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ニュースリリース

2013年7月22日
経営関連

7月定例社長会見

詳細

1 最近の営業・輸送状況
 (1) 運輸取扱収入の状況
  6月の運輸取扱収入は、前年比102.2%でした。4月、5月と徐々に上向いてきており、この水準まで来たという状況です。中長距離券は、海の日の3連休を含む7月分の前売りきっぷの発売が好調で、前年比101.0%と前年実績を上回りました。近距離券は、前年比104.9%と大変好調ですが、これは「グランフロント大阪」や「あべのハルカス」といった大型商業施設開業によるご利用増などが要因と考えております。定期券は、購入時期のズレにより、前年比102.1%と前年実績を上回りました。
 7月につきましては、3連休が残念ながら天候不順でしたが、21日までの時点では好調に推移しております。中長距離券は、8月ご利用分の前売りきっぷの発売が好調で、近距離券についても引き続き、好調を維持しております。

○運輸取扱収入の状況(前年同日比)
対象期間 収入計 近距離券 中長距離券 定期券
6月 102.2% 104.9% 101.0% 102.1%
7月(21日まで) 102.0% 104.8% 102.5% 98.3%

 ※注釈 駅などでの取扱高を示します。
 ※注釈 直営の速報値です。

 (2) 新幹線・在来線特急・アーバンネットワークのご利用状況
  ご利用状況についても、運輸取扱収入と同様の状況です。
 6月は、新幹線が前年比102%、在来線特急が前年比104%でした。ただ、昨年の4月、5月のご利用が大変好調であった反動で今年度は少し低調に推移しておりましたので、第1四半期累計では新幹線が前年比101%、在来線特急が前年比102%程度だと考えていただければと思います。

○ご利用状況(前年同日比)
対象期間 新幹線 在来線特急 アーバンネットワーク
6月 102% 104% 105%
7月(21日まで) 101% 102% 103%

 ※注釈 7月の数値は速報値です。

2 「逸脱防止ガード敷設運搬車」の新製投入について
 
平成16年の新潟県中越地震での新幹線脱線を受け、国が設置した「新幹線脱線対策協議会」において、「被災箇所への進入防止対策」「構造物対策」「脱線後の減災対策」の3点について議論が進められてきました。当社では、「被災箇所への進入防止対策」として、早期地震検知警報システムの充実といった地震計による観測体制の強化を、「構造物対策」としては高架橋をはじめとする耐震補強対策を、「脱線後の減災対策」としては「逸脱防止ガード」の整備を進めてまいりました。

逸脱防止ガード

 「逸脱防止ガード」とは、線路の内側に敷設し、車両が脱線しても車輪がガードにあたることで、大きく逸脱して被害が拡大することを防止するものです。現在の計画では、新大阪〜姫路駅間の上下線、合わせて166キロメートルのうち、トンネル区間などを除いた約110キロメートルについて、平成27年度までに整備することとしております。この「逸脱防止ガード」の敷設にあたっては、敷設箇所を選定して夜間にその箇所まで運び、作業を行うわけですが、これまでは手作業で行っていたため、1日あたり約120メートルしか施工できませんでした。そこで、現場の声を踏まえ、当社の専門チームと運搬車などの機械設備を開発する業者とで、「逸脱防止ガード敷設運搬車」を共同開発いたしました。これにより、1日あたりの施工距離が約500メートルに拡大し、作業効率が約4倍に向上しました。今年3月に導入し、4月から同車を活用した本格的な設置作業を実施しております。なお、開発費用は約4億3千万円です。

 ※注釈 逸脱防止ガード運搬車 解説VTRについてはこちらをご覧ください。

「逸脱防止ガード」従来の敷設作業

 「逸脱防止ガード敷設運搬車」を活用した設置作業

 「逸脱防止ガード敷設運搬車」は、敷設のための材料や「逸脱防止ガード」そのものを運搬する搬送台車2両と、設置作業を行う敷設台車1両を、2両の軌道モータカーでけん引する編成となっております。設置箇所によってガード材料の形状が異なりますが、搬送台車の中で、さまざまな形状のものから使用するガード材料を自動で選び出し、電磁石を利用して移動させます。その後、コンベアで敷設台車までスライドさせ、自動で調整された設置位置に取り卸す仕組みです。こうすることで、取り卸し作業の安全性や敷設作業の効率性が大きく向上するものと考えております。

「逸脱防止ガード敷設運搬車」の編成

3 紀勢線における津波避難誘導のさらなる取り組みについて
 (1)紀勢線津波避難誘導の取り組み
 当社は、これまでも紀勢線の津波対策として、ハード、ソフト両面でさまざまなことに取り組んでまいりました。そのひとつとして、和歌山県のハザードマップをもとに、浸水区間を想定して避難地図を作成し、それをもとに避難誘導標の設置や地元と一体となった訓練などを行ってまいりました。

(2)避難支援アプリの開発
 しかし、この避難地図に関して、乗務員から「地図を何枚も携帯しなければならない」「緊急時に必要な地図を探し出すのに時間がかかる」「夜間は明かりがないと地図が見えない」といった声が上がっておりました。そこで、乗務員の業務用携帯電話に専用アプリをインストールし、それによってお客様をよりスムーズに避難誘導できるようにいたしました。

 ※注釈 津波避難アプリ(スマートフォン)を活用した迅速な避難誘導についてはこちらをご覧ください。

 具体的には、紀勢線沿線の地図をあらかじめ登録しておき、GPS機能により現在地と照合して使用いたします。これによって、自治体などで指定されている避難箇所までの最短ルートを確認し、避難誘導することができます。また、GPS機能を活用したものですので、携帯電話回線が使用不能な場合でも地図を表示できるという点に特色があります。迅速に避難ルートを確認できることに加えて、歩きながらでも誘導できること、操作も簡単で、夜間でも視認性が良いということで効果があるのではないかと考えております。
 今年7月以降、白浜以南を乗務する乗務員を対象に、必要な教育が終了次第、順次使用を開始しております。対象者は約350名で、7月末までに教育が終了する見込みです。
 津波の問題は大変切実で、現場の社員も沿線を歩いて地形を確認するなどしております。今後も、そうした中から出てきたアイデアや提言などを大事にし、最近の技術開発の成果などと組み合わせて活用できるようにしてまいりたいと考えております。

 アプリの概要1

アプリの概要2

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