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ニュースリリース

2014年10月17日
経営関連

10月定例社長会見

詳細

 先日の台風19号の接近に伴いまして、近畿圏の24線区につきまして、10月12日のお昼に10月13日午後の運転本数を減らすことや16時以降につきましては運転を見合わせることを事前に発表させていただきました。たくさんのご意見をいただいておりますが、事前にお知らせするという形で対応させていただきました。
 大変大型の台風ということでございましたので、直撃すると複数の線区において長時間にわたって運行中止が見込まれるというところがありました。また、駅あるいは駅間で列車が長時間停車するということが発生し、お客様に多大なご迷惑をおかけするであろうということが予想されたこともありました。できるだけ早めにご案内することでお客様の行程に支障しないことを最大限配慮したいということで、早めに運休を決定いたしました。
 そうしてお知らせをいたしましたが、私どもといたしましては、こうして判断をさせていただいたことは妥当ではなかったかと思っております。さまざまなご意見をいただいておりますが、それぞれのお声を真摯に受け止めまして、今後につなげていきたいと思います。私どもは鉄道会社でございますので、使命は安全に鉄道運行を継続していくということでございます。安易に運休することがよいと思っているわけではございませんが、最近は災害が大型化あるいは激甚化の傾向にございますので、こうした災害につきましては、あらかじめ準備をすることも大事ではないかと思っております。そのときどきの気象予想などにあわせまして判断させていただきたいと思います。いただきましたさまざまなご意見を参考にさせていただきながら、よりよい事前の準備あるいは運行の確保にも努めてまいりたいと思っております。

【山陽新幹線における携帯電話通信サービス区間延長】
 従来から山陽新幹線をご利用していただけるよう、輸送サービスの向上という観点からトンネル内などの携帯電話の通じない区域の解消に取り組んでまいりました。
 今年の2月には徳山駅手前の第2玖珂トンネルまでつながるようになっておりましたが、このたび11月21日からは徳山〜新山口駅間の大平山(おおひらやま)トンネルの一部までエリアが拡大いたします。さらに、今年度内には新山口駅まで拡大できる予定でございます。引き続き、小倉〜博多駅間での工事の実施も決まっております。
 今後もよりよい便利な山陽新幹線になるよう、そういった対策を継続していきたいと思っております。

【車両のリニューアルの取り組みと新幹線E7/W7系がグッドデザイン賞を受賞】
 10月1日に公益財団法人日本デザイン振興会が主催する「グッドデザイン賞」を北陸新幹線「E7/W7系新幹線電車」、「JR西日本の車両リノベーション」の2つが受賞をいたしました。
 特に「車両リノベーション」は単に一つの車両・製品のデザインというのではなく、5,200両の在来線車両を新製するということだけではなくリニューアル(改造)をしながら常に安全で快適な車両を作っていくということで、車両の計画的な取り組み姿勢をデザインとして評価いただいたものです。このような製品そのものではなく「コト」についての受賞は鉄道車両では初めてのことになっております。
 今後も新製車両の投入と同時にそういった車両のリニューアル計画を適切に進めていくということで、快適で安全な車両の提供に努めてまいりたいと思っております。

【情報化促進貢献の経済産業大臣賞を受賞】
 このたび、「情報化促進貢献個人等表彰(企業部門)経済産業大臣賞」を受賞いたしました。対象は、車掌が使っているスマートフォンを用いた情報提供のシステムです。Super-TID(スーパー ティーアイディー)と呼んでおりますが、スマートフォンを利用して車掌が列車の位置を把握できるのもので、次に来る列車や遅れといったことが表示されており、お客様に適切なご案内ができます。このシステムが「IT利活用の先導的役割を果たした」ということで、「情報化促進貢献個人等表彰(企業部門)経済産業大臣賞」を鉄道業界では初めて受賞しております。
 今後もIT技術などを用いて、お客様への適切な案内強化ができればと思っております。

1 最近の営業・輸送概況
 9月の運輸取扱収入は前年比108.5%でした。消費増税分を除いても106%程度であり、好調な結果となりました。券種別では、中長距離券106.2%、近距離券107.6%、定期券114.4%でした。昨年に比べて3連休が1回少なかったものの、敬老の日3連休のご利用が好調だったほか、前年の台風の反動増もあり、前年実績を上回りました。定期券については、消費税率改定に伴う先買いにより購入時期が4月から3月へずれたため、6カ月定期の更新時期が一部10月から9月にずれ、前年実績を上回りました。
 10月は15日現在で、前年比102.8%で推移しています。台風19号の影響などで近距離は昨年を下回っていますが、6カ月定期へのシフトなどにより定期券が昨年を上回ったこともあり、全体では昨年を上回って推移しています。ただ、消費税増税の影響を除くとほぼ100%であり、前年並みで推移していると考えています。

○運輸取扱収入の状況(前年同日比)
対象期間 収入計 近距離券 中長距離券 定期券
9月 108.5% 107.6% 106.2% 114.4%
10月
(10月15日まで)
102.8% 98.2% 101.9% 106.4%
26年度累計
(10月15日まで)
101.0% 104.0% 103.4% 92.0%

 ※注釈 実績は直営の速報値です。駅などでの取扱高(消費税を含む)を示します。

 9月のご利用状況も、運輸取扱収入同様、昨年に比べて3連休が1回少なかったものの、敬老の日3連休のご利用が好調だったことや、前年の台風の反動増などにより、新幹線100%、在来線特急103%、アーバンネットワーク105%でした。
 10月は15日現在で、新幹線対前年100%、在来線特急95%、アーバンネットワーク96%で推移しています。在来線特急、アーバンネットワークは台風19号の影響により、前年実績を下回って推移しています。

○ご利用状況(前年同日比)
対象期間 新幹線 在来線特急 アーバンネットワーク
9月 100% 103% 105%
10月
(10月15日まで)
100% 95% 96%

※注釈 10月の実績は速報値です。

2 持続的なSL動態保存の体制整備
 全国で観光列車などの話題があるわけですが、SLも人気があるものとなっております。
 当社では日本で最も歴史の古いSL列車の一つである「SLやまぐち号」や「SL北びわこ号」を運転するとともに、梅小路蒸気機関車館に全国から選りすぐりのSLを集め、SLスチーム号の運行や展示を通して多くのお客様や地域の皆様にご好評をいただいております。また、SLをメンテナンスする梅小路運転区が10月10日には開設100周年となりました。弁天町の交通科学博物館から運び入れた「義経号」の修繕が完了し、構内でのSLスチーム号のけん引機関車としての運転を行い、お客様にも喜んでいただきました。
 現在、動態保存をしているSLは8機あります。産業革命の原動力となり近代日本の産業遺産でもあるSLを後世に継承していくことは鉄道会社である当社の社会的使命であると考えておりまして、今後も持続的なSL動態保存に取り組んでいきたいと思っております。

当社の動態保存の状態

 そのための体制整備の一環としまして、2016年春に開業予定の京都鉄道博物館に隣接する土地にSLの解体検査に特化した専用の検修庫を建設したいと思っております。
 現在メンテナンスを行っている梅小路運転区の扇形車庫は100年前に建設され、現存する最古の鉄筋コンクリート造りの車庫で、2004年には重要文化財の指定も受けております。扇形車庫は文化的価値がある一方で、設備の老朽化や大規模設備の不足などSL動態保存を継続するには保守の面で課題がありました。たとえば、SLの大規模なメンテナンスを行う場合、ボイラーについてはその都度クレーン車を用いて解体しメーカーへ搬送するなど、作業性や安全性などの課題が残っておりました。
 新しい検修庫では、クレーンなどの大型の設備を新設し、ボイラーをメンテナンスする場所も設け、メーカーなどに搬送することなくSL検修の一連の作業が全て梅小路でできるようになり、作業性や安全性が向上し日本のSL動態保存の拠点となるのではないかと思っております。また、京都鉄道博物館と一体化したいと思っておりまして、ペデストリアンデッキで2階部分をつなぐことで、一連のSLのメンテナンスをご来館いただく皆様に見ていただけるようになります。現存の扇形車庫につきましても耐震補強と設備の劣化対策を施し、引き続きお客様にご覧いただけるようにいたします。

解体検査に特化した専用研修庫新設

 あわせまして、このたび観光列車としてのSLの魅力向上という観点から「デゴイチ」の愛称で呼ばれる「D51-200」の大規模修繕と改造工事を行い、現在は構内運転に限っておりますが、本線で運転もできるようにして本線運転を復活させることとしたいと思っております。
 大規模修繕につきましてはすでにC57-1で実施しておりますが、老朽化した機器を大規模に更新し、これからの数十年の使用に耐えうるようにする工事です。

「D51-200」の大規模修繕

 今回工事の対象の「D51」という機関車は日本で最多の1,115両が製造された大型の貨物用機関車です。「デゴイチ」の愛称はSLの代名詞のようになっております。「D51-200」は1938年製で76年ほど経っているものでございますが、スチーム号のけん引機関車として動態保存されているものです。この修繕作業はすでに梅小路運転区で開始しておりますが、2017年には完成させ、SLやまぐち号あるいはSL北びわこ号として運用を開始する予定としております。
 現在SLやまぐち号をけん引している「C57-1」はそのまま使用し、少しけん引力の小さい「C56」に置き換えて「D51」をSLやまぐち号やSL北びわこ号として走行させる予定です。

D51(デゴイチ)

SLにつきましては、技術継承もテーマでございます。設備の面だけでなくソフト面、技術継承も課題となっております。SLのメンテナンスには高い技術力が必要となります。現在30人弱おりますが50代が中心で、若い20代・30代の社員は5人しかおりませんので、今後を見越して10年で20人くらいの人を育てていくということで、SLの技術が結集する新しい検修庫でのメンテナンスを通して人材育成していきたいと考えております。
 また、作業機会を作り出しそれをお客様にもご覧いただく仕組みにもっていきたいと思っております。
 今後も持続的なSL動態保存に取り組み、SLの運行などを通じて地域活性化のお役に立てればと思います。

3 尼崎駅増設橋上駅舎の供用開始
 尼崎駅は、JR神戸線とJR宝塚線・JR東西線との結節駅であり、乗り換えられるお客様を含めて多くのお客様にご利用いただいております。これまで階段が1箇所しかなかったこともあり、特にラッシュ時は階段付近のホームが混雑するなど、お客様に迷惑をおかけするだけでなく、安全性の面でも課題がありました。
 このため、ラッシュ時の混雑緩和を図り、より安心して快適にご利用いただけるように昨年2月から橋上駅舎の増設工事を実施してまいりました。すでに6月から、増設した駅舎の一部を乗り換え専用通路としてご利用いただいておりますが、このたび増設工事が完成し、11月29日から全面的に使用を開始することとなりましたのでお知らせいたします。
 今回の工事では現在の通路の大阪寄りに新たに改札口を設け、6月から乗り換え専用通路としてご利用いただいている部分から改札を通っていただけるようになります。

尼崎駅増設橋上駅舎のイメージ

 11月29日からは列車の停車位置も少し大阪寄りに変更し、2箇所の階段をご利用いただきやすくなりますので、今まで一極集中していたお客様の半分程度が新設部分をご利用いただけると想定しており、混雑が緩和するとともにスムーズに乗り換え、乗降いただけるようになると考えております。
 また、神戸寄りにしかなかったホーム屋根についても延伸し、雨の日でもご不便をかけることなくご利用いただけるようになります。

 さらに、今回増設したスペースを活用しまして、日常生活に密着した駅ナカ店舗を新たに8店舗オープンする運びとなりました。
 主なものを紹介しますと、提携後、非常に多くの方にご利用いただいております駅ナカのセブンイレブンが兵庫県内では4店舗目のオープン予定です。また、駅ナカで年中無休で処方せん受付ができる調剤薬局「駅クオール薬局」については、大阪駅・新大阪駅に次いで3店舗目となります。さらに、期間限定で店舗が入れ替わる「エキマルスイーツ」は大阪駅(2店舗)・宝塚駅・三ノ宮駅に続いて5店舗目の開業となります。そのほか、飲食できるお店などもオープンいたします。

駅ナカ店舗開業

 尼崎駅からご乗車になるお客様の数は昨年度実績で当社で18番目ですが、ご乗車になる約43,000人のお客様に加えて、お乗り換えのお客様も約42,000人いらっしゃいます。こうした多くのお客様が、駅舎や乗り換え通路の増設により、より安全・安心・快適にご利用いただくことができるようになると考えています。

新駅舎イメージ図

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