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匠への道

技術を受け継ぐ旗手たち(第22回)

(株)JR西日本交通サービス 山北 優 スーパーバイザー

遠隔システムコールセンターは、駅改札口付近に設置されている「改札口コールシステム」からの問い合わせと「みどりの券売機プラス」を通した発券・案内に遠隔で対応している。2020年1月1日時点で、改札口コールシステムは京阪神エリアを中心に236駅、みどりの券売機プラスは京阪神のみならず西日本エリア全域に対応範囲を広げ96駅と、数多くの駅を支えている。そんな遠隔センターの最前線で対応するオペレーターの育成やサポートを行うのがSV(スーパーバイザー)であり、今回の主人公、山北 優の役割だ。

山北 優の経歴図

組織や職責を超えて連携し助け合う

2005年7月に入社し、初めは当時大阪駅にあった案内所で遺失物の対応や迷子のお問い合わせなどを担当した。その後、JR西日本からの委託駅であるJR宝塚線の中山寺駅、学研都市線の松井山手駅で駅係員としてのキャリアを積んだ。

松井山手駅で勤務していた際、ダイヤが大幅に乱れたため、最終列車到着後に松井山手駅から先へ帰宅できない数十人のお客様にタクシー代行が必要になったことがあった。それまでにもタクシー代行の経験はあったが、今回はお客様の数が多い。しかも、松井山手駅は夜間1人体制の駅だ。山北は“これは大変だ”と思ったという。そんな時、状況を聞きつけた当時の長尾管理駅長(JR西日本所属)が深夜にもかかわらず駆けつけてくれ、共に駅前のロータリーでタクシー乗り場へ列をなしていた全てのお客様をご案内した。「組織や職責を超えて最善を尽くすことの大切さを学んだ、忘れられない感慨深い経験です」と当時を振り返る。

駅ではさまざまな経験を経て、駅実務認定試験SAランクを取得するまでになった山北だが、失敗をすることもあった。「通学定期券を通勤定期券と誤って発売してしまい、数カ月後、自分がその職場から異動となった後に、お客様からの申告で発覚したことがありました。補充券などを切ってお客様対応をしてくれた仲間たちには感謝しかありません」。逆に、山北が他駅で起こったミスをカバーしたこともある。「まずは失敗しないよう自分自身が注意することが必要ですが、人間誰しもがミスをする可能性はあります。自分が助けてもらったことを忘れずに、何かあったら自分も他者を進んで助ける、お互いさまの心が大切だと思います」。助けてもらった後にはぐっジョブカードを送るなど、お礼を伝えることも忘れない。

※駅係員の実務能力向上をめざして実施している試験であり、SAランクは最高位。

SVとして心がけていること

実務能力向上をめざす小集団活動のミーティングで今後に向けてのアドバイスを行う。

駅係員からJR西日本交通サービス本社の業務指導課、大阪エリア統括部などで間接業務の経験を経て、現在は遠隔システムコールセンターでSVとして50名を超えるオペレーターの育成、サポートに励んでいる。

遠隔でお客様とコミュニケーションを交わさなければならないこと、幅広いエリア・線区の特情を知っておかなければならないことがオペレーター業務の難しいところだ。駅係員として数年のキャリアを積んで、オペレーターとなるステップだが、初めからなかなか完璧にはいかない。オペレーターがミスをしてしまった際には、相手によって指導するタイミングや声のトーンに気を配りつつ、何が原因だったのか分析をして対策を立てるよう指導している。

時には、お客様への対応の仕方についてオペレーターから判断を求められることもある。そのような時、自分より制度に詳しい社員がいれば後輩であっても意見を聞くことを厭わない。周囲の意見を踏まえて出した判断に対しては、SVである自分が責任を持つということを明確に伝え、オペレーターが安心して応対できる環境づくりにも努めている。

今後めざす未来

遠隔システムコールセンターと接続する箇所はここ数年で大幅に増加している。「駅がどのような体制で運営されているかはお客様にとっては関係のないことです。お客様により良いサービスを提供するためには、会社や系統の垣根を超えてグループ全体がもっと融合し、一体感を醸成していくことが大切だと思います」。

最後に今後の目標を聞いた。「遠隔システムコールセンターには経験の浅い社員も増えてきています。雑談を含めた日々のコミュニケーションを積極的にとることで、みんなが安心して業務できる、より相談がしやすい職場を作っていきたいです。また、自分自身が若手社員のめざす姿となることも目標です。自分自身のモチベーション維持のためにも、オンオフのメリハリをつけ、仕事もプライベートも充実させることを意識しています」。

遠隔システムコールセンターの変革期にオペレーターの育成を任されていることは幸せなことだと話す山北の笑顔が印象的だった。

影響を受けた言葉「当たり前のことを当たり前に」

大阪エリア統括部で働いていた頃の上司から言われ続けた言葉です。何を簡単なことと思われるかもしれないですが、「当たり前のことを当たり前に」ということは物事の基本を理解していなければ、継続することが難しいことだと思います。慣れなどからくるちょっとした油断や過信が大きなミスにつながってしまうかもしれません。自分自身、思い込みで業務を進めてしまいがちなところがあるので、何事も自分の目でしっかり基本を確認し、客観的な視点で判断するという当たり前のことを当たり前にできるように日々意識しています。

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