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ニュースリリース

2014年2月13日
経営関連

2月定例社長会見

詳細

 今回が2014年の初めての会見となります。年明けから、大阪ステーションシティのノースゲートビルディング西館の再構築、京都鉄道博物館の起工式、ナビバードと新たに始めた海外の個人向けネット販売、ポシブル医科学の株式の追加取得、あるいは先日の北陸新幹線新型車両の試乗会の開催など、中期経営計画で掲げた課題やプロジェクトを着実に実行してきております。
 本年も中計に掲げたメニューを前に進めたいと思いますので、あらためましてよろしくお願いいたします。

 今月は、「最近の営業・輸送概況」「山陽新幹線不感地対策」「北陸新幹線新型車両のシンボルマーク」「津波避難誘導の取り組み状況」「新たな豪華列車の推進体制」の4点についてお話させていただきます。

1 最近の営業・輸送状況
 (1) 運輸取扱収入の状況
 1月は前年比101.6%でした。2月は11日までで前年比103.1%です。1月3日の東海道新幹線の沿線火災に伴う払い戻しや2月の3連休減による前売販売減があったものの、トータルで見ると年始のご利用が多かったことや、近隣の大型商業施設開業の効果による近距離券の増があり、前年実績を上回りました。
 2月は途中段階ではありますが、2013年は3連休だったことによるご利用減があったものの、月初の休日のご利用増や近隣の大型商業施設開業による近距離券の増などにより、前年実績を上回って推移しております。

○運輸取扱収入の状況(前年同日比)
対象期間 収入計 近距離券 中長距離券 定期券
1月 101.6% 102.6% 101.8% 100.1%
2月
(2月11日まで)
103.1% 102.3% 102.6% 105.9%
25年度累計
(2月11日まで)
102.1% 104.3% 102.1% 100.0%

 ※注釈 駅などでの取扱高を示します。
 ※注釈 直営の速報値です。

 (2) 新幹線・在来線特急・アーバンネットワークのご利用状況
 ご利用状況も同様の傾向ではございますが、3連休の関係でご利用状況は新幹線、在来線特急ともに2月11日までで98%と若干前年を下回っております。

○ご利用状況(前年同日比)
対象期間 新幹線 在来線特急 アーバンネットワーク
1月 104% 104% 103%
2月
(2月11日まで)
98% 98% 102%

※注釈 2月の数値は速報値です。

2 携帯電話不感地対策
 弊社では、お客様に新幹線を選択していただけるよう、輸送サービスの品質向上の一環として、携帯電話のつながらないエリアの解消に取り組んでまいりました。
 2013年12月には広島駅まで携帯電話のつながるエリアを拡大いたしました。今回は2014年2月28日から徳山駅の少し手前の第2玖珂(くが)トンネルまでのエリアに広がることとなりました。
 今後は、徳山駅までは2014年中につながるように拡大してまいります。さらにその先については、工事の期間は決定しておりませんが、新山口駅まで工事を行なうことが決定しております。
 今回、携帯電話がつながるようになるエリアは特にトンネルの多いエリアであり、お客様の利便性が大きく向上すると期待しています。引き続き関係機関と協議を進めながら、博多駅までの携帯電話不感地対策を進めてまいりたいと考えております。

携帯電話のつながるエリア

3 北陸新幹線 新型車両のシンボルマーク
 JR東日本と共同で開発した新型車両W7系、E7系のシンボルマークが決定いたしました。マークのコンセプトは、「輝く未来に向かって突き進むイメージ」で、数字の「7」を矢じりのように尖らせた形状で表し、輝く未来に突き進むことを表現しました。また、丸い形となっている円はカッパー(銅色)のラインで、金沢の象嵌(ぞうがん)細工のように構成しています。これは、伝統工芸の緻密さや未来への希望を象徴しています。
 今回は、東海道・山陽新幹線の300系、500系、700系とは一味違ったシンボルマークとなり、北陸新幹線らしいものができたと思っています。いよいよ開業まで1年あまりとなり、弊社のW7系の第1編成の落成もこの春に迫ってまいりました。このシンボルマークを先頭車両にしつらえ、北陸新幹線らしさを一層際立たせてまいりますので、ぜひご期待ください。

北陸新幹線 新型車両のシンボルマーク

4 津波避難誘導の取り組み状況
 間もなく東日本大震災から3年を迎えますが、弊社ではこれまでも南海トラフ巨大地震への備えとしてハード、ソフト両面から継続的に取り組みを進めてきました。本日は、沿線の避難誘導標の整備、列車内に備え付けている避難梯子の整備拡大、および紀勢線における津波避難誘導訓練の実施の3点についてご説明させていただきます。
 まず、避難誘導標の整備です。
 紀勢線は、総延長約200キロメートルの間の多くの区間で海の近くを列車が走行しており、既に沿線に各種の避難誘導標を設置しています。この度、和歌山県の浸水想定の見直しにより、浸水区域が従来の21区間、21.7キロメートルから69区間、73.5キロメートルに大幅に拡大したことを受け、新しい浸水想定に対応するよう避難誘導標を追加整備していきます。
 まずは、浸水区間の入口と出口を示す「浸水区域境界に関する看板」を、今年3月末までに和歌山県の新しい浸水想定に対応した箇所にも整備します。また、「避難誘導に関する看板」については、津波が短時間で到達する区間に整備してきましたが、こちらも新しい想定に対応するよう2014年度中をめどに整備を進めていきます。その中で、「避難方向矢印標」については、弊社の乗務員だけでなく、避難するお客様がご覧になってもよりわかりやすくなるようデザインを見直し、既存のものが設置されているところは今年3月末までに更新していきます。

避難方向矢印標

 避難誘導標設置のイメージですが、津波が1時間以内の短時間で到達する区間においては、浸水区間の起点標および終点標、避難方向を示す矢印標や踏切付近などでの線路外出口標を設置します。津波の到達まで1時間以上の余裕のある区間では、当面は浸水区間の起点標および終点標を整備していきます。

津波が1時間以内の短時間で到達する区間

 紀勢線以外の線区においても、今後、線区の状況に応じて避難誘導標を順次整備していくことを検討してまいります。
 次に、列車内に備え付けている避難梯子などの整備拡大です。
 紀勢線においては、すでに列車の運転室内に避難用の梯子、灯具を設置していますが、それに加えて、客室内にも2014年度中をめどに追加整備していきます。
 2013年3月の訓練では、全車両のドアを開き梯子なしでお客様に直接降りていただくことを初めて検証し、運転室内に設置した梯子から降りていただく場合より早く避難できることがわかりました。一方で、高齢のお客様やお身体の不自由なお客様など、直接降車できない方々には梯子が必要だということも再認識し、すべてのお客様により迅速に避難していただくため、運転室以外の客室内にも梯子などの設置を決めました。なお、2013年の訓練で客室から降車する際に運転室内に設置した梯子も使ってみましたが、一定の時間を要したため、客室内に設置する梯子はお客様に使っていただくことも想定し、簡単にかつ素早く設置できるものとしていきます。
 紀勢線以外の線区でも、状況に応じて、浸水が想定される線区を走行する車両への梯子や灯具の整備を検討していきます。

列車内に備え付けている避難梯子

 その他、列車からの降車やその後の避難をより迅速に行えるよう、従来のものに加えて、紀勢線沿線に避難用の降車台2箇所と、避難階段6箇所を追加整備していきます。

降車台、避難階段の追加整備

 津波避難誘導の最後に、訓練についてご紹介させていただきます。
 紀勢線においては、5年前から毎年、津波避難誘導訓練を実施しておりますが、2014年3月11日、社外の方々にもご協力をいただき、訓練を実施いたします。場所は、紀勢線の串本〜新宮駅間の3箇所です。
 今回の訓練では、大きく3点を検証したいと考えております。
 1点目は、編成が長くドア数が少ない車両での避難を検証します。特急くろしおの381系6両を使用することで、 長い編成の列車に対応した乗務員の迅速な避難・誘導、ドアの数が少なくドアの幅も狭い車両における全ドア開きによる降車、降車台と全ドア開きを併用した場合の降車などをチェックしたいと考えています。
 2点目は、観光やビジネスなど、地元に不慣れなお客様の避難誘導を検証します。他の鉄道事業者の方など、土地勘のない方々にもお客様役としてご協力いただき、かつ避難先の詳細もお知らせせず訓練を実施することで、地元に不慣れなお客様やお身体の不自由な方に対する乗務員の迅速な避難・誘導、客室デッキに設置した梯子の使い方や避難誘導標の案内に基づくお客様の動きなどをチェックしたいと考えています。
 3点目は、新しい避難場所への経路や、新しく設置した設備を検証します。新しい浸水想定に基づく避難場所への避難ルートや、改良した降車台の降車のしやすさなどをチェックしたいと考えています。
 その他、訓練の一部においては、2013年に整備した避難誘導アプリを使った避難誘導や、乗務員と駅係員が連携した避難誘導も検証する予定です。
 お客様に早く円滑に避難していただくことが最も重要であり、スピーディーに必要な対策を講じていきたいと考えております。また、このような取り組みはお客様のご理解、ご協力によってより効果的なものとなります。私どもも周知を深めるとともに、ぜひ皆様にもご協力いただければと考えております。

5 豪華列車について
 最後に「中期経営計画」でもお知らせしておりました「豪華列車」についてです。本日は、このプロジェクトを推進していく2人をご紹介した上でお話させていただきます。
 新しい豪華列車の導入を進めていくべく社内で検討しておりますが、全体のコーディネーターとして新たに営業本部内に「観光列車開発」グループを立ち上げました。倉重 雅彦(くらしげ まさひこ)が担当課長として、プロジェクト全体を統括いたします。さらに、この豪華列車の運行を想定している日本海側では、新たに米子支社松江支店長として内山 興(うちやま こう)を任命いたしました。内山は豪華列車にご乗車いただくお客様に、日本海側のエリアの観光地やイベント、旅館・ホテル、食材、特産品など全般を地域と一緒になってご紹介するために、観光素材の掘り下げやネットワーク作りを担当します。山陰地区を孫悟空のように飛び回ります。
 この2人は、計画スタッフとして中期経営計画の策定にも携わってきました。その後、倉重は北陸新幹線やクルーズ列車のコーディネートなどを行なってきました。内山は松江駅長として地域に溶け込み、地域と一体となって観光素材の開発を行なってきました。柔軟な発想と行動力、実績も兼ね備えた2人は、このプロジェクトに最も適した人材だと考えております。
 新しい豪華列車の運行を目指し、これから車両も設計いたします。列車自体も重要ですが、「地域との共生」を中期経営計画で掲げているとおり、地域と一緒に何ができるのか、どういった情報発信ができるのかが重要だと考えております。この2人を中心に、豪華列車を使った新しい旅行をご提案できるよう取り組んでまいります。
 6月ごろまでには車両設計にご協力いただくデザイナーをお知らせできるものと考えております。ぜひご期待ください。

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