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主な研究成果

近年の主な研究テーマ

(1)基礎的な研究

  • ○ミスの連鎖の発生メカニズムに関する基礎的研究
  • ○高覚醒水準下の注意特性に関する基礎的研究
  • ○人間−機械系の作業の潜在的リスク把握のための分析手法(FRAM)
  • ○ワークエンゲイジメント(指標)と安全行動の関連の検討

(2)社員のヒューマンファクターに関する研究

  • ○運転士等の眠気予防策に関する研究
  • ○夜勤時の眠気に関する研究
  • ○運転士と車掌の連携に関する研究
  • ○異常時の対処法に関する研究
  • ○ホーム柵が運転士に与える心理的負担についての研究
  • ○ヒューマンファクター教育の効果測定
  • ○ヒューマンエラーに起因する鉄道事故の防止に関する一考察

(3)人と装置とのインターフェイスに関する研究

  • ○人と装置とのインターフェイスに関する研究
  • ○旅客流動確認モニターの検証
  • ○試験用発光機の試作と視認性の測定について
  • ○列車運転時における警報音の適正な音量に関する研究
  • ○227系運転台前面パネルの機器配置に関する研究
  • ○新型車両導入時の運転士の習得度の変化について

(4)お客様などのヒューマンファクターに関する研究

  • ○ホーム上の酔客対策の研究
  • ○駅でのスマートフォン利用に関する調査
  • ○鉄道トンネル火災事故における避難行動と救助活動
  • ○踏切道における高齢歩行者の行動特性

あんけんVol.13〜研究成果レポート〜

あんけん表紙イメージ

安全研究所の2019年度の研究成果をとりまとめています。

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あんけん Vol.13 研究成果レポート PDF形式(4,290KB)

  • 1 地震発生時における旅客の心理的負担に関する調査

    地震発生時における鉄道の運転再開までに要する時間は、地震の規模によっては日頃発生する輸送障害にくらべ長いことが予想されます。本調査では、場面想定アンケートにより朝または夕方の通勤時間帯に地震が発生したときに列車の運転再開を待つ旅客の心理的負担を明らかにしました。

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    PDF形式(463KB)

  • 2 地震発生時に旅客の心理的負担を軽減させる情報提供方法に関する調査

    比較的規模の大きな地震が発生した後に列車の運転再開を待つ旅客の心理的負担は大きいものの、これまで十分な軽減策は検討されてきませんでした。本調査では、地震発生後の旅客の心理的負担を軽減させるための情報提供方法を、一旦公表した運転再開時刻をやむを得ず変更する場合を含め場面想定アンケートにより明らかにしました。

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    PDF形式(427KB)

  • 3 役割や権限が与えられたときの対人行動の変化に関する研究

    組織間に権威関係がある場合に、それぞれの組織に属する個人同士のコミュニケーションにおいて不適切な言動がおこることがあります。例えば、取引関係にあり会社の大きさに差がある2社において、それぞれの会社に属する個人同士には職制上の上下関係が無いにも関わらず、大きな会社の社員が威圧的な態度をとる、といった事例が考えられます。このような不適切な言動がおこる原因を明らかにする目的で、実験を実施しました。

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    PDF形式(537KB)

  • 4 作業終盤の失念エラーに重要性認知が及ぼす影響

    「買い物の帰りにポストに手紙を出そう」など、将来の行為に関する記憶を展望的記憶と言います。その行為が重要で、あらかじめわかっているときには、「必ず帰りに手紙を出すように。」など、周囲の人が声をかけたりするのが一般的です。これは、事前に注意喚起することによって本人の重要性認知を高め、当該作業の失念エラーを防ごうとしているからです。そこで今回の実験では、このように事前に重要性を強調することが展望的記憶の成績に影響するかを検討しました。実験では、パソコンを使った作業を用意し、事前に重要性を強調しておいた作業終盤の課題を忘れずに行えるかを測定しました。

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    PDF形式(602KB)

  • 5 発言しやすい職場環境の醸成に向けた研究

    労働災害や事故などが発生する過程で、気付いていたが発言できなかったために、結果としてそれらにつながってしまうことがあります。発言できなかった状況はどのようなもので、どのような要因があるか、それを明らかにすることが、「おかしいと言える雰囲気」をつくるための手がかりになるのではないかと考えました。

    まず、世間一般では言いたいこと・言うべきことが言えない人はどのくらいいるか、現状を把握することを目的とし、調査を実施しました。

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    PDF形式(530KB)

  • 6 自ら実施した行為の記憶に確信があるときの記憶の正確性

    労働場面において、前の作業を「やった(完了)」あるいは「やっていない(未実施)」と思い込んで次の作業に取り掛かると事故につながる危険性があります。本研究では、自らが実施した行為の記憶の特性を調べるために基礎的な実験を行いました。

    例えば、自宅を出るときの「照明を消す」という行為では、照明を消していないのに「照明を消した」と思い込む経験をすることがあります。さらに、自宅を出るときには習慣的に「ハンカチをポケットに入れて、腕時計を身に付けて、部屋の照明を消す」の一連の行為をしている人が、ハンカチと腕時計まで身に付けたが、何かの理由のため途中で一連の行為を終えてしまった場合(途中終了)には、誤って「照明を消した」と思い込みやすいのではないかと考えました。

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    PDF形式(544KB)

  • 7 列車出発に関わる車掌へのアンケート −L空間試行のWeb調査− 

    車掌は、駅から列車を出発させる場面において、様々な安全確認を行い列車出発の判断をしています。これは、ドアにお客様や物を挟んだまま列車が動き出す等の事象を防ぎ、安全に列車を駅から出発させるためです。車掌は、ドアが閉まった瞬間、お客様が挟まれていないこと等を指差しにより確認・喚呼した後に出発の判断を行っています。2018年度より当社では、更なる安全確保のため、列車出発時の安全確認を行う際に、当該判断基準をこれまで以上に明確にした試行的な取り組みを実施しています。取り組みとは、車掌がドア閉めた後、ホーム上の点字ブロックから車両側面までの空間(以下、「L空間」とする。)にお客様や物が認められれば、列車を出発させないこと(以下、「L空間試行」とする。)を実施しています。

    今回、L空間試行について車掌に対してアンケートを実施することで、その効果についてまとめました。

    なお、L空間試行は、小田急電鉄株式会社が2007年6月より実施している「車掌の出発判断基準の明確化」を参考にしたものです。

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    PDF形式(941KB)

  • 8 音声の周波数スペクトルと聞き取りやすさの評価

    何らかのメッセージを伝える音のことをサイン音と呼びます。鉄道車両の運転室では、運転士に緊急停止などの情報を伝えるための手段の一つとして、様々なサイン音が使用されており、これらのサイン音を運転士が確実に聞き取れる音環境が求められます。また近年では、運転士を支援するため、様々な音声によるサイン音が増えつつあります。

    そこで本研究では、走行時に空力音や車輪の転動音などによる車内騒音が発生する運転室という音環境の中で、どのような音声が聞き取りやすいのかについて調査を行いました。

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    PDF形式(1,194KB)

  • 9 EB-N装置が運転士に与える影響に関する研究

    EB装置(運転士異常時列車停止装置)とは、走行中に運転士が疾病など異常状態にあると判断された場合、自動的に非常ブレーキをかける装置のことです。ブレーキをかける動作をより確実にするために、ハンドルを握る部分(以下、「グリップ部」とする。)に新たにスイッチを設けたEB-N装置を搭載した車両(以下、「EB-N」車両とする。)が、2016年度から在来線の一部の線区に導入されました。このハンドルは、グリップ部にスイッチが設けられたことから、これまでのハンドルに比べ大きさや形状が変わったため、これが操作のしやすさにどのように影響を与えているのかを調査しました。

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    PDF形式(780KB)

  • 10 運転士が用いる携帯時刻表に対する視線調査

    在来線運転士は、安全かつ正確に列車を運転するために携帯時刻表(以下、「時刻表」とする。)を使用し、駅の停車・通過や時刻の確認を行っています。時刻表の確認は、駅を発車した後に次の停車駅を指差により確認することや、駅に接近したときに当該駅の駅名、着時刻欄にて停車・通過の別などを指の先で押さえて確認(これらを以下、「指差し確認」とする。)することが作業標準で定められています。それ以外にも、必要により目視で時刻などの確認(以下、「目視確認」とする。)を行います。確認の方法は異なりますが、いずれも停車場名、時刻、着発線(以下、「確認項目」とする。)を時刻表に記載されている多くの情報の中から探し確認しなければいけません。そこで確認項目が見つけやすくなれば、時刻表に対する確認時間が減少するのではないかと考え、表示方法を変更した時刻表を作成して視線移動調査を行いました。

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    PDF形式(1,316KB)

過去の主な研究成果について

教材の発行と社内外への配布

事例でわかるヒューマンファクター

安全研究所では、2007年3月に教材「事例でわかるヒューマンファクター」を発行し、2019年3月までに社内・社外に対し15万部あまりを配布してきました。この教材は、ヒューマンファクターとは何かをやさしい表現でわかりやすく解説しており、社内外のヒューマンファクター教育に活用されています。

一方、発行後10年以上が経過したことから、新たに正常性バイアス、確証バイアスの追加など内容の見直しを図るとともに、この間の研究活動等から得た知見や成果を盛り込み、「ヒューマンファクターの一層の理解・浸透に向け」改訂し、この度、「事例でわかるヒューマンファクター1【基本編】」(A4版89頁)として発行しました。

事例でわかるヒューマンファクター(初版)

社内(全社員、グループ会社など)への配布は約54,800部、社外への配布は約99,400部(2019年3月まで)

事例でわかるヒューマンファクター1【基本編】

社内(全社員、グループ会社など)への配布は約34,800部、社外への配布は約1,400部(2020年3月現在)
事例でわかるヒューマンファクター 表紙・内容イメージ

第1章では、ヒューマンファクターの基本的な考え方などを説明し、第2章では、「脳への情報がうまく伝わらなかった」とき第3章では、「判断をうまくできなかった」ときにそれぞれ生じるエラーについて紹介しています。
第4章では前章で紹介したヒューマンファクターを含め、エラーを防止するために、皆で取り組むべき対策や守るべきルール等、私たちをとりまくものについて説明しています。

事例でわかるヒューマンファクター2 リーダー編

2017年3月には『事例でわかるヒューマンファクター』の続編として、前書と同様に学界の知見等も参考にしつつ、現場第一線の管理監督層に知ってほしい事項を盛りこんだ教材を発行、現場第一線の社員およびグループ会社へ配付しました。
管理監督層として実践して欲しい事項(7項)を抽出し、前編より、ステップアップした内容ではありますが、身近な事象を例にあげ、イラストや図表を豊富に盛り込みわかりやすく解説しました。(A4版50頁)

この内容についても安全研究所が各支社に赴き、教材の活用法などについて出前講義を行っています。

事例でわかるヒューマンファクター2 リーダー編 表紙・内容イメージ

乗務員のための睡眠ハンドブック

2009年11月に運転士のための眠気防止ガイドラインを発行しました。安全研究所では、乗務員への眠気防止対策として、学界の知見を参考に、眠気防止に必要と考えられる、個人の「身体や睡眠のメカニズム」を知ってもらう研究をおこなってきました。

また、これまで乗務員区所を中心に眠気防止対策への講義を行ってきましたが、電気や施設社員へも夜間作業に発生する、交通事故防止の対策として、眠気防止への講義を実施しています。(A4版53頁)

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