新型ラッセル車両の投入について
弊社エリア内の線路上の除雪に使用しているラッセル車両の置き替えとして、新型ラッセル車両を投入しますので、その概要についてお知らせします。
この新型ラッセル車両は、JR発足以降、JR他会社も含めて最初に新製するラッセル車両で、単線・複線両方の除雪に対応できる機能があり、いずれの線区でも使用できることが大きな特徴となっています。新型ラッセル車両の投入により、除雪の機動力が向上します。
1 車両形式
キヤ143形
2 投入両数、時期
・2両
・平成26年2月から3月
3 主な使用線区
北陸本線など
4 主な車両仕様
(1)単線・複線両方の除雪が可能な構造
・運転室からの操作により両先頭部に装備している除雪用ラッセル翼を単線除雪・複線除雪に切り換えることにより、単線・複線の両方に対応できる構造としています。
・ラッセル車両として使用しない期間は、両先頭部の除雪用ラッセル翼を取り外して牽引車両としても使用できます。
(2)衝突時の安全対策の向上
・除雪用ラッセル翼を取り外して牽引車両として使用する際に、前面衝突時の乗務員への衝撃を低減するための衝撃吸収構造を採用しています。
(3)安全性の向上
・ATSやEB装置の電源が投入されていない場合などに、警報などにより乗務員に知らせる装置を装備しているほか、運転状況記録装置や映像音声記録装置を搭載し、安全性の向上を図っています。
・車両機関室内にエンジン・変速機をそれぞれ2台搭載し、運行にあたっての安定性の確保を図っているほか、機関室内には自動消火装置を搭載しています。
※注釈 「ATS」とは、列車が停止信号機に接近すると、地上からの制御信号により運転室内に警報ベルを鳴らして運転士に注意を促したり、自動的にブレーキを作動させて、列車を停止信号機の手前に停止させる装置のことです。
※注釈 「EB装置」とは、保安装置のひとつで、運転士が運転機器操作を60秒間行わなかった場合にブザーが鳴動し、さらに5秒間何もしなければ自動的に非常ブレーキが作動する装置のことです。
(4)その他
・前方や車両側面後方の除雪状態を映し出す確認用カメラを搭載し、運転室のオペレーターが除雪状態を確認できるようになっています。
・従来のラッセル車両に比べて大幅な軽量化を図りながらも、従来と同等の除雪能力を有しています。
・最新の気動車と同様なエンジンを採用し、環境負荷の低減に配慮しています。
・最新の気動車と部品の共通化を図ることにより、メンテナンスの軽減を図っています。
※注釈 ラッセル車両の詳細についてはこちらをご覧ください。(PDF形式 239キロバイト)
5 デザイン
従来の気動車と同様に両先頭部に運転室を配置し、前方の視認性の向上に配慮した構造としています。また車体外部塗装は、雪の中でも存在感のある既存のラッセル車両と同一の朱色をベースに、前面および運転室側面にはゼブラ模様を配することにより、躍動感と存在感を強調したデザインとしています。