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ニュースリリース

2013年12月18日
経営関連

12月定例社長会見

詳細

1 今年の振り返り
 今年も残すところ10日あまりとなりました。今年を振り返りますと、「中期経営計画2017」「安全考動計画2017」(いずれも5カ年計画)を策定し、スタートした年でした。
 安全につきましては、「福知山線列車事故のような事故を二度と発生させない」ということを肝に銘じ、「安全考動計画2017」で5つの目標を掲げました。「お客様が死傷する列車事故ゼロ」「死亡に至る鉄道労災ゼロ」、「ホームにおける鉄道人身障害事故3割減」「踏切障害事故4割減」「部内原因による輸送障害5割減」を5ヵ年の目標として掲げ、その実現に向けて取り組んでまいりました。
 具体的には、(地震対策として)新幹線の逸脱防止ガードの敷設を進めてきております。また、津波などについては、津波対処訓練の実施や津波避難誘導アプリの開発、さらには「Think-and-Act Training」の取り組みなどを進めてまいりました。またホーム上の安全性向上に向け「昇降式ホーム柵」を先日、桜島駅に試行導入したところです。そのほかにも、安全に関わるさまざまな取り組みを進めております。
 また、北陸新幹線の開業準備を進めてまいりました。駅名、列車名の決定・発表、さらには先般、完成した車両の公開をさせていただきました。2015年春の金沢開業に向け、着実に準備を進めてまいりたいと考えております。
 営業展開については、「広島デスティネーションキャンペーン」を展開し、地域と一体となった観光素材の掘り起こし、誘客に努めました。また、LCCとの競争も激化しており、「スーパー早特きっぷ」の設定、あるいはその種類を増やすといったことに取り組みました。さらに今年は、60年に1度の出雲大社の平成の大遷宮ということで、山陰地区への誘客を図り、多くのお客様に出雲をはじめ山陰地区を訪れていただきました。
 今年は自然災害が多い年でもありました。夏の集中豪雨で、山陰線や山口線、三江線で橋脚が流されるなどの大きな被害がございました。地元の県と自治体のご協力も得て、全てではありませんが早期に復旧できる部分は復旧し、部分復旧やSLやまぐち号の部分的な復活運転を行うことができました。これらを見ても、地元の皆さんに期待をもって受け入れていただき、あらためて鉄道のインフラとしての役割の大切さを感じたところでございます。ただし、これらの被害は甚大であり、災害そのものについても「異常気象」と言われておりますが、なかなか「異常」とばかり言っていられない状況だと考えております。今後はそうした環境条件の変化も意識しながらリスクアセスメントなどに取り組み、対策を検討していく必要があると感じております。
 経営の3本柱の一つに、「被害に遭われた方々に誠心誠意と受け止めていただけるような取り組み」を掲げておりますが、今年は5月の「安全考動計画2017」についてのご説明会に加え、11月には、事故現場のあり方についてご説明会を開催いたしました。さまざまなご意見がある中で、なかなか難しい部分もございますが、当社としての考え方の一端をお示ししながら、これからではございますが、議論を進めていくきっかけができたかと思っております。私どもの責務で、きちんと進めていくという努力を重ねていきたいと考えております。
 さまざまな課題が残っておりますが、「安全考動計画2017」と「中期経営計画2017」のスタートの年としては、まずまず手ごたえのある年だったのではないかと感じています。来年以降も、取り組みを深めていきたいと考えております。例えば、年末に入りまして、大阪城公園での3Dマッピングが始まっておりますが、私どもとしても大阪環状線エリアをどのように活性化していくかという課題を「中期経営計画2017」の中で掲げております。開業から半世紀を超えた大阪環状線が次のステップに入れるよう、エリアの皆さまと一緒に作り上げていきたいと考えております。
 間もなく年末年始を迎えます。寒くて雪の多い年末となりそうですが、多くのお客様にご予約いただいている中、安全・安定輸送に努めてまいります。

2 最近の営業・輸送状況
 (1) 運輸取扱収入の状況
 11月は前年比101.5%でした。12月は15日までで、前年比104.3%です。近距離券が好調なほか、年末年始を含む前売りの発売状況が中長距離券の好調につながっているものと考えております。

○運輸取扱収入の状況(前年同日比)
対象期間 収入計 近距離券 中長距離券 定期券
11月 101.5% 103.6% 101.2% 99.4%
12月
(12月15日まで)
104.3% 108.9% 104.5% 97.6%
25年度累計
(12月15日まで)
102.1% 104.5% 102.0% 99.8%

 ※注釈 駅などでの取扱高を示します。
 ※注釈 直営の速報値です。

 (2) 新幹線・在来線特急・アーバンネットワークのご利用状況
 新幹線は11月が前年比102%、12月が106%でした。11月は文化の日の3連休がありましたし、出雲大社の式年遷宮やグランフロント大阪などの近隣の大型商業施設開業の効果などにより、それぞれ前年実績を上回りました。
 なお、12月の在来線特急は109%と良い数字となっておりますが、昨年の北陸線での強風による運休や輸送障害の反動増の影響です。

○ご利用状況(前年同日比)
対象期間 新幹線 在来線特急 アーバンネットワーク
11月 102% 104% 103%
12月
(12月15日まで)
106% 109% 106%

※注釈 12月の数値は速報値です。

3 新たな鉄道博物館の名称・ロゴマーク
 新たな鉄道博物館については、平成28年春の開業を目指しておりますが、昨年の今ごろ、博物館を建設することをお知らせさせていただいてから1年になります。今月6日に、京都市様から都市公園法に基づく設置許可をいただきました。梅小路公園の土地を使用させていただくという内容です。同様に現在、京都市様に対して建築基準法に基づき、建築確認申請をしている最中であり、このまま順調に許可いただきましたら、来年早々に着工の予定です。着工日が決まりましたら、お知らせいたします。
 本日は、新たな博物館の「名称」と「ロゴマーク」が決定いたしましたのでお披露目させていただきます。  

 ロゴマークと名称

 (1)名称
 名称は「京都鉄道博物館」、英語名は「Kyoto Railway Museum(キョウト レイルウェイ ミュージアム)」です。この博物館の建設にあたり、当社は「地域の活性化に貢献したい」、「今後とも、皆さまの生活や地域経済・文化の発展に貢献できる企業となりたい」という思いで、先人達の偉業を継承しながら、後世に伝えてまいりたいと考えております。この名称は「京都」「鉄道」「博物館」という3つのキーワードから成っています。まず、「京都」は、この博物館が位置する地域であり、伝統と歴史を重んじながらも革新を続けている都市です。また、世界的な観光都市であり、「京都」という地名をつけることで、日本だけでなく世界からも注目していただき、お越しいただきたいという思いを込めております。次に、「鉄道」は文字通りの鉄道ですが、梅小路蒸気機関車館と合わせ、SLから新幹線まで幅広い鉄道を網羅した博物館にしたいということでございます。歴史、文化を伝える施設としての「博物館」という意味でこの名称とさせていただきました。

 (2)ロゴマーク
 ロゴマークにも3つの思いを込めています。1つ目は「地域に根ざし、地域と共生する」こと。2つ目は「人々が集うあたたかな場所とする」こと。3つ目は「鉄道の歴史を未来へ継承する」ということです。

 <1>地域に根ざし、地域と共生する
 現在の梅小路蒸気機関車館とともに「地域」に根ざし、京都のエリアに溶け込みたいとの想いを込め、博物館を取り巻く全景を上空から俯瞰し、梅小路蒸気機関車館と新たな鉄道博物館を図案化しました。(「く」の字形となっているのが新たな鉄道博物館で、半円形になっているのが、梅小路蒸気機関車館の扇形車庫です。)

地域のイメージ

 <2>人々が集うあたたかな場所とする
 「人」をモチーフとして、多くの人に集まっていただけるようなあたたかな場所で、家族や友達同志の会話が生まれ、発見があり、夢が育まれていく場所でありたいということと、子供を抱えあげる親子の姿をイメージしたものです。

人のイメージ

 <3>鉄道の歴史を未来へ継承する
 最後にレールと車輪をイメージしています。「く」の字形の方がレール、半円形の方が車輪です。過去から現在、未来に続くレールと、絶えず回転続ける車輪をイメージしています。

鉄道のイメージ

 このような想いを結集し、デザイン化されたものをロゴマークとして決定いたしました。なお、ロゴマークの色は「ブラウニッシュグレー」を基調としています。この色は、かすかに緑や茶の色合いを持った灰色のことで、「鉄」に由来する伝統の色です。鉄道は日本の産業に役立ってきましたが、産業を支えてきた鉄のイメージやレールや車両など鉄道を形づくる「鉄」のイメージです。ちなみに、古来の言い方では、鈍色(にびいろ)とも呼ばれていました。私どもとしては、品格とメリハリ、景観と調和、シンプルさと印象強さを表すものとして、この色がふさわしいと考えました。
 本日以降、「京都鉄道博物館」の公式サインとして使用してまいります。

 この博物館を正面から、およびJR京都線の列車内から見たイメージは以下のようになります。

博物館を正面から見たイメージ・JR京都線の列車内から見たイメージ

 平成28年春の開業に向けて、名称・ロゴが決まり、外観のイメージも少しずつ形になってまいりました。開館に向けた足音も聞こえてきそうな気がします。みなさまに愛される「京都鉄道博物館」にしていきたいと思います。

※注釈 「京都鉄道博物館の紹介」の 解説VTRについてはこちらをご覧ください。

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