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ニュースリリース

2019年11月 8日
経営関連

社長会見
1.環境変化に伴うメンテナンス業務の見直し
2.和歌山県紀南エリアにおける地域共生の取り組み

詳細

【台風19号の影響について】
 10月に発生しました台風19号の影響でお亡くなりになられた方々に心よりご冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された皆様方にお見舞いを申し上げます。
 この台風で、JR東日本管内 長野新幹線車両センターでは、北陸新幹線の設備・車両に甚大な被害が発生しました。
 関係各所のご尽力のおかげで、10月25日に東京〜金沢駅間での北陸新幹線直通運転を再開することができました。
 ご利用のお客様にはご不便・ご迷惑をおかけ致しました。

1 環境変化に伴うメンテナンス業務の見直し
【メンテナンス(線路などの保守作業)の現状】
 鉄道を安全に運行するには、線路などの保守作業が欠かせません。
 線路などの保守作業は、通常、終電から始発までの夜間、つまり、わずかな限られた時間内で作業を行っています。
 将来の鉄道を担う若い世代が働きやすい環境を整えることは喫緊の課題と認識しています。

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【環境変化(働き手の状況)】
 そんな中、働き手が急速に減っています。
 一例としまして、この10年間で建設業全体で9%減少しているのに対して、当社のあるグループ会社では線路保守に従事する作業者が23%減少しています。
 休みが取りにくく、働きにくい線路保守を含む鉄道工事の環境を改善することが必要と考えています。

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【労働力不足に対するメンテナンスの取り組み】
 当社は、かねてから、労働力不足に危機感を持ち、安全に、より少ない人数でメンテナンスができるようにさまざまな取り組みを進めています。
 例えば、メンテナンスの作業量自体を減らすための設備の強靭化やシンプル化です。
 レールの継ぎ目を取り除いたり、木のまくらぎを腐らないコンクリート製に交換したり、電車に電気を供給する電力設備をシンプルな構造に造り直す改善を実施しています。

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 また、作業を少人数で実施可能とする機械の導入や新規開発にも取り組んできました。
 一例として、まくらぎを交換するための機械、電柱を交換するための電柱ハンドリング車という機械があります。

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 さらには、設備の改善に加え、一部のローカル線区においては、メンテナンス業務を行う時間帯を見直し、昼間時間帯に一部列車を運休させていただいて、効率的に線路設備の改良工事を集中実施する取り組みを行っています。
 この事例では夜間に比べ4倍の施工体制で、4.5倍の枕木を交換しました。夜間作業に比べて効率的に作業を実施することができ、安全性も向上しています。

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【近畿エリアにおける環境変化(お客様のご利用)】
 一方、労働力不足に加え、近畿エリアの夕方から深夜帯にかけてのお客様のご利用の状況も変化しつつあります。
 主要駅で近年、帰宅時間が早まり深夜時間帯のご利用が減少しています。

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【今後に向けて】
 このような環境変化を踏まえ、近畿エリアでは、24時以降を中心に、最終電車の時刻を繰り上げる、深夜帯ダイヤの見直しの検討に新たに着手しました。
 これによって、夜間の作業時間が拡大し、一晩あたりの作業量を増やすことができ、結果、夜間作業の総日数が減ることとなります。
 建設会社作業員の方々が休日を取りやすくなり、若い働き手がもっと従事しやすくなる環境を整えたいと考えています。
 仮に、大阪駅発の最終電車を24時に繰り上げた場合、おおむね年間10%ほどの作業日数の減少が期待されます。
 加えて、レール交換やホーム柵整備を始めとするさまざまな安全対策工事を、さらに円滑に進めることにも効果があります。
 今後の検討にあたっては、他鉄道などとの乗換利便を含めた最終電車付近のダイヤの調整、夜の都市観光、いわゆるナイトタイムエコノミーについては今後の市中イベントや観光施設などの深夜営業の動向、といった要素も勘案していきます。
 ご利用者の皆様のご理解を賜りながら、このような一連の取り組みを通じて、将来にわたり鉄道を安全に運行し続けるべく、努力を重ねていきます。

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2 和歌山県紀南エリアにおける地域共生の取り組み
 和歌山県白浜町は紀伊半島の南西部に位置し、海水浴や温泉を楽しめるリゾート観光地として人気があります。
 さらに、近年では、働き方改革の後押しになる「ワーケーション」を普及させようと、和歌山県が都市部の企業を白浜町に誘致する動きも見せている話題のエリアです。
 当社は、西日本エリアの活性化が当社グループの持続的な発展につながるとの認識のもと、地域の皆様とともに、地域ビジネスの創造や育成などを通じた交流人口・定住人口の拡大、地域価値の向上を目指しています。
 2017年にはテーマパーク「アドベンチャーワールド」と連携したラッピング列車「パンダくろしお スマイルアドベンチャートレイン」を運行開始しました。
 この取り組みはおかげさまで好評につき、本年の11月までを予定していた運行期間を来年8月ごろまで延長するとともに、さらに1編成追加し本年の12月より運行開始します。
 さらに、来年春からは運転する列車を固定し、あらかじめお客様にお伝えします。和歌山方面へのご旅行に便利な列車とする予定です。

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【鉄道むすめ「黒潮しらら」による地域活性化】
 このほかにも、和歌山県紀南エリアでは、鉄道を主な素材として地域とともに話題性のある取り組みを継続的、積極的に進めてきました。
 株式会社トミーテックが中心となって全国の鉄道事業者と手掛ける「鉄道むすめ」というキャラクターコンテンツにおいても、2017年にJR西日本として初めて「黒潮しらら」という白浜駅駅員のキャラクターを誕生させました。
 この「黒潮しらら」を活用し、グッズ販売、ほかの鉄道事業者や宿泊施設、商業施設とのコラボレーションを積極的に展開することで、JR西日本および白浜の知名度向上を目指しています。
 そして、このたび、白浜町と当社の新たな取り組みとしまして、白浜町の「ふるさと納税」のお礼品専用の「黒潮しらら」グッズをご用意し、来週11月11日から取り扱いを開始することとなりました。詳しくはこちらをご覧ください。
 今後とも、地域価値の向上を目指し、白浜を玄関口とした紀伊半島各地の観光資源への回遊の促進や、地域の素材に新たな視点を組み合わせたコンテンツの整備・発信など、地域の皆様とともにさまざまな検討を進めてまいります。

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 最後となりますが、1点、私からご報告申し上げます。
 10月28日開催の取締役会におきまして、2019年12月1日付で、私が取締役副会長、長谷川現副社長が新しく社長になるという人事を決定し、同日発表いたしました。
 来月以降は、長谷川新社長が先頭に立つ新体制で、将来に向けて果敢にチャレンジをしてまいります。
 私自身は、ご被害者対応本部担当の取締役副会長として、これからもご被害者の皆様に真摯に向き合わせていただき、引き続き責任を果たしていく所存であります。
 社長就任から3年半、これまでのご支援に感謝申し上げますとともに、後任の長谷川にも同様のご支援ご指導を賜りますよう、お願い申し上げます。

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