2021年 5月社長会見
1.営業・輸送概況
2.ご利用にあわせた列車ダイヤの見直し
冒頭、昨日公表しました組織改正と役員人事に関連して申し上げます。
新型コロナの感染拡大と長期化により、当社の経営はグループ事業を含めて大変厳しい状況になっています。
また、このコロナ禍によって社会行動変容が進み、それ以前のご利用の状態には戻らないという、構造的問題にも直面しています。
こうした中、鉄道事業をはじめ、当社グループ事業の構造改革を急ぐとともに、これまでの枠組みにとらわれることなく、各事業の自立的展開を強力に推し進めていく必要があります。
そのため、今回の新しい体制は、世代交代を進めつつ、グループの経営資源を社長の下に統括し、速やかに資源配分を実行し、その資源をもとにグループ各社を含むそれぞれの執行部門が主体的に経営責任を果たす、果敢にチャレンジしていく体制に変革するものです。
6月の株主総会後、会長、副会長は、取締役を退任しますが、それぞれ、当社の相談役、顧問として、経済界や自治体とはじめとする関係者との接点強化やご被害者対応のサポート、そして若手幹部らの育成も支援いただきます。
現下の状況は、グループを含めてマンパワーを最大限発揮し総力戦で臨む必要があり、役員体制のみならず、部課長などの中間管理職や現場長についても従来の仕組みや権限を越えて、最大限活躍してもらう必要があり、今回の人事異動によってその人的体制を整えたところです。
そのための組織改革でもあり、多様な人材に光を当て、活躍のステージを与えてマンパワーの最大化を図っていきます。
1.営業・輸送概況
【運輸取扱収入(速報値)】
収入ですが、対前々年比で4月は49.0%、5月は14日までで39.1%です。
【新幹線・在来線特急・近畿圏のご利用状況(速報値)】
ご利用については、山陽新幹線は対前々年比で4月は32%、5月は24%、近畿圏では4月は59%、5月は40%です。
年明け以降、3月までは緩やかな回復傾向にありましたが、感染の再拡大の中で、まん延防止等重点措置や3度目の緊急事態宣言が発出されたことから、ご利用は再度減少傾向にあります。
緊急事態宣言での国や自治体からの要請に基づき、大阪環状線の終電繰り上げやルクアなどの商業施設の一部休館などを実施しており、引き続き大変厳しい状況であると考えています。
2.ご利用にあわせた列車ダイヤの見直し
【ご利用の状況と取り組み概要】
列車ダイヤの見直しを検討していることは、これまでも何度かお伝えしてきましたが、本日は来春のダイヤ改正の前倒しで、秋に実施するダイヤ改正の概要をお知らせします。
まず、ご利用の状況と取り組み概要です。
グラフにあります通り、新型コロナの影響により、コロナ前と比較して在来線特急のご利用は約3割、近畿エリアとその他の西日本各エリアは約6〜7割と、大きく落ち込んでいます。
この非常に厳しい状況は、今後ワクチン接種の進捗により、回復に向かうことを期待していますが、コロナ前の水準には戻らないと考えています。
一方、主要3駅の時間帯別のご利用では、朝・夕の通勤時間帯も含めた全時間帯で減少していますが、特に昼間と夜間の減少率が大きくなっています。
このような状況のなか、構造改革として、ご利用にあわせた列車ダイヤの見直しを実施します
コロナ影響が特に大きい在来線特急は、既に2月から順次、一部定期列車の運転休止や臨時列車化を行っています。
現在ではサンダーバードやはるかなど、運転休止を行っている列車は、コロナ前と比べて45%になっています。今後もこれを継続していきますが、ご利用に応じて柔軟に対応していきます。
近畿エリアやその他の各エリアでは、今年3月のダイヤ改正で深夜時間帯のダイヤの見直しをはじめ、ご利用にあわせて約300本の列車を見直しました。
来年春のダイヤ改正では、すべてのエリア、各時間帯において、ご利用にあわせたダイヤとすべく、朝通勤時間帯も含めた見直しを実施する予定です。
構造改革を早期に進めていくために、ご利用の減少率が大きい昼間時間帯を中心に、一部線区でのダイヤ見直しを10月に実施します。
【’21.10 ダイヤ改正の概要】
10月のダイヤ改正の概要です。ご利用の減少率が大きい昼間時間帯を中心に、列車本数とご利用状況の乖離が大きい区間の約130本の列車を見直します。
見直し例のイメージです。図のように、列車本数はご利用に応じて区間毎に異なる設定としていますが、このうち、ご利用状況と列車本数に大きな乖離がある区間について、列車本数を見直します。
対象エリアと線区は記載のとおりです。近畿エリアでは約60本、近畿以外の各エリアでは朝や夜間なども含めて約70本を見直します。
詳細は7月に公表を予定しています。