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エネルギー消費量とCO2排出量の現状

JR西日本の事業活動におけるエネルギー消費量とCO2排出量の実績

JR西日本の2016年度のエネルギー消費量は320.1億メガジュール、CO2排出量[注釈1](=GHGの排出量)は193.3万トンでした。2012年度以降、山陽新幹線の増発や北陸新幹線開業、お客様のご利用状況が好調なことなどによりエネルギー消費量は増加傾向にありますが、省エネ車両の導入、省エネ運転の推進、高効率空調設備への更新、駅・オフィス照明のLED化、駅ホーム照明点灯時間の適正化など、様々な省エネ施策を進めてきました。その結果、対前年比0.2%減少し、CO2排出量(=GHGの排出量)は対前年度比3.5%減となりました。また、中期経営計画2017に掲げている環境目標のうち、在来線運転用及び駅・オフィス用のエネルギー消費量、エネルギー消費原単位、省エネ車両比率については、達成できる見通しです。今年度も引き続き、省エネ施策を着実に進め、JR西日本全体のエネルギー消費量削減に取り組みます。
なお、CO2排出量(=GHGの排出量)は、年度の排出係数によって大きく影響されるため、JR西日本では、エネルギー消費量の削減を目標として掲げています。

  • [注釈1]CO2排出量(=GHGの排出量)・・・ 温室効果ガスの排出量(=GHGの排出量)を、CO2排出量に置き換えています。

当社の事業活動におけるエネルギー消費量とCO2排出量の実績(2016年度)

JR西日本のエネルギー消費の現状

2016年度にJR西日本が消費したエネルギー総量は320.1億メガジュールであり、そのうち95.8%は電力が占めています。

エネルギー消費量の内訳(2016年度)

省エネルギーの取り組み

JR西日本では、地球環境保護の観点から列車運転用エネルギーのみならず、駅、オフィス等の業務用エネルギーの削減にも取り組んでいます。

列車運行用エネルギーの削減

JR西日本では消費エネルギーの85%を列車運行エネルギーが占めています。これを削減するため、ハード対策として、モーターを効率よく制御するVVVFインバータや、ブレーキ時にモーターが発電機となって発電する回生ブレーキなどの省エネルギー機能を備えた車両の導入や、送電設備の見直し、回生電力の有効活用(電車への送電ロスを低減させる上下タイき電の設置、電力貯蔵装置の開発など)などに取り組んでいます。また、その他、お客様のご利用状況に合わせた列車運行の見直しや回送列車の削減、省エネルギー運転の推進などにも取り組んでいます。

列車運行エネルギー低減の具体的取り組みの図

列車運転用エネルギー消費量と省エネルギー車両の導入推移

2016年度の車両キロあたりの消費エネルギー(1両を1キロメートル走行させるのに必要なエネルギー)は19.7メガジュールとなり、当社基準年の2010年度と比較して5%削減しています。
今後も、省エネルギー車両の導入など、列車運転用エネルギーの削減に向けた取り組みを進めていきます。

列車運転用エネルギー消費量と車両キロあたりの消費エネルギーの推移(2016年度)

省エネルギー車両の導入推移(2016年度)

電力貯蔵装置により回生電力を有効活用

2018年3月、環境省と国土交通省の連携事業である「エコレールラインプロジェクト事業※」の補助を受けて、野洲き電区分所(滋賀県野洲市冨波乙)に「電力貯蔵装置」を導入しました。          
電力貯蔵装置は、電車がブレーキをかける際に発生する回生電力を蓄電池に一旦充電し、近くを走行する電車が加速する際に放電することでエネルギーを効率的に活用するものです。この装置は、エネルギーを無駄なく活用するだけでなく、架線電圧を安定させる効果もあり、鉄道の安定輸送にも寄与しています。

  • エコレールラインプロジェクト事業
    鉄道駅や運転指令所等に対する再生可能エネルギーの導入や、エネルギーを効率的に使用するための省エネ設備の導入等、省電力化、低炭素化について計画的に取り組む鉄道事業者を支援することで、鉄道の省電力化、低炭素化技術の普及を促すことを目的とした事業。

保安設備の高効率化Web限定情報

信号機や照明の高効率化も重要な課題と位置づけています。信号機を電球式からLED(発光ダイオード)式にすることで、乗務員の視認性が向上し、消費電力の観点からも省エネルギー化が図られます。
事務所やホームなどの照明についても、白熱電球の蛍光灯化や省電力型蛍光灯、LED照明など高効率な機器の採用を進めています。

LED式信号機

駅、オフィス等の業務用エネルギーの削減

駅・オフィス等で使用するエネルギーは列車運行エネルギーと比較すると少ないものの、約48.1億メガジュールに上ります。これらは列車の安全・安定輸送やお客様の利便性向上のために必要不可欠なエネルギーですが、その削減に向け、使用機器を現在の設備規模に合った高効率なものに取り替えるとともに、新たに導入する機器についても省エネルギー化の配慮を行っています。

業務用エネルギー消費量の推移(2016年度)

エコステーション構想を推進

JR西日本では、省エネルギー照明や雨水利用、太陽光発電、屋上緑化など、地球環境に配慮した快適なエコステーションづくりを推進しています。
エコステーションとは、省エネルギー・省資源などの効果が駅全体として最大限に発揮される設計でなければなりません。そのため、計画、設計、施工、維持管理、運用など様々な分野の社員が共通認識を持つ必要があるとして、2013年3月に共通の設計指針となる「エコステーション設計ガイドライン」を作成しました。新駅設置やバリアフリー化、橋上化などの駅改良の際にこのガイドラインを活用することで、今後のエコステーション実現に努めていきます。

エコステーション設計ガイドライン

エコステーション設計ガイドラインの概要Web限定情報
各章 主な考え方
第1章 エコステーションの背景 JR西日本はグループ会社と一体となって地球環境保護の取り組み、持続的発展が可能な社会の実現に貢献するために、地域の玄関口、お客様との接点である駅に対する取り組みをより着実に推進する。新駅設置やバリアフリー化、橋上化などの駅改良の際にこのガイドラインを活用すること。
第2章 エネルギー(電気) 標準駅における消費電力量の約半分が照明設備によるもので、昼間の昼光や太陽光発電、省エネルギー機器を導入することなどにより電力量を大幅に削減すること。
第3章 資源(水) 駅で使用される上水道の約85%がトイレで使用されており、給排水設備はトイレ周りを中心とし、雨水や湧水、地下水などを利用して積極的な節水技術を導入すること。
第4章 空気(温熱環境) 外気温や日射、人体からの発熱、設備機器からの排熱などの影響を減らすために、西日の影響を受けにくい建物配置や温熱シミュレーションなど、温熱環境をコントロールするための設計を行うこと。
第5章 マテリアル(建材) 長寿命化や木質化など修繕を繰り返しながら長期にわたり使用できるよう、非再生性資源材料の使用量削減(3R)に取り組むとともに、グリーン購入法特定調達物品情報システムやエコマーク商品の活用など、地球環境に配慮した建材を使用した設計を行うこと。
第6章 周辺環境、その他 鉄道の利用促進を図ることは、駅だけでなく地域全体でのCO2削減と省エネルギーに貢献するため、交通(鉄道・バスなど)・エネルギー・緑化(屋上・壁面)など様々な分野の技術を結集して駅の魅力向上を図ること。

JR神戸線 摩耶駅における取り組み

2016年3月、JR神戸線(東海道線)六甲道駅・灘駅間にエコステーション摩耶駅を開業しました。電車のブレーキで発電する回生電力を駅舎照明に使用する直流電力変換装置を当社で初めて導入し、さらには、自然の光や風の流れを利用し快適性を確保するとともに、太陽光発電や全照明のLED化など様々な環境保全技術を導入し、同規模駅に比べ一日のエネルギー消費量の約50%削減を達成しました。また、六甲山系の間伐材を内装に使用するなど森林整備にも寄与し、地域との共生を図っています。

【直流電力変換装置の導入】直流電力変換装置は、電車のブレーキ時に発生する直流1,500Vの回生電力エネルギーを交流100Vや200Vに変換し、駅の照明などに無駄なく利用するために、JR神戸線(東海道本線)摩耶駅に、当社で初めて導入しました。同装置は一般家庭10世帯分の電力量(約100kWh/日)を賄える能力を備え、駅の消費電力削減に寄与しています。

エコステーション 摩耶駅で使用されている環境保全技術の図

エスカレーターの省エネルギー運転Web限定情報

インバータ制御を採用したエスカレーターを導入し、人感センサーによりお客様がいない待機時間帯に微速運転を行うことで、無駄な運転を少なくし、消費エネルギーの削減を図っています。

大阪駅のエスカレーター

電力供給逼迫に対応した節電を継続

JR西日本グループを挙げて、節電の取り組みを継続実施しています。従来の取り組みに加え、エコステーションの検討で得た知見を活用し、照明回路の細分化や、高効率照明(LEDなど)への取り替えを進めています。また、可能な範囲で営業列車の車内消灯、エスカレーターの速度変更、自動改札機・券売機の一部停止なども実施しています。

グループ会社等の取り組み

大阪ステーションシティの熱供給システムの高効率運転(省エネルギー化)

大阪ステーションシティに冷暖房エネルギーを供給している当社グループの大阪エネルギーサービス株式会社は、地域冷暖房プラントの運用を毎年改善することで効率的な運転を行っていることが評価され、2014年5月に「空気調和・衛生工学会 技術賞」を、2014年9月に「豊かな環境づくり大阪府民会議 おおさか環境賞 奨励賞」、2016年1月に「省エネ大賞 省エネルギーセンター会長賞」を受賞しました。

再生可能エネルギーの活用

太陽光発電・風力発電

従来からある機器のエネルギー効率を高めるだけでなく、自然エネルギーを活用したCO2削減にも取り組んでいます。これまでに、太陽光発電を網干総合車両所や摩耶駅、福井駅、大阪駅、和歌山支社ビル、和泉府中駅などに設置したほか、風力発電を湖西線近江舞子駅、大阪駅に導入しています。こうして得られた再生可能エネルギーは駅や区所の電源の一部として用いており、2016年度の総電力は約20万kWhで、CO2約115トン分に相当する量を削減しました。

また、持続的発展が可能な社会の実現に貢献するため、山口県厚狭地区にメガソーラー(大規模太陽光発電所)を建設し、2015年3月より発電を開始しています。

  • 発電規模:5,000kW(5MW)
  • 発電電力量 :約510万kWh/年(一般家庭の約1,020世帯相当)
  • CO2削減量:約3,710トン/年
  • 北陸本線福井駅での太陽光発電

  • 湖西線近江舞子駅での風力発電

  • 厚狭太陽光発電所

  • 摩耶駅での太陽光発電

グループ会社でも再生可能エネルギーの活用に取り組んでいます。

大阪ステーションシティにおける環境への配慮Web限定情報

2011年5月、大阪駅に新しい「まち」・大阪ステーションシティが誕生しました。
「人と環境にやさしい」をテーマに、できる限り環境に配慮した仕組みを取り入れています。

  • 太陽光発電や風力発電を設置し、省エネ・創エネに取り組んでいます。
  • 屋上の広場にはたくさんの緑を配置し、都市のヒートアイランド現象を緩和しています。
  • ドーム下の広い空間には、霧状の水が蒸発する際の熱吸収を利用した細霧冷房を設置しています。
  • エネルギーを集中して製造・供給する地域冷暖房を取り入れ、エネルギーの効率化を図っています。
  • ドームに降り注いだ雨水を集め、中水としてトイレや植物への散水に利用します。
  • 大阪ステーションシティの環境への取り組みが大阪市に認められ、CASBEE大阪でノースゲートビルディング・駅舎がSランク、サウスゲートビルディングがAランクを取得しています。
  • CASBEE(Comprehensive Assessment System for Built Environment Efficiency)
    建築環境総合性能評価システム(建築物の環境品質と環境負荷を評価するシステム)

大阪ステーションシティにおける環境への配慮をした施設の図

マンション開発における環境への配慮

鉄道を中心とした快適な都市生活を提案する、ジェイアール西日本不動産開発株式会社では、交通アクセスで暮らしの付加価値を高めるとともに、省エネ・エコ仕様など上質なマンションクオリティを採用、豊かで快適な暮らしの提案を行っています。

「ジェイグラン岡本」では太陽光を集めて室内へ導き、エレベーターホールの補助照明として利用する「太陽光採光システム」や、地下熱を利用してエントランスホールへ適度に調温された空気を送る「パッシブ換気システム」など自然の恵みを取り入れた住まいを目指しています。

ジェイグラン岡本

  • 太陽光採光システム概念図

  • パッシブ換気システム概念図

お客様の利便性向上に向けた取り組み

公共交通機関を多くのお客様にご利用いただくことが、交通体系全体のCO2削減につながると考えています。当社では、これに向けて他の交通事業者とも連携し、お客様の利便性向上に向けた取り組みを進めています。また、駅まで・駅からの移動手段や鉄道のご利用がエコへの参画だと実感できるライフスタイルを提案し、お客様と一体となった取り組みを推進しています。

交通系ICカードの相互利用

2013年3月より、交通系ICカード全国相互利用サービスを開始し、ICOCA・PASMO・Suicaなどいずれか1枚で、10の交通系ICカードエリアの鉄道・バス、お店(PiTaPaは除く)がご利用いただけるようになりました。

交通系ICカードの全国相互利用サービス開始セレモニーの様子

ICカード乗車券を活用した連携サービスの拡大

JR西日本と私鉄等[注釈1]を乗り継ぎされるお客様に、ICカード乗車券はますます便利になりました。
JR西日本は、私鉄等各社と今後もさまざまな分野で連携を図り、ご利用のお客様の利便性向上を進めてまいります。

  • [注釈1] 各連携私鉄等(2017年3月現在)
    Osaka Metro、南海電鉄、京都市交通局、神戸市交通局、山陽電車、神戸電鉄、大阪モノレール、泉北高速、神戸新交通、北神急行電鉄、山陽バス

パンフレットの写真

駅リンくんWeb限定情報

都市型レンタサイクル「駅リンくん」を24箇所で展開しています。(2017年3月現在)

駅リンくん外観

パーク&ライド

駅まで車でお越しになるお客様には駐車場をおトクに利用できる「パーク&ライド」を実施しています。

パーク&ライド外観

レール&レンタカー/レール&カーシェアWeb限定情報

駅から先の移動手段として、「駅レンタカー」やカーシェアリングサービス「レール&カーシェア」をご用意。「駅レンタカー」は当社エリア内に71箇所、「レール&カーシェア」は26箇所42台で実施しています。(2017年3月現在)

レール&レンタカー外観

パーク&ICOCAWeb限定情報

駅周辺にあるサービス対象の「タイムズ」と鉄道を同時にご利用いただく際、最寄駅で降車したICOCAをタッチしていただくだけで、「タイムズ」の駐車料金を自動的に優待するサービスを46駅52箇所の駐車場で実施しています。(2017年3月現在)

パーク&ICOCAのイメージ図

EV(電気自動車)のレンタカー 〜行政との協働〜

JR西日本レンタカー&リース株式会社では、鳥取県、島根県両県にまたがる全国で5番目に大きい湖でラムサール条約登録湿地のひとつである「中海」の沿岸の4市(米子市、境港市、松江市、安来市)が公用で購入した電気自動車(計9台)を閉庁日(土休日)にレンタカーとして貸出しています。

平日は各市が公用車として使用している電気自動車を、土日・休日に市民や観光客に貸し出す事業を行政と協働で行い、環境に優しい自動車の有効活用や普及・啓発に努めています。

EVレンタカー出発式(写真提供:中海市長会)

NEXT循環型社会構築への貢献(省資源)

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