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ニュースリリース

2020年6月17日
経営関連

2020年6月 社長会見
1.営業・輸送概況
2.お客様の安全・安心に向けた取り組み
3.高性能保線機械導入による省人化推進(在来線)

詳細

 関西3府県の緊急事態宣言解除から間もなく4週間となりますが、懸念されていた大きな第2波は幸い発生していない状況と認識しています。
 19日から、都道府県をまたぐ全国の移動自粛が解除となりますが、引き続きお客様に安全・安心をご提供できるよう取り組みを進めていきます。

1.営業・輸送概況
【運輸取扱収入(速報値)】
 対前年比が5月は27.9%、6月は14日までで47.8%です。社会経済活動の再開に伴い、定期券は5月で86.5%、6月14日までで112.9%となっていますが、新幹線や特急列車などの中長距離券は対前年30%とまだまだ低調です。

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【新幹線・在来線特急・近畿圏のご利用状況(速報値)】
 近畿圏では5月で32%、6月14日までで58%と回復してきています。引き続きご利用状況の動向を注視していきます。

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【ご利用状況推移(前年同曜比)】
 2月以降の毎週のご利用状況の前年比の推移をお示ししています。青が山陽新幹線、オレンジが近畿圏です。
 どちらも3月から急速に減少し、ゴールデンウイークで底を打った形になっています。近畿圏のご利用は、緊急事態宣言前の3月下旬の数字に近づいてきていますが、山陽新幹線はまだそこまで回復していない状況です。

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【主要駅のご利用状況(速報値)】
 先週8日から14日までの平日・土休日別の主要駅のご利用はご覧のとおりです。下段に参考にお付けした緊急事態宣言解除後の平日のご利用の変化を見ますと、例えば大阪駅で38%、49%、60%、62%と回復状況が確認できます。

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 なお、間もなく第1四半期が終わります。今期業績予想は合理的な算定が困難なため未定とさせていただいていますが、ご利用状況をもとに、第1四半期の運輸収入について試算しておりますので、その見込みについて申し上げます。
 業績予想はまだお示しできる状況にはありませんが、4月から6月末までの3カ月間の減収額は約1,500〜1,600億円と見込んでおります。
 昨年度の第1四半期運輸収入が2,233億円であったことに照らして、極めて厳しい状況であることが明確です。なお、19日以降の回復の程度によって数字が変わってくることをご留意ください。
 極めて厳しい状況に加え、今年度の通期業績見通しが立てられていないこと、配当について当初計画の増配ではなく、据え置くこととしていることを重く受け止め、4月から実施している取締役報酬の10%返上について7月以降、さらに対象範囲・規模を広げて実施します。
 具体的には23日の株主総会後の取締役会での審議を経て決定してまいります。社長につきましては、当分の間、5割の返上を行う考えです。

2.お客様の安全・安心に向けた取り組み
 先月の会見では、在来線の全車両に抗ウイルス・抗菌加工を施すことをご紹介しましたが、本日は分散乗車促進の取り組みと、車内を安心してご利用いただくための取り組みについてお知らせします。

【分散乗車促進の取り組み:混雑状況の情報提供の充実】
 先月の会見でお知らせした、混雑状況の情報提供については、山陽・北陸新幹線の自由席や、北陸、中国地方の主な線区も順次行っており、ホームページに加え、ツイッターや駅でも積極的にお知らせしています。

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【分散乗車促進の取り組み:朝夕の特急列車を活用した商品】
 また、今月から、定期券をお持ちのお客様に対し、朝夕時間帯の一部の特急列車について、対象区間の指定席を300円でご利用いただける商品を発売しています。

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【車内を安心してご利用いただくための取り組み:特急車両への空気清浄機搭載】
 当社の約80%の車両は、換気装置や空調装置を通じて、常に換気が行われていますが、さらに安心してご利用いただくため、サンダーバードやはるかなどの在来特急車両約600両に対して空気清浄機を搭載します。
 光触媒と紫外線の組み合わせにより、脱臭、除菌や揮発性有機化合物除去に優れた効果を発揮するものです。
 搭載する器具の設計などを行い、9月以降に順次工事を行っていきます。

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【車内を安心してご利用いただくための取り組み:車内換気のしくみや消毒の実施などのお知らせ】
 また、換気や消毒など、当社の取り組みをお伝えすることで、少しでもお客様に不安を解消していければと考えています。
 例えば、車内換気のしくみについて、先ほど申し上げた常時換気により、おおむね6分から8分程度で車内の空気が外の空気と入れ替わっていることをイラストや動画も使いながらお伝えしていきます。
 こういったものを順次作成していき、さまざまなツールでお客様にお知らせしていきます。

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【オフィスでの感染防止対策】
 従来からテレワークのしくみはありましたが、コロナ禍を機にさらに仕事の進め方を変えていく必要があると認識し、オフィス部門の全社員がリモートで働けるようなIT環境を整えました。
 現在は原則在宅勤務とはしていませんが、当社グループホテルなども活用しながら、オフィスへは半分程度の出社に留め、社員へのマスク支給、対面着座の回避などを行い、社員の感染防止に努めています。

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3.高性能保線機械導入による省人化推進(在来線)
 当社は、かねてから、労働力不足に危機感を持ち、安全に、より少ない人数でメンテナンスが出来るよう様々な取り組みを進めており、昨年10月には深夜帯ダイヤの見直し検討を表明しました。
 本日ご説明するのは、こういった労働環境改善につながる、線路保守に関する2つの取り組みです。

【レール削正車の投入目的、現状】
 レール削正車は、列車の走行により発生するレール表面の0.1ミリメートル単位の凹凸を削り取り、新品に近い状態にします。
 種類としては、車体下部に回転する砥石(といし)を複数個装備し、走行しながら削る砥石式と、カッター状の刃を回転させ走行しながらレールを削るミリング式があります。
 この作業により、レールの耐用年数を延ばすことが可能となり、レール交換の労働力減や省エネ化、省資源化に繋がります。

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【レール削正車の新製投入】
 現状3編成を5編成に増備し、中国地方の山陽線などレール削正をするエリアを大幅に拡大します。
 この増備により、レールの耐用年数が延びることになり、将来的に、レール交換作業は、図の赤や青のエリアで約3割減少する見込みです。
 労働力減に大きく寄与するほか、レールが折れるリスクの減少による安全性向上、レール表面を滑らかにすることによる騒音低減を図ることができます。
 今年度から22年度にかけて導入予定で、投資総額は約54億円です。

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【マルチプルタイタンパの投入目的】
 列車の走行によってレールには、ゆがみが発生します。
 保守作業の際にマルチプルタイタンパがレールを持ち上げて動かし、バラストをつき固めることにより、そのゆがみを整正しています。
 この作業により、列車走行の安全を保ち、列車走行時の揺れが少なくなり乗り心地が向上します。

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【マルチプルタイタンパの新製投入】
 今回、図のような2両1編成を9編成新製します。
 最大の特徴は、レールを振動させ、まくらぎ直下以外の緩いバラストを締め固めることで、つき固め後の軌道を安定させる安定化装置の追加です。なお、本体への安定化装置の組み込みは、国内初です。
 バラストは締め固めることでレールの力に抵抗しています。夏場はこれまで、日中にレールが高温になってゆがむ可能性があるため、バラストを緩めてしまうマルチプルタイタンパを使った作業ができませんでしたが、安定化装置の追加で、夏場の施工が可能となり、ピーク月の作業回数が約3割減ります。
 今年度から22年度にかけて導入する予定で、投資総額は、約63億円です。
 レール削正車もマルチプルタイタンパも、夜間作業での生産性向上に大きく貢献するものと期待しています。

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