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ニュースリリース

2020年11月18日
経営関連

2020年11月 社長会見
1.営業・輸送概況
2.地上設備の状態監視に向けたIoT化推進
3.訪日のお客様に安心してご利用いただく取り組み

詳細

1.営業・輸送概況
【運輸取扱収入(速報値)】
 収入ですが、対前年比で10月は67.5%、11月は15日までで57.3%です。
 昨年10月は、消費税増税と台風19号の影響があったため、今年はその反動増が出て、実勢よりもかなり高い数字となっています。それらの影響を除くと、67.5%は、約10ポイントほど低い56.5%程度と認識しています。

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【新幹線・在来線特急・近畿圏のご利用状況(速報値)】
 ご利用については、山陽新幹線は10月で47%、11月は15日までで50%、近畿圏では10月で79%、11月は15日までで78%です。
 なお、北陸新幹線は、10月は前年比89%となっていますが、昨年は台風19号の影響で直通運転を取りやめていたため、その反動増です。前々年比では括弧内の47%となります。
 コロナの感染再拡大も大変懸念されますが、ご利用については、緩やかな回復傾向が引き続き継続していると考えています。
 15日時点の今後1カ月の新幹線や在来線の指定席予約状況は、前年比で81%です。
 引き続き動向を注視しながら、安全・安心の取り組みを継続していきたいと思います。

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2.地上設備の状態監視に向けたIoT化推進
【CBMへの挑戦】
 先日公表した中計見直しの際にもご説明しましたが、グループデジタル戦略の3つの軸の一つである「鉄道システムの再構築」に取り組んでいます。
 アフターコロナの未来において、グループデジタル戦略を実現していくことは、変化対応力を高める企業改革の中心と考えています。
 本日は、予防保全の考え方であるCBMの実現に向けた、IoTインフラネットワークや地上設備の状態監視の具体的な取り組みをご紹介します。

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【現在の地上設備の検査や状態監視】
 鉄道を安全・安定的に稼働させるために、沿線の設備を日々の検査により確認することに加え、斜面の崩壊や落石が発生していないかなど、沿線の状態についても巡回して確認しています。
 現在、このような検査や監視の多くは、現地で人の手によって行っています。
 例えば、踏切設備は全社で約5,400箇所、信号機は約10,000箇所ありますが、各設備につき、年に数回、1回あたり見張りを含めて4名から8名で約1時間 かけて点検を行っています。
 このような点検が必要な設備は、電気関係だけでも約90種類あり、多くの社員やグループ会社社員が日々実施しています。

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【IoT化の概要(1)】
 今後の労働力不足を踏まえ、安全を担保した上で、現在の検査や状態監視手法を見直すシステムの開発を進めてきました。
 このたび、鉄道沿線設備の各種情報を収集・蓄積・分析する、鉄道に適したシステムを、日本信号株式会社と共同開発しました。
 このようなシステムを自営通信網で大規模に導入することは日本初の取り組みです。
 システムの概要について、下図をご覧ください。
 信号機や踏切といった鉄道沿線設備にセンサやカメラを設置します。また、センサやカメラの情報を収集するデータ収集装置を、約1キロメートル間隔に設置し、それらのデータを1箇所に蓄積します。
 これにより、現地に行かずとも、検査結果の確認が遠隔から可能となり、検査効率が大きく向上します。
 システムの主な特徴は以下のとおりです。
 鉄道沿線設備の多種多様なデータへの拡張性が実現可能です。踏切警報機や閉そく信号機などのデータ収集からスタートしますが、変電所や分岐器、山間部の斜面状態の監視などへの適用拡大を検討しています。
 また、自営通信網を活用していますので、より低コストになっています。

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【IoT化の概要(2)】
 22年度までの現在の中計期間で、JR京都線、神戸線、大阪環状線などの近畿エリアの主要線区で導入します。投資額は約11億円です。
 効果としては、検査の車上化など、CBMの他の取り組みと併せて、鉄道設備の検査業務について、概ね10年後の2030年に、約1割の削減を目標としています。
 そのうち、近畿エリアの電気関係だけで見ますと同様に、概ね10年後の2030年に、約4割の削減を目標としています。
 また、日々、よりきめ細かに設備管理することが可能となり、安全性が向上します。
 さらに、人が実施している検査の代替により、触車、感電、墜落といった重大な労働災害のリスクを低減できます。
 今後も、デジタル技術の充実を図り、持続可能な鉄道システムの構築の実現に向けて取り組んでいきます。

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3.訪日のお客様に安心してご利用いただく取り組み
 ご承知のとおり、観光目的の訪日のお客様は、コロナ禍において入国規制中ですが、感染状況が比較的落ち着いているアジアなどの国や地域を対象に、ビジネスを中心に徐々に規制が緩和され始めています。
 コロナの状況にもよりますが、今後、観光目的の訪日が可能となる場合に備えて、訪日のお客様により安心してご利用いただくため、受入体制の充実などの準備を実施しています。
 本日は、旅行中の安心へのニーズの高まり、3密回避などの新常態を踏まえた、ウィズコロナにおける取り組みをご紹介します。

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【旅行支援Webアプリ 「Travel Support by JR‐WEST」】
 旅行中のお困りごととして、例えば体調不良になった場合に、医師や薬剤師との意思疎通が難しいことがありますが、このアプリ上で、病院・薬局での症状の説明のサポートが多言語で可能になります。
 体調不良以外でも、飲食店で食事制限の内容について説明する場合や、災害発生時に最寄りの避難所を探す場合にも活用できます。
 日本に到着後、お客様ご自身でQRコードなどからウェブにアクセスしていただき、きっぷの画像などの情報を登録するとご利用いただけます。

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【新常態に対応した商品の設定(3密回避、混雑緩和)】
 訪日のお客様向け商品の充実として、例えばこれまでの自由席タイプから、事前にご自身で席を選んでいただける指定席タイプへ変更したり、特定の観光地に集中しないよう、西日本各地を周遊いただけるパスを新設します。
 新しい旅行スタイルに合わせた観光商品の設定では、さまざまな観光施設で使えるパスの設定や、屋外を中心としたアクティビティ、体験、食や少人数での移動手段など、地域と連携した観光商品を整備しました。
 今後の情勢は不透明ですが、来たる日には、訪日のお客様に安心して楽しい西日本の旅をご提供できるよう、引き続き万全の準備を行っていきます。

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