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ヒューマンファクターに関する研究

ヒューマンファクターは安全マネジメントの確立に必要な基盤であることから、ヒューマンファクターに特化した組織として2006年6月に安全研究所を設立しました。安全を支える「人」のプラス面、マイナス面の両方について十分に理解するための教育を行うとともに、大学や(公財)鉄道総合技術研究所など社外の研究機関や他鉄道会社などと連携して、ヒューマンエラーが発生しにくい装置や機器の具体化、手順の最適化、お客様の安全(転落・接触)などの研究・調査を進め、得られた知見を日常業務に反映するとともに、学会などで発表する取り組みを進めています。

安全研究所の主な研究テーマ

  • 地震発生時における旅客の心理的負担に関する調査
  • 作業終盤の失念エラーに重要性認知が及ぼす影響
  • 役割や権限が与えられたときの対人行動の変化に関する研究
  • 自ら実施した行為の記憶に確信があるときの記憶の正確性
  • 発言しやすい職場環境の醸成に向けた研究
  • 検修作業における最適な照明に関する研究

教材の発行

安全研究所では、ヒューマンファクターの見方や考え方を広める取り組みの一環として教材を作成し、社員教育などに活用しています。

「事例でわかるヒューマンファクター1【基本編】」(2019年3月改訂)

鉄道に携わる係員として最低限知っておくべきヒューマンファクターに関する事項について、身近な事象を例としてイラストや図表を使いながら、やさしい表現で解説しています。

初版の発行から10年以上が経過し、内容の見直しを図るとともにこの間の研究活動などから得た知見や成果を盛り込み、2019年3月に改訂しました。

「事例でわかるヒューマンファクター1【基本編】」(2019年3月改訂)

「事例でわかるヒューマンファクター2【リーダー編】」(2017年3月)

鉄道の業務は多くの係員によるチームワークと連携プレーによって成り立っており、この根幹にはチームをまとめる優れたリーダーの存在が欠かせません。本書では、ヒューマンファクターの視点から現場第一線の管理監督層に知ってほしい事項について解説し対策などをまとめました。

「事例でわかるヒューマンファクター2【リーダー編】」(2017年3月)

「乗務員のための睡眠ハンドブック 〜安全と健康のために〜」(2021年3月第2版発行)

乗務員が日常生活において遭遇するさまざまなシーンを想定しながら「眠気のメカニズム」や「眠気を防止するために日常的に注意すべき点」などの理解を深められるよう、解説しています。

「乗務員のための睡眠ハンドブック 〜安全と健康のために〜」(2018年3月)

第7回ヒューマンファクターシンポジウムの開催

2020年10月12日にエル・おおさか(大阪府立労働センター)エル・シアターにおいて、関西鉄道協会の協賛、国土交通省近畿運輸局に後援いただき、関西の鉄軌道社局やJR他社、関係する第3セクター鉄道の安全統括管理者の方々などを対象にシンポジウムを開催し、187名に参加いただきました。

  • 基調講演
    「人材活用と現場の安全・健康 〜技術継承、若手育成、シニア活用について考える〜」
    公益社団法人大原記念労働科学研究所 研究主幹・医学博士 酒井一博氏
  • パネルディスカッション
    「社員の高齢化と技術継承の取り組みについて」
第7回ヒューマンファクターシンポジウムの開催

学会などでの発表

安全研究所では研究成果を社内で発表するだけでなく、社会貢献と研究遂行能力の向上の観点から、国内・国外の各種学会での発表(口頭発表、ポスター発表)や、論文の投稿を積極的に行っています。研究所設立以来、各種学会での発表や論文の投稿は312件を数えます。

さらに、鉄道事業者をはじめ、航空・電力・ガス・医療などに加え、警察や消防など、ヒューマンエラーを防ぐために日夜努力しておられる各業界に赴き、ヒューマンファクターの講演を行っており、講演件数は、245件となっています。(2021年3月時点)

今後も、研究成果レポート「あんけん」の作成・配付、学会への研究成果の発表など、あらゆる機会をとらえて研究成果を積極的に公開していきます。

研究成果レポート「あんけん」

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