JR神戸線 六甲道〜灘駅間 新駅設置工事の工事用足場が倒れて線路を支障した事象の推定原因について
平成27年12月11日にJR神戸線 摩耶駅(平成28年春開業)の建設現場において工事用足場が倒れた事象に関し、推定される原因についてお知らせするとともに、お客様にご迷惑とご心配をおかけしたことをあらためておわびいたします。
1 概況
平成27年12月11日(金曜日)午後1時ごろ、JR神戸線 六甲道〜灘駅間において建設している摩耶駅の工事現場において、工事用足場が下り線路内に倒れ、列車運行を支障しました。この事象によるお客様のおけがはありませんでした。ご乗車されていたお客様に気分の悪くなられた方と降車ののちに軽傷を負われた方がいらっしゃいます。
2 調査内容
工事用足場が倒れた原因について調査するため、倒れるに至る工事の経緯および事象発生時の足場の設置状況について、関係者への聞き取りや調査・確認を行いました。
3 調査結果
足場解体作業に伴い風に対する足場の耐力が低下した状態となり、強い風を受け、階段部付近の足場の転倒をきっかけに、連鎖的に線路内に倒れたと推定されます。
足場の耐力が低下していた理由は、以下の2点が考えられます。
(1)上部固定部材をはずした時点(12月9日夜間)で、本来であればメッシュシートを撤去する必要があったが、足場の駅舎本体部分は多くの固定部材で固定されていたため、施工会社社員はその必要がないと誤った判断をした。
(2)加えて、足場中段の建物の壁に対する固定箇所を、将来のメンテナンス用に設置された金物に変更する際(12月10日昼間)に、適切な固定部材が用いられていなかったため、さらに耐力が低下していたと推定される。
以上により、足場が倒れたと考えますが、その理由としては、施工会社において、足場解体作業の施工ステップごとの必要耐力の確認が不足していたと考えられます。また、当社においても、鉄道の安全運行確保に対し、施工会社への指導が不十分であったと考えております。