3月定例社長会見
【北陸新幹線金沢開業】
3月14日はダイヤ改正で、北陸新幹線の金沢開業を無事に迎えることができました。私も金沢駅での出発式に参列してまいりました。あらためて40年以上の間、開業に関わってこられた方々のご尽力に、関係者の皆様のご努力に、敬意を表したいと思います。また、今回の開業にあたり、地元の皆様、国土交通省や自治体の皆様などに大変お世話になり、ご協力もいただきましたことに大変感謝しております。
14日には上下で約3万5千人、前年と比べると同区間で3倍以上のご利用があり、3日間の合計では8万4千人にご利用をいただきました。大変好調なスタートが切れたのではないかと思っております。
引き続き多くのお客様にご利用いただけるよう、これからゴールデンウィーク、夏、秋にはデスティネーションキャンペーンもございますが、いずれにしましても、一過性のものではなく、地域にとってご利用が定着し、伸びていくことが大切だと思っております。地域の皆様と一緒になって、地域の発展のお役に立てるよう、安全・安定輸送に努力しながら誘客にも取り組んでいきたいと思っております。
【トワイライトエクスプレスの今後】
10日と11日、2日連続で残念ながら強風の関係で運休となるなど、お客様のご利用に応えられなかったことを申し訳なく思っておりますが、最終日の3月12日には多くの沿線の皆様にも惜しまれながらラストランを迎えることができました。
トワイライトエクスプレスは、1989年7月の運行開始から25年8カ月で、約116万人のお客様にご利用いただきました。これまでご愛顧いただいた皆様に、心から感謝申し上げます。
大阪〜札幌駅間の運行は終了しましたが、お客様や旅行業界の方々からのご要望も強いため、老朽化はしておりますが、当社エリア内で列車のやりくりをいたしまして、団体専用臨時列車としてしばらく運転できないかという検討をしております。運転日やルートなどが決まりましたらお知らせしたいと思っております。
また、一部の車両については、来年の春にオープン予定の京都鉄道博物館にて、保存・展示する方針です。こちらも詳細が決まりましたらあらためてお知らせさせていただきます。なお、現在、梅小路蒸気機関車館において4月7日まで、トワイライトエクスプレスのメモリアル写真展「Twilight Time」を実施しております。ぜひ足を運んでご覧いただければと思っております。
今後も、ご愛顧いただきましたトワイライトエクスプレスに触れていただけるようなチャンスを提供させていただき、また、新たな寝台列車「トワイライトエクスプレス 瑞風(みずかぜ)」に伝統を受け継げるように取り組んでいきたいと思っております。
【山陽新幹線全線開業40周年】
昭和50年(1975年)3月10日に開業した山陽新幹線の岡山〜博多駅間が40周年を迎え、当日は記念式典の開催や記念入場券の発売、駅でのパネル展示を行うなど、地元の皆様と一緒に節目を祝うことができました。今後もよりいっそう安全と品質を高めることにより、皆様から選んでいただけるような山陽新幹線を築いていきたいと思っております。
このたび40周年を記念して、JR東海と共同で、エクスプレス会員の方がご家族やご友人とご利用いただける「東海道・山陽新幹線全線開業40周年『EX(イー・エックス)ファミリー早特』」を期間限定で発売します。ご利用期間は5月9日から7月12日までです。お一人様あたり、新大阪〜博多駅間が10,000円、広島〜東京駅間が13,300円などの特別価格でご利用いただけます。この機会にぜひ新幹線の旅をお楽しみください。
次に、山陽新幹線40周年の新しい取り組みの一つとして、山陽新幹線車内での「地域の特別なお土産」の販売についてお話させていただきます。このお土産は、日本の伝統工芸を意識した雑貨などを製造販売しておられる奈良の「中川政七商店」と協力して、沿線地域の特産品をベースに新たに開発したものです。中川政七商店は、奈良で300年続く麻織物「奈良晒(ならさらし)」のメーカーで、現在は幅広く生活雑貨を取り扱い、4月2日に開業いたします「LUCUA1100(ルクアイーレ)」にも「日本市」として出店いただく予定です。
このたび、車内販売を行っているジェイアール西日本フードサービスネットと一緒に「走る日本市」というプロジェクトを立ち上げ、地域に根ざしたオリジナル商品を制作し、山陽新幹線の車内で大漁旗で装飾した特別なワゴンを用いて販売します。四半期ごとに商品ラインナップを変更する予定で、第一弾は山口県で、山口県のふきんなどの雑貨や獺祭(だっさい)などを販売する予定です。また、私どもが行っております海外向けインターネット販売サイト「ジャパンスクエア」でも取り扱いを予定しております。
こういったお土産の販売を通じて、新幹線をご利用のお客様に今まで気付いていなかったような沿線の文化や伝統に触れていただき、少しでも地域の活性化のお役に立てればと考えております。発売日などについては、決まり次第お知らせさせていただきます。
1 最近の営業・輸送概況
2月の運輸取扱収入は前年比105.6%でした。近距離券が104.3%、中長距離券が107.5%、定期券が100.1%でした。2月は建国記念の日が前年よりも連休を取りづらい曜日配列となっていたものの、北陸新幹線を中心とした前売きっぷの販売が好調で、前年を上回りました。
3月は16日現在で、前年比104.6%で推移しています。3月は山陽新幹線のご利用が好調であることに加え、北陸新幹線の開業効果なども加わり、前年を上回った順調な収入状況となっております。
対象期間 | 収入計 | 近距離券 | 中長距離券 | 定期券 |
2月 | 105.6% | 104.3% | 107.5% | 100.1% |
3月 (3月16日まで) |
104.6% | 105.2% | 106.9% | 95.5% |
26年度累計 (3月16日まで) |
102.8% | 104.8% | 105.0% | 94.4% |
※注釈 実績は直営の速報値です。駅などでの取扱高(消費税を含む)を示します。
2月のご利用状況は運輸取扱収入とは少しずれがあり、前年比で山陽新幹線100%、在来線特急104%、アーバンネットワーク103%でした。
3月は16日現在で、山陽新幹線105%、在来線特急106%、アーバンネットワーク102%で推移しています。
対象期間 | 新幹線 | 在来線特急 | アーバンネットワーク |
2月 | 100% | 104% | 103% |
3月 (3月16日まで) |
105% | 106% | 102% |
※注釈 実績は速報値です。
2 六甲道駅「昇降式ホーム柵」の継続設置 高槻駅「昇降式ホーム柵」の設置
一昨年12月から昨年3月までの桜島駅での試行運用を経て、昨年12月からは六甲道駅での試行運用を開始し、車両数の異なる列車に対する機能や、到着から発車までの連続動作の確認などを検証してまいりました。
約3カ月試行運用を続けてまいりましたが、検証結果は良好で、大きなトラブルもなく安定稼動しております。ご利用のお客様へのアンケートも実施いたしましたが、当初は「お子様が挟まれたりしないか」といった声も一部ありましたが、概ね「安全で良くなった」とのご評価をいただいております。これらの状況も踏まえ、開発を進めてまいりました昇降式ホーム柵が実用化可能との判断にいたっております。
今後、扉の枚数や編成両数の異なる車両が運用されているような駅にも導入が可能ですので、順次検討をしながら進めていきたいと考えております。なお、現在、六甲道駅に試行で設置している昇降式ホーム柵は、継続運用する予定です。
この結果を受け、高槻駅で新快速専用として最も外側に新設工事を進めておりますホームに、昇降式ホーム柵を設置したいと考えております。
ホームの新設により総面積が8割ほど増え、ホーム上の混雑の緩和や安全性の向上を狙ったものですが、さらにホームからの転落を防ぐということで、新設ホームの使用開始をホーム柵とあわせて迎えたいと考えております。2016年春に新設ホームと合わせてホーム柵の使用を開始する予定です。
【厚狭太陽光発電】
最後になりますが、「中期経営計画2017」で掲げましたとおり、JR西日本グループ一体で地球環境保護に取り組み、持続的発展が可能な社会の実現に貢献するべく、山口県の厚狭地区にメガソーラーの建設を進めてまいりました。
このたび、JR各社の中では現時点で最大規模となる太陽光発電所が完成いたしました。発電規模は5000キロワットで、一般家庭1000世帯余りに相当します。3月27日に発電開始の式典を行います。