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ニュースリリース

2014年6月19日
経営関連

6月定例社長会見

詳細

 冒頭に2点お話させていただきます。1つ目は、先日、米子地区で発表させていただいておりますが、山口線・山陰線と同様に、昨年8月の集中豪雨で運転を見合わせておりました三江線につきまして、運転を再開できる見込みが立ちました。7月19日の始発から運転を再開する予定でございます。運転再開にあたりましては、関係自治体の皆様からご協力をいただき、おかげさまで早く運転再開ができることになりました。大変、感謝いたしております。今後も地元の皆様と一緒にご利用いただけるよう取り組んでまいりたいと考えております。
 2つ目は、先日「トワイライトエクスプレス」の運行終了の発表をいたしました。車両の老朽化が著しいため、現在のサービス水準の維持は困難であると判断し、発表に至ったものでございます。7月21日には25周年を迎えますが、これまで約110万人の方にご利用いただいており、多くの名残を惜しむ声をいただいております。向こう1カ月間の予約状況も前年比120%と例年以上のご予約をいただいております。列車によってはまだ空席もございますし、ラストランとなる今年度の下半期は可能な限り運転日を確保して運行いたしますので、運行終了までの間、多くのお客様にご利用いただければと考えております。

1 最近の営業・輸送概況
 5月の運輸取扱収入は前年比102.2%でした。ゴールデンウィーク後半期間のご利用が増えたことなどにより、近距離券、長距離券については前年実績を上回っております。
 6月は17日現在で、前年比102%で推移しております。
 年度初は、消費税率改定に伴う駆け込み需要の反動により、定期券を中心に大きく前年を下回りました。5月以降、定期券は引き続き前年実績を下回っているものの、近距離券と中長距離券については前年を上回っております。運輸取扱収入につきましては、消費税の増税分の上乗せがございますので、その分は差し引いて見なければならない数字でございます。

○運輸取扱収入の状況(前年同日比)
対象期間 収入計 近距離券 中長距離券 定期券
5月 102.2% 103.4% 104.4% 93.2%
6月
(6月17日まで)
102.0% 101.9% 103.8% 95.3%
26年度累計
(6月17日まで)
94.9% 103.1% 101.1% 73.0%

 ※注釈 駅などでの取扱高を示します。
 ※注釈 直営の速報値です。

○新幹線・在来線特急・アーバンネットワークのご利用状況(前年同日比)
対象期間 新幹線 在来線特急 アーバンネットワーク
5月 103% 103% 102%
6月
(6月17日まで)
102% 99% 99%

※注釈 6月の数値は速報値です。

 5月のご利用状況は、新幹線が前年比103%、在来線特急が103%、アーバンネットワークが102%でした。新幹線、在来線特急、アーバンネットワークとも、ゴールデンウィーク後半期間のご利用が多かったことなどにより、前年実績を上回りました。
 6月は17日現在で、新幹線が前年比102%、在来線特急99%、アーバンネットワーク99%で推移しています。在来線特急が100%を下回っておりますのは、北陸線で発生した強風による運休などによるものです。アーバンネットワークも100%を下回っておりますが、前年に大型商業施設の開業が相次いだことの反動もあるのではないかと思います。

 この夏、西日本エリアでは、魅力ある旅先に加え、「プラレールカー」など西日本エリアの魅力を感じていただける多彩な「旅」を準備いたしております。そういったものを一同に集め、ご紹介する専用WEBサイトを明日よりオープンいたします。7月5日、6日には、大阪駅でイベントを開催する予定でございます。ぜひ、足を運んでいただければと思います。
 また、7月15日にはユニバーサル・スタジオ・ジャパンに「ハリーポッター」の新エリアがオープンします。当社としましても、多くのお客様にお越しいただき、鉄道をご利用いただけるよう、「入場確約券」とJR券をセットにした「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン・スペシャルきっぷ」を発売いたしますので、この夏、関西へのおでかけにぜひご利用ください。

2 エコで快適な駅づくり
 
まもなく夏の節電要請期間が始まります。今年も一部の券売機や改札機の使用停止など、お客様のご不便にならない範囲で最大限の努力を行ってまいります。ご協力をお願いしたいと思っております。
 これまで当社では、地球環境保護の観点から省エネ車両の導入や省エネ運転の実施、照明のLED化などでの電力の削減や、自然エネルギーの使用などエネルギー供給源の多様化といった取り組みを推進してきております。今後、設置していく新駅についても、エコで快適な駅を作ってまいります。
 その中で、電車がブレーキを使用する際に発生する回生電力を活用するために、「上下別の線を走行する電車にも回生電力を融通させることができる」上下タイき電方式の導入や「回生電力を蓄える」電力貯蔵装置の開発などに取り組んでまいりました。
 そして、本日はさらなる有効活用を目指して現在開発中の「直流電力変換装置」について発表させていただきます。

これまでの省エネルギーの主な取り組み

 これまで回生電力の活用先といたしましては、近くを走行している他の列車に供給するということでやってまいりました。ところが、一部の回生電力につきましては、近くに列車が走行していないなどの場合に未活用となっている電力があることから、列車以外の設備に着目して、駅の照明などに活用することができないかということで、変換装置を開発いたしました。原理といたしましては、回生電力として発生した直流電力を駅などで用いる交流電力に変換するというものでございます。

エコで快適な駅づくり

 現在開発中の直流電力変換装置でございますが、平成28年春に開業予定のJR神戸線・六甲道〜灘駅間の新駅、まや駅(仮称)に導入を予定しております。
 発電量は列車本数などに左右されますが、まや駅(仮称)では1日あたり約100キロワットアワーの電力の活用を想定しております。これは、一般家庭10世帯分の電力量にあたります。
 この新駅は、5月から工事に着手いたしました。この直流電力変換装置以外にもさまざまなエコメニューを取り込んだ駅にしていきたいと考えております。
 すべての照明をLEDにする、きめ細かな照明制御によって省エネルギー化を図ることに加え、太陽光パネルの設置による創エネルギー化、節水トイレの導入による省資源化を実施し、地球環境保護を考慮した駅となる予定でございます。
 これらのエコメニューの導入による具体的な効果といたしまして、従来の同規模の駅と比較して、50%以上の消費電力を削減することが可能になります。

 今後も回生電力の有効活用をはじめといたしまして、地球観光保護の観点からさまざまなエコの取り組みを推進していきたいと考えております。

3 227系近郊形直流電車の投入
 
先月は新たな寝台列車について発表させていただきましたが、本日は、近郊形新型車両について発表させていただきます。
 昨年3月の中期経営計画の中で「新保安システム」について発表いたしました。その実用化にめどが立ちましたので、その新保安システムを取り入れた車両を投入いたします。

 新保安システムは、鉄道輸送のさらなる安全性、安定性の向上を目指すために、平成20年からシステムの開発を始めました。平成23年からは、実際の車両を用いて、近畿圏や広島地区において、走行試験を重ねてまいりました。そしてこのたび、実用化にめどが立ちましたので、車上装置を搭載した新型車両を投入することになりました。

新保安システムの概要

 新保安システムの概要ですが、車両に登録した、信号機の位置や速度制限箇所などの固定の情報と、地上側から得られる変動する情報、たとえば信号が青か赤かや、進入するルート、さらには列車の位置情報をもとに、列車を制御するものでございます。
 これまでのATSと異なる点は、ATS-SWでは、停止信号や曲線、分岐器などの線路条件に対する防護について、特定の地点での速度確認機能でした。ATS-Pは、信号機や曲線までの距離を車両に与えることにより、車両で一定の「パターン」というものを計算し、連続的に速度を確認する機能を持っております。新保安システムでは、車両にさまざまな情報を登録することで、これまでのATSの機能である、停止信号や曲線、分岐器などの線路条件に対する防護、車両の最高速度に対する防護に加えて、さまざまな運転支援機能を実現することができます。

新保安システム 実現できる機能と今後の計画

 新たに実現できる運転支援機能といたしましては、たとえば、ホームのない側のドアが誤って開くことを防止する機能がございます。これは、駅のホーム形状のデータと地上から得られる列車の進入番線を照合することで、誤ってホームのない側のドアを開けようとしても、ドアを開けないようにするものでございます。また、停車駅での停止位置の大幅なずれを防止する機能とは、列車の両数によって異なる停止位置についてのデータを車両が持つことで、車両自身がその停止位置に対して連続的に速度確認を行うことができ、停止位置を越えるような速度の場合、自動的にブレーキをかけることが可能となるものでございます。

 今回、こういったことの実用化にめどが立ちましたので、車両の制御装置については、随時新型車両に搭載をしていく予定でございます。合わせて、地上側の設備も整備していき、山陽本線の広島地区において、順次使用を開始していきたいと考えております。
 また、今回はATS-SW線区に対応したものでございますが、今後、ATS-Pが導入されている近畿エリアへの展開も見据えて、開発に着手しております。
 さらに、今回のシステムは情報を地上子から取得する「地上子式」というものでございますが、その地上子式より機能の拡大が可能となる「無線式」についても、中期経営計画期間中に実用化のめどをつけるべく、現在走行試験などを行っております。

227系新型車両のデザイン

 投入する電車は、227系と呼んでおります。車両のデザインは、近畿圏で新快速などとして走行している225系をベースに、室内、室外とも「赤」を基調にコーディネートしております。この赤は、広島を象徴する厳島神社の大鳥居や広島県の木であるもみじ、そして、広島東洋カープをイメージしており、「広島らしさ」を象徴する親しみを感じさせる色にしております。
 また、この車両には、車両異常挙動検知機能が付いているほか、吊り手の大型化や衝突時の安全性向上など、これまでに実施してまいりましたさまざまな安全施策をすべて盛り込んでおります。

 ※注釈 車両異常挙動検知機能とは、脱線などの異常を検知した際に、自列車を緊急停止させ被害の拡大を防止するとともに、他の列車に緊急停止信号を送ることにより併発事故を防止する機能

その他の安全対策

 今年度に43両を投入いたしますが、今後、平成30年度までに計276両を広島地区に投入する計画です。広島支社管内ではJR発足以降、初めての新型電車の投入であり、国鉄時代にさかのぼっても約30年ぶりの新型電車でございます。

 新保安システムの整備を確実に進め、お客様に安心、信頼していただき、地域の皆様にも愛着を持ってご乗車いただけるような電車になればと思っております。

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