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ニュースリリース

2019年8月 9日
経営関連

社長会見
1.山陰本線 東浜駅における「ゼロ・エネルギー・ステーション(ZES)」の実現と「環境発電」への挑戦
2.モニタ状態監視装置の導入〜車両メンテナンス業務の変革〜
3.SL動態保存を通じた鉄道文化活動

詳細

1 ゼロ・エネルギー・ステーションの実現と環境発電への挑戦
 当社では、地球環境への取り組みとして、省エネルギー照明や雨水利用、太陽光発電、屋上緑化など、地球環境に配慮した快適なエコステーションづくりを推進してまいりました。
 代表的な例としては2011年5月に開業した大阪駅ビル、2016年3月に開業したJR神戸線の摩耶駅があります。

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 【今回の取り組み】
 昨今、地球環境保護の取り組みがさらに重要視される中、「JR西日本グループ中期経営計画2022」では「環境に配慮した駅等の設置推進」を掲げました。
 このたび、当社としては初めて、鳥取県岩美郡岩美町にあり、「トワイライトエクスプレス 瑞風」の立ち寄り地でもあります、山陰本線 東浜駅において、「ゼロ・エネルギー・ステーション」を実現するとともに「環境発電」に挑戦することとしました。
 「ゼロ・エネルギー・ステーション」とは、晴れの日にお客様設備の消費電力を太陽光発電と蓄電池を組み合わせて自然エネルギーのみで賄う駅のことであり、当社が定めたものであります。
 また、「環境発電」とは、微生物や振動などの自然環境から得られる微弱な電気を活用した発電をいいます。

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 【「ZES」の実現】
 東浜駅でのCO2排出削減に向けた「ゼロ・エネルギー・ステーション」の実現においては、駅舎の近くに太陽光発電設備を設置し、電力を供給します。
 これにより、東浜駅で使用するお客様設備に関わる電力をすべて賄う予定です。

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 【「環境発電」への挑戦】
 「環境発電」をセンサーなどの電源に活用すれば、環境負荷が小さく、また充電や電池交換なしに長期に電力を安定供給できます。
 トンネルなどの太陽光発電が適さない環境や、電源確保が困難な環境におきましては、センサーなどの小電力の電源への適用が期待できます。
 今回は、2つの新しい「環境発電」について、企業や大学の協力を得ながら鉄道への適用に向けた検証を行います。
 1つ目は電圧を高める小型の素子を用いた微生物発電です。小型の素子ながら、微生物が出す微弱な電気を約10倍の電圧に高める新技術です。
 2つ目は環境振動発電です。小型の素子ながら、自然環境で発生する継続的で微小な振動を利用して高効率に発電できる新技術です。
 これらの技術の鉄道への適用に向けた検証は初めてとなります。
 以上の取り組みについては、2019年11月以降順次開始してまいります。
 「ゼロ・エネルギー・ステーション」の今後の展開については、東浜駅の状況をみて検討してまいりますが、エコステーションについては駅の開業や改良、業務用施設の新設や改良の機会を捉えて推進してまいります。

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2 モニタ状態監視装置の導入

 【メンテナンス(検査)のシステムチェンジ全体構想】
 当社では労働人口減少など将来の社会環境を見越して、少人数でも安全な鉄道サービスを持続的に提供が可能なメンテナンス体制の構築に向けて取り組んでいます。
 その実現に向けて、検査業務の装置化を進め、そこで取得された多くのデータをネットワークで共有し、装置から得られたデータに基づいて機器の状態を判断する体制を構築してまいります。
 現在のメンテナンスは一定の期間に応じて検査を行う手法を多く用いていますが、データから機器の状態を判断することで、機器の状態に応じてメンテナンスを行う、いわゆる「CBM」の実現を目指してまいります。
 検査業務の装置化の中で、「営業列車による車両の状態監視」について、新しい装置の導入についてお知らせします。


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 【車両の変化を事前に捉える新しいメンテナンス手法への転換】
 当社では現在、車両のメンテナンスに関して不具合の兆候などの変化を事前に捉える新しいメンテナンス手法への転換を目指しております。
 新しいメンテナンス手法への転換は「車両状態監視装置」と呼んでおります地上に設置する装置と、今回導入する「モニタ状態監視装置」と呼びます主に車両に設置する装置の2つの装置を用いて行ってまいります。
 これらの装置を導入することにより、「予兆把握による不具合事象の未然防止」「指令における車両状態の参照や、迅速な判断によるダウンタイムの短縮」といった効果を見込んでいます。

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 【車両状態監視装置 導入後の状況】
 2017年10月の会見でお知らせしました「車両状態監視装置」については2018年6月に福知山電車区に本装置の使用を開始しております。
 本装置では通過する車両に対し、パンタグラフすり板や、車輪踏面の寸法測定などを自動で実施しますので、作業の安全性が向上しました。
 また、電車が車両配置箇所に入るたびに各種測定が可能となりますので、車両品質の向上、乗り心地の改善に効果が出ております。
 本装置は、2021年度までに計15カ所に導入する予定です。

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 【モニタ状態監視装置の新規導入】
 車両の不具合が発生した場合、現状では指令と乗務員の間で、無線や電話により情報収集を行っていますが、この装置を導入することにより、リアルタイムで車両の情報の把握が可能になります。
 そのため、不具合発生時に、指令は車両の状態を把握した上で乗務員との通話が可能になり、さらなるダウンタイムの短縮が可能になると考えます。
 本装置は、京阪神地区を走行する1991年以降に新規製造された車両形式の電車約610編成を対象に、2020年度から順次使用開始し、2024年度に対象とする全編成への搭載を完了する予定です。
 今回ご紹介させていただいた機器を活用し、ダウンタイムの短縮に取り組むとともに、不具合の予兆を捉えるメンテナンスにも努めることにより、安全を維持する鉄道システムのさらなる充実を図ってまいります。

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3 SL動態保存を通じた鉄道文化活動

 【JR西日本保有の動態保存SL】
 当社では、鉄道文化財の保存・管理の取り組みとそれを活用する活動を「鉄道文化活動」と捉え、積極的な取り組みを行っています。
 とりわけ、鉄道開業当初の姿を再現するSLの保存運転は鉄道文化を伝えるための欠かせない存在です。
 当社では、日本で最も歴史の古いSLを使った観光列車の1つであるSL「やまぐち」号が、8月1日で運行開始から40周年を迎えました。
 現在、自力走行可能な状態、すなわち動態で保存されているSLは当社に8機あり、その保有数は国内最多です。
 しかし、すべての動態保存SLが昔から動態保存されていたわけではなく、後世に本物のSL文化を継承するため、新たに整備を進めたものもございます。
 具体的には、2014年に、動かない状態で保存されていた「義経」号の構内運転を復活させ、そして2017年には、構内運転でのみ使用していたD51形200号機の大規模修繕と保安装置整備を行い、本線での営業運転復活を遂げました。

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 【SLの動機保存継承のための取り組み】
 SLの動態保存に欠かせない検査・修繕・入換ができる設備や車庫といったハード面の整備、動態保存車両を活用した社員の技能向上、そして、ベテランから次世代への技術継承を図るといったソフト面の整備にも継続して取り組んでいます。

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 【SLの鉄道文化を身近にご覧いただける場の提供】
 今回新たに、京都鉄道博物館のSLおよび検修施設群が、2019年8月7日付で日本機械学会により「機械遺産」として認定されました。

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 【京都鉄道博物館 SL関係 夏のイベント】
 8月10日から8月18日まで、京都鉄道博物館では、扇形車庫において「SL頭出し」およびライトアップを行います。
 また、「機械遺産」認定を祝した特別なヘッドマークを装備した「義経」号を転車台で展示するなど特別なイベントを行う予定です。
 「SLの聖地」と呼ばれている京都鉄道博物館にあるSLとその関連施設・設備・そしてそれらを支える人財は、世界に誇れる文化財だと自負しております。
 今後も、地域活性化への貢献や文化財保存の観点から、時には全国の同業他社とも連携しながら、将来にわたり「動態保存」という自力走行可能な状態のSLをはじめとした文化財を大事に守り、継承し続けてまいります。

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