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福知山線列車脱線事故の鉄道事故調査報告書に対する取り組み

調査報告書の建議・所見など(平成19年6月)

  • 「建議」とは、航空・鉄道事故調査委員会が調査結果に基づき、事故の防止または事故の被害の軽減のため講ずべき施策について、国土交通大臣または関係行政機関の長に対して措置を講じるよう求めたもの。鉄道事業者に対しては、国土交通省から地方運輸局を通じて通達される。
  • 「所見」とは、航空・鉄道事故調査委員会が事故の調査結果に基づき、事故を発生させた鉄道事業者が講ずべき措置として示したもの。

建議に対する措置

No 細目 主な取り組み状況
1 インシデント等の把握
及び活用方法の改善
(1)報告制度の改善
  • 軽微な取り扱い誤りは「事故の芽」として事故等から区分(H17.9)
  • 報告しやすい環境整備に向け、「事故の芽」を「安全報告」に名称変更(H19.9)
  • 「事故概念」の見直しを実施(H20.4)
(2)客観的な原因分析
 及び再発防止策の
 検討と適確な対策
 の実施
  • 事故等に対して、ハード面、ソフト面等広い視点で原因分析を行う多面的分析手法を導入(H19.8)
  • ATS-P車上装置記録データを解析し地上子の移設等に活用する仕組みを構築(H19.11)
  • リスクを組織的、体系的に把握し低減させていくための具体的手法として、リスクアセスメントを導入(H20.4)
  • 運転状況記録装置の整備を完了(H25.12)
(3)事故等の情報を共有
 する仕組みの整備
  • 他会社で発生した事故等に対し、運輸安全委員会の公表結果をもとに、情報共有し対応方を検討する仕組みを構築(H19.10)
2 列車無線による交信
の制限
(1)走行中における無線
 交信等の禁止
  • 走行中における運転士の無線交信を禁止(H19.5)
  • 走行中における運転士のメモを禁止(H19.12)
(2)列車無線交信の
 必要性を低減する
 方法の検討
  • 運転通告等を文字で送信する運転通告伝送システムを奈良線・関西線で導入(H26.5)
3 メーカー担当者等への
関係法令等の周知徹底
(1)メーカー担当者等
 への周知徹底
  • 製作メーカーに担当者等への関係法令等の周知徹底を要請し、実施状況を確認する仕組みを構築(H19.9)
  • 信号機器等の仕様書に関係法令集を明記(H19.11)
(2)外部委託先担当者
 への周知徹底
  • 法令遵守の体制が確保されていることを計画書等で確認できる仕組みを構築(H19.11)
  • 保守工事等の委託に際し、関係法令遵守に関する講習を実施する仕組みを構築(H19.9)
(3)安全上重要な機器等
 の機能確認の徹底
  • 安全上重要な機器において新たな方式を採用する場合等には、立会いのうえで確認試験を行い、仕様書で要求する機能・性能を満たしていることを確認する仕組みを構築(H20.4)

所見に対する措置

No 細目 主な取り組み状況
1 運転技術に関する教育
の改善
(1)運転技術
  • 新任運転士に対するフォロー研修(3ヶ月・6ヶ月・1年・2年)を導入(H17.8)
  • 全運転士に対して概ね3年ごとの定期研修にあわせ「知識・技能確認」を導入(H18.4)
  • シミュレータやコンピュータ教材を活用した実践的訓練や効果的教育の導入(H19.3)
  • 安全研究所の研究成果「事例でわかるヒューマンファクター」を全社員に配布、活用(H19.3)
  • 安全研究所の研究成果「運転士のための眠気防止ガイドライン」を全乗務員に配布、活用(H21.12)
  • 講習内容の充実等、運転士養成教育を充実(H21.12)
  • 指導操縦者のためのマニュアルを制定(H24.4)
  • 運転士養成に関わる教科書の見直しを完了(H26.3)
(2)事故等再発防止教育
  • 再発防止教育の標準化および充実を図るため指導監を設置(H17.6)
  • 乗務員関係事故等再発防止教育要領を制定し教育内容を全面的に見直し(H17.7)
  • 再発防止教育後に教育効果の定着度の確認を行う定期的なフォロー制度を導入(H20.4)
2 ブレーキ装置の改良 (1)ブレーキ性能の改善
  • 車両形式の違いによるブレーキ性能等の差を解消するため、207系・321系753両全てのブレーキ装置を改修、その他の車両についても必要な調整・改修を完了(H23.3)
  • ATS-Pの設定減速度を実減速度にあわせ、速度照査機能による不要なブレーキ動作を解消(H24.3)
(2)ブレーキハンドルの
 改善
  • 常用ブレーキも非常ブレーキも動作しない状態が比較的生じやすい構造の車両の改修を完了(H20.9)
3 人命の安全を最優先
とした運行管理
(1)福知山線列車脱線
 事故後の「人命の安全
 を最優先とした運行
 管理」への取り組み
  • 列車防護、お客様の救護、被害に遭われた方々への対応、関係機関との連携向上を図る列車事故総合訓練を開始(H17.10)
  • 新たな企業理念と安全憲章を制定(H18.3)
  • 防護無線機の予備電源の搭載および常時給電化の整備を完了(H18.9)
  • 「鉄道安全管理規程」を制定し、安全統括管理者等を選任(H18.10)
  • 運輸関係指令員のマニュアルに「列車衝突事故、列車脱線事故等の重大事故が発生した場合」の取り扱いを追加(H19.1)
  • 鉄道安全考動館を活用した安全教育の開始(H19.4)
  • 「津波避難誘導心得」を制定(H24.8)
  • 関係指令間での情報共有化を促進する情報共有システムの導入完了(H25.1)
  • 大規模災害に直面した乗務員の状況判断力、対応能力向上に向けた「Think-and-Act Training」を導入(H25.9)
(2)インシデントに対する
 対策
  • 大雨等における伝達ミスによる徐行速度超過(インシデント)の発生を踏まえ、駅社員・指令員のバックアップ体制、チェックリストを整備(H18.8)、責任者を指定する仕組みを整備(H19.1)
4 標識の整備 (1)曲線速度制限注意
 喚起標
  • 曲線速度制限注意喚起標(1,216箇所)を整備(H18.3)
(2)曲線指示標
  • 曲線指示標(1,001箇所)を整備(H20.3)
(3)速度制限標識
  • 速度制限標識(4,843箇所)を再整備(H20.3)
(4)下り勾配制限標
  • 下り勾配制限標(2,239箇所)を整備(H20.8)
(5)セクションゾーン・
 クリア看板
  • セクションゾーン・クリア看板(848箇所)を整備(H20.9)
5 事故発生時における
車両の安全性向上方策
の研究
(1)衝突安全性の向上
  • 車体の構造を見直し、衝突安全性を向上させた車両を投入開始(側面衝突およびオフセット衝突対策H20.7、前面衝突対策H22.12)
(2)吊り手の増設等
  • 吊り手の増設(207系H21.9、117系の全車両および115系の一部H22.9)
  • 吊り手の形状や色調を見直した車両の投入開始(H22.3)
(3)車両異常挙動検知
 システムの搭載
  • 脱線などの車両の異常な動きを検知し、自動的に防護無線を発報する車両異常挙動検知システムを導入(H25.11)

その他に対する措置

No 細目 主な取り組み状況
1 列車ダイヤに関する
事項
(1)ダイヤの見直し及び
 検証
  • 遅れに対して弾力のあるダイヤとするため、全社的なダイヤ改正を実施(H18.3)
  • 定期的にダイヤを検証し、必要があれば速やかに修正する仕組みを構築
(2)宝塚駅におけるダイヤ
 の見直し及び開通時分
 の調査方法の改善
  • 先行列車の遅延を宝塚駅折返し列車に波及させないダイヤを設定(当該列車H17.10、他列車H20.3)
  • 開通時分を見直す場合は、計算値を求めたうえで、現地での実測調査結果を反映して決定する仕組みを構築
(3)ダイヤの管理
  • 新たなダイヤ検証システムの導入開始(H22.3)
2 ATSに関する事項 (1)曲線へのATS整備等
  • 速度超過防止対策として、曲線・分岐器・行き止まり線用ATSを安全性向上計画の中で整備(H19.3)
  • 「鉄道に関する技術上の基準を定める省令」の改正で新たなATSの基準が示され、整備期限にかかわらず 早期に対応(H25.3)
(2)ATS-P整備状況
  • ATS-P型の整備
     大和路線[加茂〜王寺](H18.12)、
     阪和線[日根野〜和歌山](H19.3)、
     奈良線[京都〜木津](H20.4)、
     JR宝塚線[新三田〜篠山口](H21.2)、
     山陽線[網干〜上郡](H21.7)、
     嵯峨野線[京都〜園部](H23.1)、
     湖西線[山科〜近江塩津](H23.3)、
     学研都市線[木津〜京田辺](H23.11)、
     北陸線[米原〜長浜](H24.9)
(3)ATS-Pデータの
 設定方法の改善
  • 保安設備に関する重要な事柄について議論する「保安設備検討委員会」を設置
  • 「ATS設計時のデータ取扱手引」を作成、周知(H19.4)
(4)停車駅通過防止機能
  • 停車駅等を運転士に注意喚起するGPS機能を活用した運転士支援装置の導入開始(H21.3)
(5)ATS-SWの制約解消
 に向けた取り組み
  • ATS未投入走行防止支援装置の整備
  • 連続速度照査機能と幅広い運転支援機能を実現する、新しい保安システムを開発
(6)線区最高速度超過
 防止対策
  • 「線区最高速度」より「最高運転速度」が高い車両が走行する線区について、ATS-Pによる線区最高速度照査を整備(ATS-P線区はH26.3完了、ATS-SW線区のうちATS-P搭載車が走行する区間は整備中)
  • ATS-P非搭載車に最高運転速度を制限する速度選択スイッチを整備
3 運転士の勤務、行路の
見直し等に関する事項
(1)運転士の勤務、行路
 の見直し
  • 睡眠時無呼吸症候群(SAS)対策として全運転士に原則3年に1回の簡易検査を導入(H18.4)
  • より適正な乗務行路とすべく、JR宝塚線行路の見直しおよび連続乗務時間、乗務距離の制限を見直したのをはじめ、ダイヤ改正時等に乗務エリア、乗務車種等の見直し開始(H19.3)
  • 乗務前の点呼において、アルコール検知器による検査を導入(H19.8)
  • 列車時刻見直しや担当列車持ち替えによる乗務行路変更などにより夜間休養時間を拡大(H21.3)
(2)採時及び乗務中の
 報告の改善
  • 運転士へ運転時刻の具体的な採時箇所を再度周知
  • 乗務中の列車遅延等に関する報告を乗務後に変更(H20.4)
(3)標識、運転諸標類等
 の管理
  • 全社的に形状や表記を統一する必要のあるものについては本社で基準を定め、統一した表記により整備
4 車両及び設備管理に
関する事項
(1)速度計の取扱いに
 関する改善策
  • デジタル式速度計の改修(H18.4)
  • デジタル式速度計の検査見直し(H19.4)
  • 安全上重要な機器に不具合のある車両を営業使用しない仕組みの構築(H20.10)
(2)地理情報システムの
 活用によるデータ等
 管理精度の向上
  • GIS(地理情報システム)を活用し、各種設備の位置情報を一元管理し、共有できるシステムを構築(H19.10)
ローカルナビゲーションをとばしてフッターへ

安全の取り組み

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