4月定例社長会見
4月13日に発生しました、淡路島付近を震源とする地震に対しまして、安全確保の観点から設備の確認を行いましたが、運転再開までに時間を要したこと、その後の徐行運転や間引き運転などで運行本数が少なくなり、当社をご利用のお客様に大変ご迷惑をおかけする結果となりました。大変申し訳ございませんでした。
現在、地震後の対応につきまして、さまざまな角度から検証を行っている最中であります。今回の対応の課題等につきましては、今後の対応に生かしてまいりたいと考えております。
また、4月11日、梅田信号場構内の西梅田一番踏切において、踏切の遮断棒が降下しなかった事象が発生いたしました。梅田貨物ヤードからの切り替えに伴う構内の信号系統の改修工事を行った結果、発生させてしまったものでありますが、踏切の保安は大変重要な問題であり、大事故につながりかねない事象です。皆さまに大変なご心配をおかけしたことについて、深くお詫び申し上げます。
原因を徹底的に究明した上で、再発防止に努めてまいりたいと考えております。
1 最近の営業・輸送状況
(1) 運輸取扱収入の状況
3月の収入計は対前年比104.2%でした。春休み以降のご利用が大変好調であったことや4月ご利用分の前売りの発売が好調に推移したことなどにより、近距離券、中長距離券、定期券ともに前年実績を上回りました。24年度累計での収入計は対前年比102.0%でした。近距離券も対前年比103.1%と大変好調でした。
4月は15日までの実績で、合計で対前年比100.0%ですが、ゴールデンウィークの前売りきっぷの売れ行きが好調に推移しております。昨年に比べ曜日配列に恵まれているわけではありませんが、ご旅行の傾向として国内志向であるようで、私どもも、ゴールデンウィーク期間中は臨時列車を含め前年を上回る座席数をご用意しており、前年を上回るご予約をいただいております。
これに伴いまして、ゴールデンウィーク期間に新幹線の臨時列車を4本追加して運転します。5月2日に新大阪13時22分発の鹿児島中央行き「さくら」号、5月3日、4日に新大阪9時15分発の博多行き「ひかり」号、5月6日の広島12時28分発の東京行き「のぞみ」号です。ゴールデンウィーク期間中のご予約をたくさんいただいていますので、私どももしっかりと運行し、お応えしたいと思っています。
※注釈 5月のゴールデンウィーク期間中の新幹線追加臨時列車の運転についてはこちらをご覧ください。
対象期間 | 収入計 | 近距離券 | 中長距離券 | 定期券 |
---|---|---|---|---|
3月 | 104.2% | 105.0% | 103.0% | 106.7% |
24年度累計 | 102.0% | 103.1% | 102.4% | 100.0% |
4月(15日まで) | 100.0% | 100.2% | 101.7% | 98.1% |
※注釈 駅などでの取扱高を示します。
※注釈 直営の速報値です。
(2) 新幹線・在来線特急・アーバンネットワークのご利用状況
3月は、新幹線・在来線特急・アーバンネットワークのご利用状況も、運輸取扱収入と同様の傾向です。
4月は15日までの実績ですが、新幹線のご利用状況が対前年比98%となっております。この原因の1つとして、曜日配列が考えられます。曜日が前年とずれておりますので同じ曜日で比較いたしますと101.6%となります。収入と同様、好調に推移していると考えられます。しかし、新幹線・在来線特急・アーバンネットワークのいずれも、4月6、7日の爆弾低気圧の影響と13日の地震の影響はあったものと考えています。また、アーバンネットワークにつきましては、桜の開花時期が昨年より早まり3月となったことにより、その差が出ていると考えられます。
対象期間 | 新幹線 | 在来線特急 | アーバンネットワーク |
3月 | 102% | 101% | 103% |
24年度累計 | 103% | 103% | 101% |
4月(15日まで) | 98% | 97% | 98% |
※注釈 4月の数値は速報値です。
2 福知山線列車事故追悼慰霊式の開催について
4月25日で福知山線列車事故を惹き起こしましてから8年が経過いたします。
あらためて、お亡くなりになられた皆さま方のご冥福をお祈り申し上げますとともに、心よりお詫び申し上げます。また、ご遺族様、おけがをされた皆さまとそのご家族の皆さまに対しましても、あらためて心よりお詫び申し上げます。
私にとりましては、社長就任後初めての追悼慰霊式となりますが、例年と同じように、厳粛な気持ちでこの日を迎え、当社が惹き起こしましたこの事故の重大性をあらためて認識するとともに、二度とこうした重大事故を惹き起こさないという決意を社内で共有したいと思います。また、グループをあげまして、先般発表いたしました「安全考動計画2017」の到達目標をきちんと達成できるように全力をあげて取り組んでまいりたいと考えております。
3 ホーム上の安全対策について
ホーム上の安全の問題につきましては、これまでホームからの転落防止対策として通過線へのホーム柵整備やCPライン整備(転落防止対策としてのホーム縁端部の塗装)などさまざまな施策を実施してきております。また、予定した駅へのホーム非常ボタンの整備などにつきましては、完了いたしております。
さらに、ホーム上の混雑緩和対策につきまして今回ご紹介いたします。すでに平成23年12月20日にも、尼崎駅での混雑緩和対策を発表しています。ホーム上の混雑は、安全性の問題とともに列車運行上の遅れにつながることもあるため、尼崎駅ではホームへのアクセスルートの増設工事を進めています。
尼崎駅改良図
今回は、高槻駅での安全対策ですが、駅改良工事を行うことによりホーム上の安全対策を実施したいと考えております。高槻駅は現在、快速と新快速が同一ホームに到着しますため、ラッシュ時にはホーム上が非常に混雑いたします。このような状況から、改良工事により、新快速と快速の到着ホームを分離すべく、新たに外側に上りと下りのホームを新設いたします。階段やエスカレーターなどについても整備してまいります。
なお、平成28年春の使用開始をめざして工事を開始するということで、高槻市様と合意に至っております。