新幹線保守用車の運転を支援する新装置を導入
人間工学的に設計した警報音・警報表示の採用や速度超過を防止する機能の付加など高機能化
弊社では、新幹線の保守用車の運転ミスをバックアップする支援装置の改良に取り組んできました。このたび完成した新装置には、人間工学的に設計した保守用車接近時の警報音、警報表示や画面配置を取り入れたり、速度超過を防止する機能を付加するなど、高機能化を図っています。この装置を平成26年4月に岡山地区で先行導入しており、今後順次山陽新幹線全線に拡大していきます。
※注釈 保守用車とは、保守などに用いる工事用車両のことです。
1 新装置の特長
・保守用車接近時に、危険度に応じた警報音、警報表示でオペレーターに注意を促します。(人間工学的観点から安全研究所で設計)
・これまで煩雑に配置されていた装置を一元化し、機能ごとに整理した画面配置としています。(人間工学的観点から安全研究所で設計、リスクアセスメントで抽出した課題への対応)
※注釈 機能ごとに整理した画面配置として、保守用車の運転情報、運転操作支援情報、故障情報などを機能ごとにまとめて整理して配置しています。
・保守用車が制限速度を超過したときに、自動的にブレーキがかかります。(保守用車では日本初)
・保守用車同士の距離を把握する方法として、位置情報を相互に無線伝送する方式を採用し、ばい煙などの影響を受けないものとしています。
※注釈 位置情報を相互に無線伝送する方式は、東日本旅客鉄道株式会社の特許を一部使用しています。
(参考)山陽新幹線 新神戸〜西明石駅間の保守用車衝突事故(平成22年7月発生)を受け、ばい煙により反応距離が短くなるおそれがある赤外線センサーを使用する方式を改めています。
2 整備計画
・山陽新幹線で使用する保守用車190台に整備する予定です。
・現在岡山地区(相生〜新尾道駅間)に先行導入済みで、平成27年3月を目途に山陽新幹線全線で使用開始する計画です。