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ニュースリリース

2015年6月18日
経営関連

6月定例社長会見

詳細

1 最近の営業・輸送概況
 5月の運輸取扱収入は、前年比108.5%と前年を上回りました。5月も引き続き、消費税率改定前の駆け込み需要による先買い影響の反動増がありますが、それを除いた実勢値としては、定期外で107.6%となります。これは、ゴールデンウィーク期間のご利用が好調であったことや、北陸新幹線の開業効果によるものと考えております。
 また、定期は前年比107.2%と前年を上回っておりますが、先買い影響の反動増を除いた実勢値としては100.1%となります。4月も前年比178.8%で実勢値が100.2%でしたので、ほぼ前年並みを少し上回って推移しているということではないかと考えております。前年を上回っていますのは、雇用情勢が良くなっていることや、人口や学生が減少する傾向にあるなかでも、当社沿線に大学や商業施設ができたこと、また、学生の地元志向などが要因ではないかと考えております。
 6月は15日現在で、前年比108.7%で推移しています。北陸新幹線の開業効果に加え、山陽新幹線のご利用が好調であることにより、前年を上回って推移しています。

○運輸取扱収入の状況(前年同日比)
対象期間 収入計 近距離券 中長距離券 定期券
5月 108.5% 106.7% 109.6% 107.2%
6月
(6月15日まで)
108.7% 103.0% 111.5% 105.2%
27年度累計 116.1% 105.1% 112.8% 139.8%

 ※注釈 実績は直営の速報値です。駅などでの取扱高(消費税を含む)を示します。

 5月のご利用状況は、前年比で山陽新幹線106%、北陸新幹線346%、在来線特急105%、アーバンネットワーク105%でした。山陽新幹線、北陸新幹線、在来線特急、アーバンネットワークとも、ゴールデンウィーク期間のご利用増などにより、前年実績を上回りました。
 6月は15日現在で、山陽新幹線が前年比104%、在来線特急102%、アーバンネットワーク104%、北陸新幹線360%でした。山陽新幹線、北陸新幹線、在来線特急とも、平日、休日ともにご利用が好調で、前年実績を上回って推移しています。

○新幹線・在来線特急・アーバンネットワークのご利用状況
対象期間 山陽新幹線 在来線特急 アーバンネットワーク
5月 106% 105% 105%
6月
(6月15日まで)
104% 102% 104%
北陸新幹線 ご利用者数(万人) 前年比
5月 89.8 346%
6月
(6月15日まで)
38.6 360%

 ※注釈 実績は速報値です。
 ※注釈 北陸新幹線は「上越妙高〜糸魚川駅間」のご利用実績です。
 ※注釈 北陸新幹線の前年比は在来線特急「はくたか・北越」(直江津〜糸魚川駅間)のご利用実績との比較です。

 【北陸新幹線のご利用状況】
 北陸新幹線(上越妙高〜糸魚川駅間)につきましては、5月のご利用が89.8万人、6月は15日までで38.6万人であり、開業から6月15日までの合計で約246万人の方にご利用いただいております。昨年の特急「はくたか・北越」との比較では約3倍(325%)となっています。
 開業から3カ月経ったわけですが、3月14日の開業から1カ月経った4月13日までが前年比293%、開業から2カ月の5月18日までが310%、そして6月15日までの3カ月間で325%ということで、少しずつご利用が増えてきている状況です。1日あたり平均のご利用人数で見ますと、4月が1日あたり約23,000人、5月はゴールデンウィーク期間の好調もあり約29,000人、6月は15日までで約26,000人と多くのお客様にご利用いただいております。観光目的を中心とした土曜日・休日のご利用が非常に多い状況は続いており、ビジネスを中心とした平日のご利用も徐々に増えてきています。こうしたことが数値の伸びにつながっているのではないかと思います。地元では、出張の際に北陸新幹線をご利用いただき、繰り返しご利用いただいている方々も増えているという声もお聞きしており、それも平日のご利用が増えてきた一因であると思われます。私どもとしましても、平日のご利用を増やすという点では、引き続き、ビジネスにお得で便利なインターネット予約「e5489」のPR強化や、ネット・カード会員の入会促進、また、平日のご旅行も多いお客様として、シニア世代やインバウンドなどのお客様のご旅行促進などに取り組んでまいります。
 開業から6月15日までの特急「サンダーバード」のご利用は前年比106%であり、関西・北陸間の流動も前年を上回るご利用でした。
 旅行会社での4月の販売実績では、関西・北陸間のJR利用旅行商品について、関西発が前年比118%、北陸発が106%でした。また、関西から信越方面への旅行商品も前年比283%と大きく増えています。5月も好調は継続しているとお聞きしています。ざっと申しますと、関西から北陸方面が5,000人以上、北陸から関西についても1,000人ほど、関西から信越方面については4,000人ほど増えており、これまでなかった北陸回りでの動き方が出てきているのではないかと考えております。
 引き続き、お客様に良いサービスを提供することを目指してまいりたいと思います。

 一方で、開業後に顕在化してきた課題もございます。
 例えば、非常に多くのお客様にご利用いただいていることから、曜日や時間帯によってはきっぷ購入の際にお待たせする状況もありました。そのため、新幹線のきっぷをお客様自身で発券していただける自動券売機「みどりの券売機」などを金沢駅、富山駅に各2台増設しました。また、土曜日・休日やゴールデンウィークには金沢駅や富山駅で臨時の荷物預かり所を設置しましたが、金沢駅では5月末から7月にかけて順次、コインロッカーを約500口増設しているところです。
 今後も、北陸、信越と関西、首都圏相互間の地域交流がさらに活性化し、ご利用が定着するよう、地元をはじめ関係の皆様との連携を深めながら取り組んでまいります。


2 トワイライトエクスプレス 瑞風(みずかぜ)の運行ルートについて
 今年3月に惜しまれながら引退した「トワイライトエクスプレス」では、日本海の美しい車窓、車内で調理された暖かい食事や上質なしつらえの車内空間で過ごす時間といった、鉄道の旅の醍醐味をお楽しみいただきました。
 5月16日から、特別なトワイライトエクスプレスの臨時運行を開始しておりますが、ご利用いただいたお客様からは瀬戸内海をはじめとする美しい車窓に評価をいただくとともに、沿線スポットに立ち寄ってみたい、その土地に触れてみたいといったお声もいただいております。あらためて旅の途中での歴史・文化・自然など、沿線の魅力に触れることへのお客様のご要望の高さを感じているところです。

 この「トワイライトエクスプレス」の伝統と誇りを引き継ぐのが「トワイライトエクスプレス瑞風」です。

 トワイライトエクスプレス 瑞風(イメージ)とロゴマーク

 2014年2月に営業本部内にプロジェクトを立ち上げ、5月にはコンセプトや車両イメージ、2015年2月には列車名とシンボルマーク、食を監修していただく料理人についてお知らせしてまいりました。また、この6月からは営業本部内に「瑞風推進事業部」を立ち上げ、運行開始に向けた準備を本格化しております。
 本日は、トワイライトエクスプレス瑞風で触れていただく美しい日本の概要について決定しましたので、お知らせいたします。

 山陽・山陰エリアには、世界遺産に登録されている景勝地や国立公園や世界ジオパークに認定されている自然など、国内外で高い評価を受けている日本の原風景や美しい自然が数多く存在します。トワイライトエクスプレス瑞風では、これらを車窓と立ち寄り観光でお楽しみいただきたいと思います。

 惣郷川橋梁(山陰本線 須佐駅〜宇田郷駅間)

 車窓からは、瀬戸内海や日本海、大山をはじめとする四季折々に移ろいゆく美しい自然や萩反射炉といった歴史・文化遺産を車窓からお楽しみいただけます。これらの車窓を、食事を楽しみながら、展望デッキで風を感じながら、あるいは自室でおくつろぎいただきながら、ご覧いただけます。

 山陰海岸ジオパーク、大山、宍道湖の夕景、萩反射炉

 1日1回実施する立ち寄り観光では、国内外で高い評価を受けている観光地に加え、知る人ぞ知る日本の原風景をご探訪いただきますが、さらにトワイライトエクスプレス瑞風ならではの特別な体験もご用意します。
 例えば、岡山後楽園では、一般非公開である延養亭(えんようてい)から、藩主になった気分で庭園の眺めをお楽しみいただけます。また、奥出雲エリアに広がる菅谷たたら山内(すがやたたらさんない)などの遺構は、たたら製鉄を中心とした歴史・文化を現在に伝える日本の原風景の旅へと誘います。
 これまでも地元の皆様とご相談しながら立ち寄り観光の内容を検討してまいりましたが、今後さらなる魅力付けを行い、沿線の魅力をトワイライトエクスプレス瑞風ならではの特別な体験で感じていただけるよう地元の皆様と一緒に準備を進めてまいります。

 岡山後楽園(延養亭等)、菅谷たたら山内、明々庵

 トワイライトエクスプレス瑞風は、鉄道ならではの旅をお楽しみいただくことはもちろん、地域の皆様とともに沿線の魅力を発信する役割を担った列車であります。
 発信する沿線の魅力として、本日お知らせしました立ち寄り観光や車窓のほか、沿線でのおもてなしや地域の食材を使った料理、車内での伝統工芸品や名産品のご紹介などを地域の皆様と一体となってご用意する予定です。


3 夏期におけるホームの安全性向上の取り組み
 私ども鉄道事業者にとってホームの安全は大変重要なテーマです。当社は「安全考動計画2017」において「ホームにおける鉄道人身障害事故3割減」を到達目標とし、ハード・ソフト両面で取り組みを進めております。
 ホームの安全対策については、これまでも北新地駅、大阪天満宮駅への可動式ホーム柵の設置、ホーム非常ボタンの設置、ホーム端を赤色で塗装したCP(Color Psychology)ラインの整備などを進めてまいりました。
 2014年度はこれらに加えまして、六甲道駅の昇降式ホーム柵の試行、入線警告音の見直し、ホームベンチの設置方法の工夫を始めたところでございます。また、「ホームにおける鉄道人身障害事故」の約6割を占めているのは、飲酒を起因とする酩酊されたお客様です。当社はソフト対策として、タレントの「鉄拳」さんを起用したパラパラ漫画などのホーム安全に関する啓発キャンペーン、主要駅へのホーム警備員の増配置、酔客に関する研究などを行ってまいりました。酔客の場合、ベンチから突然立ち上がってまっすぐホームから転落するということがありましたので、駅のベンチを列車の方向と直角にするということを進めており、現在、数十駅で実施しましたが、対象駅の拡大を検討していきたいと思います。

 平成26年度の主な取り組み

 全国的にはホームにおける鉄道人身障害事故は増える傾向にあります。2013年度は私どもも少し増えましたが、こういった取り組みにより、2014年度は2013年度に比べ、ホームにおける鉄道人身障害事故の発生を低減させることができ、一定の効果があったと考えています。

 夏期については、夜間時間帯はお酒を召されたお客様による事故が多く見られますが、昼間時間帯は気温の上昇などによる体調不良のお客様や夏休み中の若年層による事故が比較的多く見られるのが特徴です。

 今回の夏期のキャンペーンは、これまでのお酒を召されたお客様へのアプローチに加え、体調不良の際は無理をせず、ベンチにお掛けいただくなど落ち着かれるまでホーム上を移動しないよう働きかけるとともに、若い方々に向けましては、ホームから線路側に向かって顔や手を出すといった危険な行動の防止とマナー向上を訴えかけていきたいと考えています。さらに、周りのお客様にもご協力いただきたいという観点から、体調不良のお客様を見かけたら駅係員などにお知らせいただく、ホームから転落されたお客様を見かけたらホームの非常ボタンを押していただくことも、あわせてお願いしていきたいと考えています。
 私ども自身がきちんと取り組むわけですが、お客様ご自身の行動についても気をつけていただくとともに、周りのお客様の危険な行動にもご配慮いただけるようなメッセージをお伝えできればと思っています。

 今回のキャンペーンでは、年代を越えて広くホームでの安全を訴求できることを期待し、子役タレントの「本田望結(ほんだみゆ)」さんにイメージキャラクターとしてご協力いただくことといたしました。本田望結さんを起用した動画およびポスターの展開により、ホームで発生する事故の防止に向けたメッセージをより多くお客様に向けて発信していきたいと考えております。

 当日会場での様子

(本田望結さんからのメッセージ)
 「みなさん、こんにちは。本田望結です。この夏、私はJR西日本さんのホーム転落防止キャンペーンのイメージキャラクターをすることになりました。最近、お酒に酔ってホームから転落する方が多いと聞いています。また、夏になると、熱中症などの体調不良や悪ふざけが思わぬ事故につながるケースもあるそうです。私もJR西日本さんと一緒に、一生懸命、事故が起こらないよう呼びかけていきたいと思います。みなさん、ご協力よろしくお願いします。」

 引き続き、ハード・ソフト両面から取り組みを進めることにより、ホームの安全性向上にむけて努力してまいりたいと考えております。

【おわりに】
 先月の会見で、京都鉄道博物館の53両の収蔵車両についてお知らせをしておりますが、現在の梅小路蒸気機関車館が8月30日に閉館することにあわせまして、京都水族館と共通入館券を発売することとなりました。通常ですと両館合わせて2,460円ですが、2,100円で購入いただけます。この機会にぜひ足を運んでいただきたいと考えております。
 また、先日、鳥取県、鯖やと共同で、高付加価値マサバを使った地域活性化についてお知らせさせていただきました。今後とも、地域産業の盛り上げとあわせまして、地域創生に取り組んでいきたいと考えております。 

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