意識アンケート(安全アンケート)の回答を用いて、リスクを積極的に見つけようとする態度に関係する事柄を検討しました。
今年度は、これらの要素について、一般人を対象としたアンケートを用いて、より詳細に検討しました。また、社内的にも関心の高い「心理的安全性」についても調査項目に加えました。加えて、職場が「メンバーの危険に関する気づきを集めて活かす取り組み」を行うことの効果についても検討しました。

駅係員による介助を予め手配されたお身体の不自由なお客様に対して、駅係員がこの手配の作業を誤ったり、忘れたりすることによって列車の乗降時に駅係員が不在となり、介助対応が行われないこと(以下、「介助エラー」とする)が発生しています。これは、お客様にご迷惑をお掛けするとともに、お怪我につながる恐れもあります。本研究では介助エラーの減少に向けた対策の策定と提案を目指し、現状把握を行いました。

当社では鉄道利用者(以下、「お客様」とする)の安全確保を目的とした啓発活動を行っています。例えば、ポスター・放送等を通じて「線路に降りない」よう呼び掛けています。しかし、2022年度には線路に落とし物をした263件のうち、約13%のケースでお客様が線路に降りた事象が報告されています。このことから、現在の啓発活動が十分に機能していない可能性があります。そのため、本研究ではお客様がケガなどのリスクがある行動を自ら抑制するために、どのような働きかけが有効であるかを明らかにすることを目的とし、お客様と社員のリスクの感じ方の違いを調査し、お客様の認識に合わせた啓発方法を検討することにしました。今年度は、お客様がケガのリスクのある行動に関するWeb調査を実施しました。本報告では、結果の一部をご紹介します。

過去の主な研究成果について

教材の発行と社内外への配布

事例でわかるヒューマンファクター

安全研究所では、2007年3月に教材「事例でわかるヒューマンファクター」を発行し、2019年3月までに社内・社外に対し15万部あまりを配布してきました。この教材は、ヒューマンファクターとは何かをやさしい表現でわかりやすく解説しており、社内外のヒューマンファクター教育に活用されています。

一方、発行後10年以上が経過したことから、新たに正常性バイアス、確証バイアスの追加など内容の見直しを図るとともに、この間の研究活動等から得た知見や成果を盛り込み、「ヒューマンファクターの一層の理解・浸透に向け」改訂し、この度、「事例でわかるヒューマンファクター1【基本編】」(A4版89頁)として発行しました。

記載サンプルはこちら(PDF形式 603KB)ファイルダウンロード 新しいウィンドウで開きます

事例でわかるヒューマンファクター(初版)

社内(全社員、グループ会社など)への配布は約54,800部、社外への配布は約99,400部
2019年3月まで

事例でわかるヒューマンファクター1【基本編】

社内(全社員、グループ会社など)への配布は約39,100部、社外への配布は約10,400部
2026年3月現在

第1章では、ヒューマンファクターの基本的な考え方などを説明し、第2章では、「脳への情報がうまく伝わらなかった」とき第3章では、「判断をうまくできなかった」ときにそれぞれ生じるエラーについて紹介しています。
第4章では前章で紹介したヒューマンファクターを含め、エラーを防止するために、皆で取り組むべき対策や守るべきルール等、私たちをとりまくものについて説明しています。

事例でわかるヒューマンファクター 表紙・内容イメージ

事例でわかるヒューマンファクター2 リーダー編

2017年3月には『事例でわかるヒューマンファクター』の続編として、前書と同様に学界の知見等も参考にしつつ、現場第一線の管理監督層に知ってほしい事項を盛りこんだ教材を発行、現場第一線の社員およびグループ会社へ配付しました。
管理監督層として実践して欲しい事項(7項)を抽出し、前編より、ステップアップした内容ではありますが、身近な事象を例にあげ、イラストや図表を豊富に盛り込みわかりやすく解説しました。(A4版50頁)

この内容についても安全研究所が各支社に赴き、教材の活用法などについて出前講義を行っています。

事例でわかるヒューマンファクター2【リーダー編】

社内(全社員、グループ会社など)への配布は約6,900部、社外への配布は約9,400部
2026年3月現在
事例でわかるヒューマンファクター2 リーダー編 表紙・内容イメージ

乗務員のための睡眠ハンドブック

2009年11月に運転士のための眠気防止ガイドラインを発行しました。安全研究所では、乗務員への眠気防止対策として、学界の知見を参考に、眠気防止に必要と考えられる、個人の「身体や睡眠のメカニズム」を知ってもらう研究をおこなってきました。

このガイドラインをベースに新たな知見や日常生活で留意すべき事項を追記・改訂する形で、2018年3月に「乗務員のための睡眠ハンドブック〜安全と健康のために〜」を発行しました。2021年3月に、よりわかりやすく正確な記述とするため、内容の一部を改変しています。(A4版53頁)

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