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広島駅を“語る” Vol.05 新しい広島駅ビルプロジェクトに関わる社員の皆さんをプロデュース

  • IY Railroad Consulting 代表・YouTuber
    西上いつきさん
    YouTubeチャンネル「西上いつき【鉄道ゼミ】」を配信。広島電鉄公式YouTubeチャンネル「みんなきんさい広電チャンネル」の運営もサポート。地域おこし協力隊の一員として、銚子電気鉄道(千葉県)の運転士としても活動中。
    広島電鉄公式YouTubeチャンネル「みんなきんさい広電チャンネル」内の「新しい広島駅の話。」の企画・撮影・編集も担当している。

目次

鉄道への熱い思いがつないだ、広島駅ビル開発プロジェクトのインタビュー

みんなきんさい広電チャンネル内の「新しい広島駅の話。」を担当されていると伺いました。きっかけは何だったんでしょうか。

西上:私は銚子電鉄の仕事もしていまして、広島電鉄さんの「ひろでんの日」のイベントに出店した際に、JR西日本の広島駅ビル開発プロジェクトチームの皆さんとご挨拶したのが最初だったと思います。プロジェクトの中で、動画などを使って新しい広島駅の魅力を発信し、プロモーションしたいと考えていらっしゃるのを伺いました。
JRさんの他に広島電鉄さんと広島市さんの三者で広島駅の再整備事業の広報やプロモーションに関する会議を定期的に開催されていて、元々私が広島電鉄さんの公式 YouTubeチャンネル「みんなきんさい広電チャンネル」の運営サポートも行っていたご縁もあり、インタビューを撮影させていただくことになりました。

ご自身もYouTubeチャンネル「西上いつき【鉄道ゼミ】」を運営されていますよね。依頼されたときはどんなお気持ちでしたか。

西上:自分自身のチャンネルも広電チャンネルもエンタメ寄りで、エンタメな動画配信は結構やっていたんですけど、真面目なものは少なかったので新しい挑戦でした。私自身も自分のチャンネルで登場していますが、今は撮影する側の方が好きですね。裏方の方が合っているというか。昔から人間観察や人をプロデュースするのが好きだったこともあり、社員の方が出る広電チャンネルもですが、プロジェクトに関わる方が出るこのインタビューシリーズも本当に楽しいですね。普通の社員さんをどう見せていくか意識して撮影しています。

1日密着や三つのアイテムなどで人柄あふれるインタビューに

「新しい広島駅の話。」の動画はドキュメンタリー性を感じました。一日中密着しているんですか。

西上:最初はそのつもりではなかったんですけど(笑)。当プロジェクトに関わるの皆さんが新しい広島駅ビルにどのように関わっているのかを映せればと思って撮影に臨みました。最初の田原潤一さん(JR西日本)のとき、とりあえず撮ってみようということで1日その日の最初から最後まで密着したところ、魅力的に映るというか、制服から私服に着替えたりしているところも見せると、その人のオン・オフも分かって良かったんですよね。オンのところばっかり、キレイなところばっかり見せるよりも、そういった部分を見せる方が人間ぽくていいなと。それでそういうテイストにしました。

出演された皆さんの人柄の良さを感じました。撮影前に何かされましたか。

西上:どなたにご出演いただくかはプロジェクトに関わる方々で決めてくださいます。当然、私は出演される方のことを存じ上げないので、撮影の1、2週間前ぐらいにオンラインで企画会議を行い、そこで出演される方と打ち合わせを重ねて、ファーストインプレッションでその方の魅力を感じ取り、キーワードを作るようにしています。

オンラインの事前打ち合わせではどのようなことを聞きますか。

西上:業務内容を伺う他、今回の動画のコンセプトとして「三つのアイテム」を選んでいただくようにしています。選んでいただくことでプライベートの話や、どんな業務をしてるかなども聞けたりするので、そこから人柄も見えてきます。

「三つのアイテム」って面白いですね。たしかに印象に残りました。

西上:事前のオンライン会議の時点である程度選定していただき、普段何を持っているのか、仕事で使うのかなどを聞き、話を伺う中で、「こっちの方が面白いな」ということがあれば変更していただいたこともありました。

アイテムの他、出演された方のオフの部分も面白く拝見しました。

西上:第4回目で広島駅長・土手直則さんにご登場いただきましたが、駅長というだけで堅いイメージがありますよね。1日密着していく中でいい笑顔が見えたり、社員の方と談笑しているのを見ると、堅いイメージだけじゃなくて側面、いわゆるB面も見られるという感じがして、そういったところもいいのではないかと思います。事前の打ち合わせではA面を見て、密着する中でB面を見つけていくというところもありますね。

出演される方の同僚や部下の方も出演されていますね。

西上:こちらもプロジェクトの方で人選されています。出演された方の周りの方が出ていただくと客観視してくれるので、対象者の人柄を際立たせるいいポイントになりました。これがまた面白くて。多分皆さんもそうだと思うんですけど、ご自身自分のセルフイメージと人から見たイメージが全然違ったりして、違う側面から見た方がその方の魅力を伝えることができるように思います。

サムネイル画像は100枚超! とっておきの1枚が動画の顔に

サムネイル画像も工夫されているそうですね。

西上:撮影場所は2、3シーンぐらいなんですけど、撮影枚数は多いです。100枚を超えることもあります。私のスマホの写真フォルダ内は、自分の娘より出演者の写真の方が多いぐらいです(笑)。撮影場所は一緒でも、表情や光加減、ポーズなどを変えて何枚も撮影します。皆さんは普通の社員の方なので、緊張すると思うんですよね。でも100枚ぐらい取れば良い写真が撮れます。

事前に絵コンテなどを準備されますか。

西上:事前にある程度構成を考えますが、その通りにはいかなかったりしますし、ロケハンはせず、初めてその現場に行くので、フィーリングに頼るところが多いですね。また、その方のイメージが一番分かるようなポージングや構図を考えて撮影します。

全部iPhoneで撮影されているそうですが、理由はありますか。

西上:互換性の良さや編集のしやすさ、データのやりとりなどが便利ですし、今のiPhoneは機能もとてもいいので、通常の撮影機材と遜色ないんですよね。片手だけ伸ばして遠いところを撮ったり、棒を付けて狭いところに入り込んだり、フレキシブルにできる良さもあります。撮影時のコマ数の設定も変えていて、駅シリーズは少し背景がボケるような設定(シネマティックモード)にして、ドキュメンタリーっぽさを意識しています。その方が素敵に見えるんですよね。

印象に残った撮影は?

西上:一番大変だったのは、第3回の羽賀真央さん(宮地エンジニアリング)のときですね。深夜の撮影もあったのですが、ずっと雨で…。第5回の松田剛和さん(広島駅ビルJV)も面白かったです。その方も夜勤だったので、誰もいない広島駅を見ることができました。普段そんな駅になかなか入れないので役得でした。

普段入れないところを私達も見させてもらえている感じがします。

西上:まさにそうですね。広電チャンネルしかりですけど、公式ならではの場所に入るっていうのは強いところかなと思います。

広島を訪れるたびに駅の表情が変化、威風堂々たる瀬戸内の玄関口に!

今後の予定で楽しみな撮影はありますか。

西上:これからだと線路敷設の撮影に行きたいなと。企画段階から入って提案もできるので、自分はもちろん、皆さんも見たいだろうなというところを提案できればと。本当にそれが通れば撮影できるので、そういうのはすごいワクワクしますね。

2階部分に橋梁が架かりました。

西上:広島に来るたびに変化を見るのが楽しいですね。最近だと駅ビル全体の外観が徐々に明らかになってきて、すごいと思いました。広島駅の表情が変わり、いよいよだなと。

動画のインタビューを通して何か心がけていることはありますか。

西上:緩急をつけるようにはしてます。ピリッとしてるシーンばっかりだと見てても面白くないですし、楽しくないと意味ないなと思います。「新しい広島駅の話。」シリーズの場合は、駅はこんなふうになるとか、こうやって線路を設置したり、工事を進めているんだというのを知れて参考になったとか、かっこいい仕事人がいてそれがすごい、知らない仕事を知れてよかったとか、何かそういったキーワードを持ってやっています。

JR広島駅のビルの中に広電が乗り入れてくるというのはどう思われますか。

西上:「競争」から「共創」へ、「戦う」から一緒に「創って」いくっていうところがいいですよね。他社だから、競合だから何も協力しないではなく、お互いに高め合ってそれぞれのいいところで最終的に補完し合ってやればいいな思います。

さらに、広電が2階に乗り入れるのはどのように感じますか。

西上:乗る方としては爽快感というか、瀬戸内の玄関口にドーンと入っていく感じがしますね。運転士の立場で見ると、なんか誇り高い感じじゃないかと思います。桃鉄のゴールのように歓迎されるイメージがあります。

「共創」する広島駅は新たな見本になりそうですね。

西上:そうなってほしいなと思います。もちろん、それぞれの会社がそれぞれオリジナルで考えるのもいいですが、「三人寄れば文殊の知恵」じゃないですけど、複数の会社が一緒に考えたり、企画、コラボする方が、より良い物ができると思いますし、お客さんにとっても良いことではないかと。

新しい広島駅ビルはどうなると思われますか。

西上:広島にとどまらず、中国地方、瀬戸内地方の玄関口になりうるだろうなと思います。そんな広島駅のプロジェクトに関われて光栄ですし、今後も魅力の発信のお手伝いをさせていただきたいと思っています。

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