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ニュースリリース

2019年4月11日
経営関連

社長会見
1.最近の営業・輸送概況
2.気象災害対応システム運用開始とレーダー雨量を活用した運転規制の検討
3.第5世代移動通信システム(5G)実証実験

詳細

 本日の話題に入る前に、お伝えさせていただきます。
 まもなく福知山線列車事故から、14年が経とうとしております。
 例年、執り行ってまいりました追悼慰霊式について、今年度は事故現場の整備が整ったことから、「祈りの杜」で開催いたします。これまで同様、厳粛な気持ちで臨んでまいります。

1 最近の営業・輸送概況
【取扱収入】
 3月の運輸取扱収入は、春分の日から同週末にかけてのご利用を中心に好調に推移したことなどにより、収入計で104.2%と前年を上回りました。

運輸取扱収入の状況


【ご利用状況】
 3月のご利用状況は、春分の日から同週末にかけてのご利用が好調であったことを受け、山陽新幹線対前年102%、在来線特急同102%、アーバンネットワーク同105%と前年を上回りました。北陸新幹線は同100%と前年並みのご利用となりました。

ご利用状況

【2018年度状況】
 2018年度は、大阪北部地震、西日本豪雨、台風などの度重なる災害に見舞われたものの、関係者の皆様と連携し「がんばろう!西日本キャンペーン」や「関西観光リバイバルプラン」をはじめとした誘客に取り組んだ成果もあり、収入計は対前年101.1%と前年を上回りました。
 ご利用状況では、同災害の影響が大きかった在来線特急は対前年98%と前年を下回ったものの、山陽新幹線同101%、北陸新幹線同102%、アーバンネットワーク同102%と前年を上回りました。


2 気象災害対応システム運用開始とレーダー雨量を活用した降雨時の運転規制の検討
 当社では、激甚化する気象災害に備えて、ヒューマンエラーのリスク低減に寄与する「気象災害対応システム」の導入を2017年3月に発表しましたが、準備が整い運用を開始したとともに、さらなる安全性向上のため、レーダー雨量を活用した技術開発を進めております。

【気象災害対応システムの運用開始について】
 「気象災害対応システム」とは、これまで、雨、風や地震など、事象別に分かれていた各システムを一元化したものです。
 これまで運転規制の実施や解除時においては、多くの情報の収集や伝達、確認作業などに人手や時間を要していましたが、本システムの導入によって、電話など口頭による連絡からシステム画面上での確認が可能となります。
 また、情報伝達誤りなどのヒューマンエラーのリスクを低減できます。
 京阪神エリアの主要線区では、3月25日より、本システムの運用を開始しました。

気象災害対応システムの運用開始について

【レーダー雨量を活用した運転規制の検討について】
 現在、駅などに設置した雨量計を用いて、降雨量が規制値に達した場合に運転規制を実施することで降雨時の安全を確保しています。このたび、より一層の安全確保を目的として、これらの雨量計に加えて、レーダー雨量を活用した、きめ細やかな降雨観測の実施を検討しています。
 このレーダー雨量とは、気象庁や国土交通省が地上に設置したレーダーから発射された電波により観測された面的な雨量の分布情報のことをいいます。
 これにより、1キロメートルごとに沿線の降雨状況をきめ細かく面的に観測でき、現在、把握することが難しい雨量計間での局地的な大雨を早期に把握することが可能となるため、運転規制をよりタイムリーに行うことができるようになると考えております。

レーダー雨量の導入と目的

 このレーダー雨量を気象災害対応システムと連携させ、局地的な集中豪雨を含めた降雨の状況を把握することで、より的確な運転規制を実施することを目指します。
 まずは、2019年中に、レーダー雨量に関する情報を収集し、実施に向けた課題の洗い出しを進めてまいります。

レーダー雨量の活用による運転規制発令イメージ

3 第5世代移動通信システム(5G)実証実験
 5Gにつきましては、次世代の通信システムとして、総務省や携帯電話会社が中心となって2020年の実用化を目指して整備が進められています。
 5Gはご承知の通り、現在の3Gや4Gに比べて高速で大容量の通信が可能となると言われていますが、高信頼性・低遅延・省電力などさまざまな優れた特徴があるとも言われています。
 私どもは鉄道事業者として、この5Gが保守要員の確保や高度化する技術力の継続した維持・継承など将来の課題を解決する可能性に着目しました。
 しかし、それには5Gが鉄道特有の環境で通信可能かどうかを見極める必要がありますので、総務省が実施する5Gの実証試験に協力することとしました。
 試験は、NTTドコモと共同で、2月18日から22日にかけて、JR京都線 島本〜高槻駅間の沿線道路に200メートル間隔で基地局を4基と、特急の回送列車車両に5Gの移動局を設置して行いました。
 詳しい試験内容は下記に記載の通りですが、列車の窓や時速120キロメートルを超える高速移動の影響など、鉄道特有の環境において通信が可能かどうかを試験しました。

5G実証試験

 今回の実証試験を受けて、鉄道特有の環境で、時速120キロメートルを超える高速でも5G通信が可能であることが分かりました。
 また、5Gの高信頼性・低遅延という特徴を生かして鉄道で利用している通信などの代替、鉄道沿線の精緻な情報をリアルタイムに取得し、問題箇所を早期発見し迅速な対応につなげることなどの将来的な鉄道事業者のさまざまな課題を解決できる可能性を実証しました。
 今後は、この試験結果を参考に、将来的な活用方法の検討を進めてまいります。

5G実証試験の模様

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