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ニュースリリース

2021年3月17日
経営関連

2021年3月 社長会見
1.営業・輸送概況
2.「将来にわたる鉄道の安全の実現に向けて」
〜福知山線列車事故の反省と安全の実現に欠かせない視点の継承〜
3.社会変容に対応した新しいライフスタイル「鉄道のある暮らし」

詳細

1.営業・輸送概況
 対前年比と対前々年比を記載していますが、コロナ前との比較という意味で、対前々年比を使ってご説明いたします。

【運輸取扱収入(速報値)】
 対前々年比で2月は45.5%、3月は14日までで54.0%です。
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【新幹線・在来線特急・近畿圏のご利用状況(速報値)】
 ご利用については、山陽新幹線は対前々年比で2月は31%、3月は40%、近畿圏では2月は63%、3月は72%です。
 先月末で関西など6府県の緊急事態宣言が解除され、徐々にご利用が戻りつつありますが、首都圏では緊急事態宣言が延長となっているほか、ワクチン接種もこれからのことであり、本格的な回復はまだ見通せない状況です。
 こういった状況の中、既にお知らせしたとおり、一時帰休について、4月も一日1,300人規模で継続することとしました。
 先週末の13日には、ダイヤ改正を実施しました。
 多くの線区で深夜帯ダイヤを見直し、最終電車の繰り上げを行いました。保守作業に従事する方々の労働環境改善につなげていきます。
 サンダーバードやくろしおなどの在来線特急では、一部列車を臨時列車とし、運転を取りやめています。今後のご利用の回復に応じて柔軟に列車の運転日を追加していきます。
 また、新常態を踏まえて、非接触のチケットレスサービスの拡充や特急列車の指定席車両を拡大しました。通勤特急では、停車駅や運転区間の拡大を行いました。
 春からの新生活にあたりまして、ぜひご利用いただければと思います。

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2.将来にわたる鉄道の安全の実現に向けて
 次に、福知山線列車事故の反省と安全の実現に欠かせない視点の継承のため、このたび作成しました「将来にわたる鉄道の安全の実現に向けて」についてです。

【策定に至った背景と目的】
 「福知山線列車事故のような事故を二度と発生させない」ことは、当社グループの責務であるとともに変わらぬ決意です。
どれだけ時間が経過し、どれだけ世代交代が進んでも、事故を惹き起こした当事者である私たちは、決してこの事故を風化させることなく、安全の取り組みの原点としていかなくてはなりません。
 しかしながら、事故からまもなく16年となりますが、今後、事故当時の状況を知る役員や社員が退職していきます。
 このような状況のなか、福知山線列車事故の重い反省と教訓を継承し、将来にわたり安全な鉄道を実現していくため、今回策定しました。ビジュアル3


【福知山線列車事故の反省とその背景要因】
 この事故は、当社が「組織全体で安全を確保する仕組み」と「安全最優先の風土」が構築できておらず、「尊い人命をお預かりする企業としての責任を果たしていなかった」ことにより惹き起こしたと深く反省しています。
 これらの反省の背景にあった要因について振り返ってみると、「安全に対する向き合い方、組織的な安全確保のあり方」と「安全の担い手である社員に対する向き合い方」に問題がありました。
 さらに鉄道事業運営への過信・慢心が芽生えており、社外から謙虚に学ぶ姿勢にも欠けていました。

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【安全の実現に欠かせない視点】
 これらを踏まえ、事故の教訓として継承すべきものとして、「安全の実現に欠かせない視点」を当社として定義しました。
 下図は、将来にわたる鉄道の安全の実現に向けた考え方について、示したものです。
 「組織全体で安全を確保する仕組み」をつくり、その仕組みのもとで「社員一人ひとりの安全考動」を積み重ねる。これらを通じて「安全最優先の風土」が育まれ、さらなる「仕組み」や「一人ひとりの安全考動」につながっていくことで、継続的な安全性の向上が実現できると考えます。
 さらには、お客様や社会の皆様のご理解とご協力をいただきながら「社会とつながり、社会から学ぶ」ことで、より一層、鉄道の安全を高めていくことができると考えています。
 冊子には、これらの視点と事故後の安全の取り組みとのつながりを整理し、その評価を記載しています。
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【今後に向けて】
 組織として安全の営みが有効か、取り組みに不足はないか、方向性は間違っていないかを確認しながら、今後、安全マネジメントを向上させていきます。
 また、社員一人ひとりは、事故の教訓を踏まえてどのような取り組みを行ってきたかを理解し、自らの果たすべき役割を認識して、さらなる安全性向上に向けた取り組みを日々実践していきます。
 「安全の実現に欠かせない視点」を当社が将来にわたり安全を実現していくための羅針盤として継承していくことで、企業理念に掲げた「お客様から安心・信頼していただける鉄道」を築き上げていきます。
 今後、役員・管理職から浸透に向けた教育を行い、そのうえで7月以降に一般社員にも教育を行っていきます。

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3.鉄道のある暮らし
 次に、社会変容に対応した新しいライフスタイル 「鉄道のある暮らし」の取り組みをご紹介します。

【背景と取り組み概要】
 これまで繰り返し申し上げている通り、コロナ禍において、お客様に様々な行動変容が起こっており、アフターコロナとなってもそれが定着していくと考えています。
 テレワークの浸透による通勤・出張の縮小や混雑回避のための時差通勤、さらには、地方都市などへの生活拠点の変更、休暇先で業務を行うワーケーション、出張先で休暇を取るブリージャーも増加していくと考えています。
 これまでは決まった場所で働き、通勤可能な範囲に住むというライフスタイルでしたが、これからは地方を含め様々な場所で暮らし、好きな時間に好きな場所で働くという、多様なライフスタイルが広がっていくと考えています。
 この変化に対し、鉄道と各種サービスを組み合わせた取り組みを「鉄道のある暮らし」としてご提案していきます。
 図にあるように、働き方や暮らし方に応じて、移動と働く場を一体としたサービスを提供したり、居住地にとらわれない複数の拠点を持つ暮らしや、都市圏の仕事を持ちながらの地方暮らしを提案します。
 今回は、赤字で示している取り組みについてご紹介します。
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【ワークプレイスネットワークの構築】
 「好きな時間に、好きな場所で働ける」ワークプレイスネットワークの構築についてです。
 拠点駅のセンターオフィスを核とし、様々なワークプレイスを展開するとともに、鉄道と組み合わせ、移動と働く場を一体としたサービスを提供します。
 ワークプレイスはビジュアルにあるように、シェアオフィスやブース型、ホテル空室などの活用、さらには他社施設との連携を進めます。
 21年度に大阪、新大阪、三ノ宮など、約40か所で試行実施し、ご利用状況などを踏まえ、本格展開を検討します。
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【大阪駅新駅ビルが目指すもの】
 センターオフィスの位置付けとなる大阪駅の新駅ビルについてです。
 このビルは、大阪駅の一部となる新しい地下駅やうめきた2期地区開発などとともに、大阪駅西側地区の価値向上を目指しており、2024年秋開業を予定して今月2日に着工しました。
 延床面積約60,000平方メートルのうち、オフィス賃貸面積は約23,000平方メートルであり、駅直上の利便性を生かし、社会背景の変化にもしなやかに対応した、誰もが来訪しやすく、過ごしやすく、働きやすい場所を創出していきます。
 ここをワークプレイスネットワークの拠点と位置づけ、例えばご入居の企業様などには、鉄道で移動し、沿線のワークプレイスも利用できるなど、移動と働く場が一体となったサービスを提供していきます。
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【第2弾実証実験「JR西日本×住まい・ワーケーションサブスク」】
 複数の拠点を持つ暮らしや働き方の第2弾実証実験「JR西日本×住まい・ワーケーションサブスク」の実施についてです。
 昨年秋に実施し、好評いただいた「JR西日本×住まいサブスク」に引き続き、カブクスタイル社と連携し、対象路線・エリアを拡大して実施します。
 具体的には、カブクスタイル社の住まい・ワーケーションサブスクサービス「ハフ」の会員に対し、当社のインターネット予約サービスe5489を通してお得な切符を提供し、北陸・瀬戸内・南紀白浜などでの快適なテレワークやワーケーションをお気軽に体験いただけるサービスです。
 こうした実証実験を積み重ね、西日本エリアの魅力を生かしたワーケーションやブリ―ジャーなどの新しいライフスタイルを提案していきます。
 今後も社会変容に対応した新しいライフスタイルを、「鉄道のある暮らし」として提案し、鉄道をはじめとした各種サービスを掛け合わせた多様なライフスタイルを「NEW WAY of RAILWAY」のもと、創出していきます。
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 最後に、昨年4月から実施している、役員報酬の返上についてです。
 昨年7月以降、社長の私は月額報酬の5割、役付取締役については3割、それ以外の取締役については1割の返上を行っていますが、新型コロナに伴う今後の動静が不透明である中、現下の経営状況に鑑みると、4月以降も継続していきます。

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