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ニュースリリース

2013年9月11日
経営関連

9月定例社長会見

詳細

 平成25年の夏は、特に8月にかけ、猛暑と豪雨に見舞われました。6月以降の平均気温は平年より1.2度ほど高く、大変暑い夏となりました。そのような中、エネルギー問題もあり、節電に努めてまいりましたが、10月には山口県厚狭地区に太陽光発電施設の着工を予定しています。来年冬ごろの稼動を目指して建設を進めてまいります。
 7月と8月の豪雨では、山陰線、三江線、山口線で大変大きな被害が発生し、現在も列車が止まっている区間があります。自治体や国とも相談させていただきながら、早期復旧に努めてまいりたいと考えております。
 また、9月は防災月間です。7日には京都駅で、JR東海、近鉄、当社の3社による大規模災害に備えた訓練を行い、異常時における3社の連携を確認いたしました。
 21日には、山陽新幹線でお客様救護訓練を予定しております。その他にも各職場でさまざまな訓練や取り組みを行い、災害に備えてまいります。

1 最近の営業・輸送状況
 (1) 運輸取扱収入の状況
 8月の運輸取扱収入の合計は、前年比102.2%でした。8月の前半は大変暑く、お盆過ぎには豪雨にも見舞われましたが、お盆期間のご利用が好調だったことと、昨年の大雨の反動、さらには9月の3連休の前売りの影響もあり、前年実績を上回りました。
 9月については始まったばかりですが、台風17号以降の雨の影響もあったのではないかと考えております。

○運輸取扱収入の状況(前年同日比)
対象期間 収入計 近距離券 中長距離券 定期券
8月 102.2% 105.6% 101.6% 99.7%
9月(8日まで) 98.3% 101.9% 97.8% 95.5%

 ※注釈 駅などでの取扱高を示します。
 ※注釈 直営の速報値です。

 (2) 新幹線・在来線特急・アーバンネットワークのご利用状況
 8月のご利用状況は、新幹線が前年比103%、在来線特急が101%、アーバンネットワークが104%でした。

○ご利用状況(前年同日比)
対象期間 新幹線 在来線特急 アーバンネットワーク
8月 103% 101% 104%
9月(8日まで) 103% 92% 102%

 ※注釈 9月の数値は速報値です。

 (3)広島デスティネーションキャンペーンの中間状況
 広島デスティネーションキャンペーンが9月末まで行われています。「瀬戸内ひろしま、宝しま」をコンセプトに、JRグループ全体で広島県に送客しようというキャンペーンです。おかげさまで着実に送客に結びついていると考えております。
 個人型旅行商品では前年比117%となっているほか、広島県の主要な観光施設へのお客様の来場数も5%程度増加しております。
 また、文部科学省や国土交通省、広島県などのご協力をいただき「親子で行く修学旅行 宮島・広島」を企画いたしましたが、8月24日の第1回は満員で催行することができました。キャンペーンは9月で終わりますが、10月から「瀬戸内国際芸術祭2013」も始まりますので、広島へ継続してお越しいただけるように取り組んでまいりたいと考えております。

 (4)関西〜九州のご利用状況について
 新大阪〜博多、熊本・鹿児島間にスーパー早特きっぷを設定しております。3月に発売を始めた新大阪〜博多間については、1日あたり1,100枚程度、7月から発売を始めた新大阪〜熊本・鹿児島間については同じく450枚程度ご利用いただいています。
 男女別・年代別のご利用状況を見ると、前回調査では、山陽新幹線のお客様のうち男性が64%、女性が36%でしたが、スーパー早特きっぷでは男女比がほぼ半々となっています。特に、前回調査では18%だった30代のお客様が、スーパー早特きっぷでは28%と、10%程度多くなっています。
 テレビCMなどで商品の特徴や関西・九州双方の魅力を発信した結果、当社がメインターゲットにしておりました若い女性に、関西または九州にお越しいただけているのではないかと分析しております。

2 「昇降式ホーム柵」の開発状況について  
 これまでも、ホーム非常ボタンや可動式ホーム柵の設置をはじめ、ホームの安全対策としてさまざまな取り組みを実施してまいりました。

ホーム上の安全対策(これまでの取り組み)

 当社は、「安全考動計画2017」において、ホームにおける鉄道人身障害事故を3割減らすことを目標にしております。
 この目標に向けた取り組みの一つがホーム柵の設置ですが、現在JR東西線の北新地駅と大阪天満宮駅に設置している従来型の可動式ホーム柵につきましては、列車のドアの枚数が異なり、乗降口の位置が統一できない線区での導入が難しいという課題があることから、ロープ式のホーム柵で対応できないかを検討してまいりました。昨年11月にお知らせし、その後も技術開発を進めてまいりましたが、さまざまな機能の評価や実用性の検証を行うため、実際の駅で試行運用を開始することといたしました。
 ロープ式ホーム柵の特徴は、開発に当たって工夫、あるいは苦労した部分と重なるのですが、1点目はロープにもたれかかった時にロープの強度が十分であること、2点目は列車とロープの間に取り残された場合に危険を検知できること、3点目は乗務員などのホーム監視に必要な視界の確保ができていることです。
 なお、近づいた時にはロープから離れてくださいというアナウンスが流れたり、バーに手を当てたら警報音が鳴ったりします。 

(イメージ)「昇降式ホーム柵」ロープ下降時(乗降口:閉)

(イメージ)「昇降式ホーム柵」ロープ上昇時(乗降口:閉)

 JRゆめ咲線の桜島駅1番のりばにおいて11月中旬から設置工事を行い、12月上旬から試行運用する予定です。この試行を通じて、安全面、機能面での検証を深めて実用化につなげたいと考えております。

 ※注釈 「昇降式ホーム柵の基本動作」の 解説VTRについてはこちらをご覧ください。

3 阪和線 輸送品質向上の取り組みについて
 阪和線は、当社の3番目のターミナルである天王寺駅と和歌山駅間61.3キロメートルを結んでおり、35駅あります。列車も平日で1日500本以上が走行し、平均10万人以上のお客様にご利用いただいています。
 この阪和線にはすでに運行管理システムが導入されていますが、老朽化しているため、今回更新を行います。それにあわせて、「安全考動計画2017」で掲げた輸送障害半減などの目標に向けて、折返し設備の新設・拡充や、踏切長時間鳴動対策、東岸和田駅付近の高架化にも取り組みます。

 (1) 新しい運行管理システムの導入
 運行管理システムとは、列車の進路を自動制御するとともに、臨時列車などのダイヤをコンピューター上で管理する機能や、ダイヤにあわせて自動的にお客様へ案内する機能も持ち合わせたシステムです。
 新しいシステムのポイントは4つあります。
 1つ目は、操作性と応答性が向上し、特に、ダイヤが乱れた時にダイヤの回復を早期化できる点です。
 2つ目は、このシステムは指令員訓練装置にもなっており、シミュレーションを行うことで指令員の異常時対応能力を向上させることができる点です。
 3つ目は、駅の発車標や自動放送を充実させ、お客様への案内レベルを向上させる点です。発車標については、現在35駅中16駅に設置していますが、残る19駅にも整備し、阪和線全駅で遅れ時分が表示できるにします。また、駅によっては、発車標でご案内できる列車の数が少ないので、より多く案内できるものにしていきたいと考えています。さらに、駅係員も列車遅れ時分をご案内できるように、運行情報を確認できる機器を配備し、お客様案内のレベルアップを図ります。
 4つ目は、保守作業行う際の手続きをシステム化し、保安度を向上させることができる点です。

運行管理システムの更新 発車標・運行情報表示装置

 (2) 折返し設備の新設・拡充
 鳳駅、東貝塚駅、熊取駅の3駅で、新たに列車が折り返しできる設備を整備します。
 例えば鳳駅では現在、和歌山方面への折り返し設備はありませんが、新たに2ルート整備するほか、天王寺方面については、現在1ルートあるものの、十分ではないため新たに2ルート整備し、3ルートとします。これら3駅での整備が完了すれば、鳳〜熊取駅間で輸送障害が発生した場合でも、鳳から天王寺方面へは1時間に8本、熊取から和歌山方面へは1時間に4本、それぞれ折返し運転が可能となります。
 こうした折り返し設備の充実により、運転再開が早くなるとともに、ダイヤの回復も早くなる効果が期待できます。

鳳駅の折返し設備の新設・拡充

 (3) 踏切長時間鳴動対策
 現在、駅によっては、列車が到着する前から、駅のホームのさらに先にある踏切が鳴り始め遮断機が降りてそのままになる場所があります。その後、列車が駅を発車してその踏切を通過するまで鳴り続ける状態になるのですが、輸送障害が発生して長時間列車を駅に停車させなければならない場合には、長時間鳴りっぱなしとなる場合があります。
 そこで、こうした場合でも遠隔制御で信号を操作することにより確実に列車を止めつつも、その先の踏切でお待ちいただくことの無いよう遮断機を上げることができないか、検討してまいりました。高架化を予定している東岸和田駅付近の4つの踏切を除き、天王寺〜日根野駅間の全ての踏切で輸送障害発生時に踏切長時間鳴動対策をいたします。

踏切長時間鳴動対策

 (4) 東岸和田駅付近の高架化
 平成28年度内に供用を開始する予定で進めております。ここには7つ踏切がございますが、高架化により踏切自体がなくなります。

(イメージ)高架化後の東岸和田駅

 以上の4つの取り組みの今後のスケジュールは次の通りです。
 ・新しい運行管理システムは今月28日から使用開始予定
 ・折返し設備の新設・拡充については10月に熊取駅、11月に東貝塚駅、12月に鳳駅で使用開始予定
 ・踏切長時間鳴動対策については平成26年4月以降順次実施予定
 ・東岸和田駅付近の高架化については平成28年度内の使用開始予定

 こうした取り組みを少しずつ進めながら、お客様にご迷惑をお掛けしないよう、引き続き輸送品質の向上を図っていきたいと考えております。

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