3月定例社長会見
【伊勢志摩サミットに向けて】
5月下旬に伊勢志摩サミットが開催されますが、本会議と前後しまして、私どものエリアでも大臣会合が予定されております。
当社といたしましては、「警備体制や警察など関係機関との連絡体制の整備」「テロ対応に関する訓練や社員教育」「お客様への啓発」などを進めてまいります。訓練に関しましては、すでに関係機関と合同で進めておりますが、3月下旬には私どもの本社社員の一部を対象に、事故に遭遇した際の初動対応の再確認や、新幹線に乗り合わせた際の初動対応の訓練を実施します。
引き続きグループ全体を挙げまして、期間中の対応に万全を期すよう連携を図ってまいります。
また、先般発表いたしました、山陽新幹線の車内防犯カメラの増設につきまして、客室内やデッキ通路部に増設したN700Aの新車両1編成を、4月26日以降運用開始することとなりました。順次そういったものを投入してまいります。
【吹田市片山町におけるショッピングセンターの開業】
大阪府吹田市片山町における、当社グループ初となる駅から離れた市中でのショッピングセンターの開発計画を昨年10月にお知らせいたしましたが、このたび、名称、開業日、出店テナントが決まりましたのでお知らせいたします。
名称は「吹田グリーンプレイス」です。開業日は6月8日で、出店店舗数は19店です。
緑あふれる開放的な空間の中で、地域の皆様にお集まりいただいて憩いの場としていただけるよう期待しております。
1 最近の営業・輸送概況
2月の運輸取扱収入は、うるう年で1日多いこともありまして、対前年106.6%となりました。うるう年の影響を考慮した場合は102.5%ということで、いずれも前年を上回っております。これは、北陸新幹線の開業効果などによるものと考えております。
3月は、対前年101.1%と前年を上回って推移しております。春分の日3連休の前売りや北陸新幹線の開業効果などが表れていると考えております。
ご利用状況もほぼ同様ですが、2月は前年比で山陽新幹線106%、北陸新幹線265%、在来線特急104%、アーバンネットワーク104%でした。山陽・北陸新幹線、在来線特急、アーバンネットワークそれぞれ、うるう年の影響で昨年と比較して日数が多かったことの効果が出て、前年を上回りました。
3月は13日現在、前年比で山陽新幹線100%、北陸新幹線237%、在来線特急98%、アーバンネットワーク101%で推移しております。山陽新幹線、在来線特急は、春分の日3連休前の出控えなどもあると考えております。
対象期間 | 収入計 | 近距離券 | 中長距離券 | 定期券 |
2月 | 106.6% | 103.5% | 108.4% | 102.5% |
3月 (3月13日まで) |
101.1% | 99.8% | 103.3% | 93.8% |
27年度累計 | 108.1% | 103.6% | 109.3% | 108.4% |
※注釈 実績は直営の速報値です。駅などでの取扱高(消費税を含む)を示します。
対象期間 | 山陽新幹線 | 在来線特急 | アーバンネットワーク |
2月 | 106% | 104% | 104% |
3月 (3月13日まで) |
100% | 98% | 101% |
北陸新幹線 | ご利用者数(万人) | 前年比 |
2月 | 61.7 | 265% |
3月 (3月13日まで) |
28.1 | 237% |
※注釈 実績は速報値です。
※注釈 北陸新幹線は「上越妙高〜糸魚川駅間」のご利用実績です。
※注釈 北陸新幹線の前年比は在来線特急「はくたか・北越」(直江津〜糸魚川駅間)のご利用実績との比較です。
【北陸新幹線金沢開業から1年】
平成27年3月14日の北陸新幹線金沢開業から1年が過ぎました。開業以来、これまで想定を上回る多くのお客様にご利用いただきました。糸魚川〜上越妙高駅間のご利用数で、開業から今年3月13日までの平均で1日あたり約25,000人の方にご利用いただきました。前年の特急「はくたか・北越」との比較では約3倍、295%と大変多くのご利用をいただいておりまして、開業前の想定は約2.2倍と見ておりましたので、好調な実績と言えると思います。
2年目はこうしたご利用の定着化やリピーター化の取り組みを通じまして、1年目はこういった良い数字でしたが、この実績に負けないようなご利用を目指してまいりたいと考えております。
【山陽・九州新幹線相互直通運転開始から5年】
山陽・九州新幹線の相互直通運転(新大阪〜鹿児島中央駅間)を開始してから3月12日で5年を過ぎました。直通運転開始以来、多くのお客様にご利用いただいておりまして、小倉〜博多駅間のご利用数で、開業初年度は開業前に比べて約2割増加いたしましたが、その後も年々増加してまいりました。平成27年度は開業前の平成22年度に比べて約3割の増加ということになっております。
さまざまなキャンペーンや取り組みをしてまいりましたが、来年度に向けて、さらなる交流拡大に向けて、山陽・九州新幹線相互直通5周年を契機としましたキャンペーンを実施いたします。新幹線の主要駅で記念イベントを行うほか、桜島、熊本城、阿蘇、博多といった九州の魅力を伝えられるCMを放映するなど、九州と関西・山陽エリアのより一層の交流促進に向けて盛り上げを図ってまいります。
【山陽新幹線 携帯電話不感地対策】
現在、新大阪〜新山口駅間と小倉〜博多駅間でサービスを提供中ですが、残っております新山口〜小倉駅間の対策工事の完了の見通しが立ちました。すでに一部のトンネルで対策工事を実施しておりますが、平成28年度中には全線でサービスを提供できることになります。
【山陽新幹線の車内販売にクレジットカードサービス導入】
平成27年3月から、山陽新幹線の車内販売でのお支払いにICOCAなどの交通系電子マネーをご利用いただけるようになっておりますが、今年の3月26日より、クレジットカードをご利用いただけるサービスを導入いたします。これに合わせまして、お支払い時に私どものJ-WESTカードをご利用いただいたお客様にノベルティをプレゼントするキャンペーンも実施いたします。
引き続き、山陽新幹線につきまして、輸送サービスの向上に努めてまいります。
2 「見守り位置検索サービス」の本格展開
IT技術を活用した見守り位置検索サービスの本格展開についてご紹介します。
最近、子どもの登下校やご高齢者の出歩きに伴う安全確保というものが社会的な課題となってきていると思います。私どもは昨年秋から、地域ぐるみの見守りということを駅を中心にできないかということで、仕組みを検討してまいりました。昨年11月に見守り位置検索サービスに秀でておられます株式会社ハモロと提携いたしまして、実証実験に向けた準備を行ってまいりました。2月下旬からは、神戸市東灘区の住吉小学校の小学校1年生から5年生の方約50名にモニターになってご協力いただきまして、皆様から好評を得ることができましたので、今回の展開開始に至りました。
このサービスは、お子様やご高齢者の位置情報を、保護者や介護者などがスマートフォンで確認できるというものです。
まず、お子様やご高齢者に「ビーコン」と呼ばれる小型の電波発信機をお持ちいただきます。私どもは駅や学校に「レシーバー」と呼ばれる、ビーコンの電波を感知する機器を設置します。保護者や介護者の皆様はご自身のスマートフォンに専用アプリをインストールしていただきます。
主要なサービスは2点ございます。
1点目は、駅や学校などレシーバーが設置されている箇所をお子様やご高齢者の方が通過された際に、レシーバーが感知したビーコンの位置情報が保護者や介護者に通知されます。
2点目ですが、学校関係者や地域の方々なども専用アプリをインストールしていただくことができ、これらの方をお子様やご高齢者を見守る「サポーター」と呼ばせていただきまして、お子様やご高齢者がサポーターとすれ違った情報も保護者や介護者のスマートフォンの地図上に表示されます。定点設置されたレシーバーと、生活者として動き回る皆様のスマートフォンが位置情報を発信するものになるということでございます。
さらに、その他の機能として2点ございます。
まず、お子様やご高齢者が一定距離以上離れると、保護者や介護者などにアラートでお知らせする機能も搭載しています。
また、お子様やご高齢者が迷われた場合に、その方の情報を発信する機能もあり、保護者や介護者などが情報を公開すれば、迷われておられる方の付近を通行しているサポーターの皆様に保護を求める情報が発信されます。
このサービス名ですが、「そばに付き添って見守る」という意味を込めまして、「sobani(そばに)」としております。3月17日、本日から当サービスを開始します。今後のお申し込みの状況を踏まえまして、JR神戸線・京都線からレシーバーの設置エリアを順次拡大したいと考えております。
引き続き、地域の皆様と共に、安心・安全な街づくりを進めてまいります。
3 京都鉄道博物館開業に向けて
いよいよ、京都鉄道博物館のグランドオープンが来月の29日に迫ってまいりました。
はじめに、当社が所有する国産初の量産型蒸気機関車であります233号機関車が先般、文化庁の文化審議会答申を受けまして、重要文化財として指定される運びになりました。来月の京都鉄道博物館開業に大きな花を添えていただく形になりまして、大変名誉なことと喜んでおります。関係者の皆様にもこの場を借りてお礼申し上げたいと思っております。
また、セブン-イレブンでの前売り券も全国1万8千店舗にて発売を開始しております。多くの皆様のご期待に応える博物館となるよう、準備を行ってまいります。
本日は博物館のレストランメニューの決定、従業員の制服の決定についてお知らせをさせていただきます。
まず、レストランですが、京都鉄道博物館では、本館2階のレストランとプロムナードの食堂車の2カ所で飲食物の販売をいたします。
レストランでは、10種のメインメニュー、1種のお子様メニュー、そして各種の軽食とお飲み物を提供させていただきます。扇形にかたどったライスとルーで扇形車庫を再現した「梅小路扇形車庫カレー」やキハ81形のボンネットをモチーフとした「キハ81形ブルドッグパンケーキ」など、博物館でしか味わえないメニューを中心に展開してまいります。
プロムナードの食堂車は、ブルートレインの食堂車として活躍しておりました「ナシ20形24号車」の車両で、お弁当10種、各種軽食、お飲み物を提供させていただきます。お弁当10種のうち4種は、オリジナル弁当箱がセットになりました「ウメテツランチボックス」や梅ごはんなど梅小路にちなんだ内容を盛り込みました「SL弁当」など、オリジナルなものですのでご期待ください。この食堂車の隣にあるクハ103形1号車の車内や広場などでもお召し上がりいただけます。
続きまして、博物館の制服についてです。
このたび、博物館でお客様のおもてなしをいたしますスタッフの制服が決まりました。
「地域とのつながり」や「お迎えをする」ことをデザインコンセプトに、京都の四季を感じる色合いを採用し、京都らしさを表現しております。また、動きやすさを兼ね備えながらも気品のある、博物館という文化施設にふさわしい制服ということを考えてまいりました。これらの制服で、4月29日、春に皆様を博物館でお出迎えさせていただきます。よろしくお願いいたします。