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匠への道

技術を受け継ぐ旗手たち(第9回)

新幹線管理本部 東京指令所 上岡 圭介 旅客副総括指令長

新幹線管理本部 東京指令所 上岡 圭介 旅客副総括指令長

皆さんは、人が成長するためには何が必要と思うだろうか。今回の主人公である上岡圭介は、常に新たな環境に身を置き、挑戦の連続により自身を成長させ続けている。鉄道人としてのキャリアを駅でスタートさせた上岡は、その後車掌、指令などを経験し、その都度必要な知識を蓄え、実践してきた。既存の決まりごとを全てと思わず、ルールや慣習を実態に照らし合わせて常に見直す上岡は、まさに「継続」と「進化」を体現している。指令という部署から日本の大動脈を守る、若き旅客副総括指令長を追った。

上岡圭介旅客副総括指令長

自分はどうしたいのか、まずは思いを持つこと

最初に配属された駅では、お客様から厳しいご意見をいただく日々が続き、モチベーションを維持するのが難しかったと振り返る。ある日、先輩が朝早くから掃除をしている姿が目に入り、「掃除が好きなんですね」と声を掛けると、「俺は人のために何かできることが幸せなんだ」と返された。それまで人のために何かをする経験がなかった上岡からすれば、思いもよらない回答に戸惑ったと当時を振り返る。この出来事以降上岡は、「こうしたい、こうして差し上げたい」という思いを持って仕事をするようになった。「自分の思いを持つ」ことが、今の上岡の原点になっている。

運転士試験に不合格…前向きに捉え、訪れた転機

上岡は将来的に運転士の道を歩むものとして採用され、駅、車掌を経て運転士試験を受験したが、結果は不合格。「ショックは相当なものだった」と語る上岡だが、「視野を広げ、スキルを高めるチャンス」とポジティブに捉え、社内通信研修や旅行業務取扱管理者といった公的資格取得など自己研鑽に励むと同時に、サービス向上のため、若手の先頭に立って職場の小集団活動に取り組んだ。そうした姿勢が認められ新幹線車掌に推薦されることになり、当時最年少で合格する。「現状に満足せず、諦めずにいて本当に良かったと思います。面接で『自分が新たなキャリアを作り、同じ境遇の社員の道標になりたい』と言ったことを覚えていますが、その思いが伝わったのではと考えています。当時の思いは今も変わりません」と話す。念願かない新幹線車掌として働いていた上岡に、さらなるキャリアアップの話が舞い込んでくる。当時創設されたばかりのジュニアカレッジへの応募の機会を得た。上岡は「自分の視野をもっと広げたい」とすぐさま応募、見事1期生として合格する。

合格後は、駅運転、指令、車掌(指導)と新たな職場を経験した。さまざまな業務に携わることで、鉄道は多くの力が結集されて成り立つものであることを肌で感じることができた。

※ 現在のネクストステップ研修

「自ら考えてベストな選択を」。臨機応変な対応こそ、自分たちの存在意義

現在は再び東京指令所で、旅客指令副総括指令長として旅客指令全体をまとめる大役を担う。中でも力を入れているのは情報発信のあり方だ。ダイヤが乱れることが多い首都圏で一人の乗客として鉄道を利用する中、その必要性を強く感じたという。お客様が求める情報は何なのか、刻々と変化するニーズに応えるため、受け手を意識した発信にこだわり、他箇所、同業他社とも意見交換を重ねて情報発信のガイドラインを作成した。答えが見えないようにも思える問いに挑み続ける上岡の姿勢は、後を走る世代にも受け継がれている。

「ルールに則って仕事をすることは大切ですが、まずはルールが定められた理由や背景を理解しなくてはなりません。それらを意識することで、真に安全で、お客様のためになる判断ができるようになると思います。部下には『漫然とルールに従うのではなく、自ら考えてベストな選択をするように』と常々伝えています。でないと、私たち指令員がいる意味がありません」と力強く語る上岡。「いろいろな業務を経験することで仕事の裾野が広がり、自分を磨くことができます。現状に安住することだけは絶対にしてほしくないですね」と後輩たちにエールを送る。それは後輩だけでなく、社員全員に向けて発せられている言葉のようにも聞こえた。

  • 毎朝のミーティングで、前日の出来事や当日の注意事項などを関係者で確認する。
  • 異常時に行われる指令間協議には旅客指令の代表として出席し、情報交換と確認を行う。

期待の一言

東京指令所
中野 孝俊担当課長

上岡君は駅、車掌を経て旅客指令を経験し、車掌所の係長として第一線で頑張った後、再び旅客指令に戻ってきてくれました。今は副総括指令長として、その高い技術力と知識で旅客指令全体をよくまとめ、けん引してくれています。これまで常にお客様に接する最前線で活躍してきた彼の貴重な経験と実務能力に大いに期待しているところです。異常時の情報発信の中心となる指令所で、お客様が本当に求める情報は何なのかを感じながら仕事をする彼の背中に、指令員の熱い視線が注がれています。

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