きのくに線 回送電車のEB装置(緊急列車停止装置)が機能しない状態で走行した事象について
1 発生日時
平成25年1月29日(火曜日) 午後0時43分ごろ
2 発生場所
きのくに線(紀勢線) 稲原(いなはら)駅〜印南(いなみ)駅間
3 列車名
上り回送電車 2両編成 乗客数:無し
和歌山駅(11時28分)発 紀伊田辺駅(13時12分)行
車種:105系電車(きのくに線、和歌山線で普通電車として使用)
4 概況
1月29日午後0時43分ごろ、当該回送電車の運転士は、走行中にEB装置の動作を知らせるブザー音が鳴動しないことに気付き、印南駅で機器点検をしたところ、「速度検出器」のブレーカーが「切」となっていました。
その後、ブレーカーを「入」とし、印南駅から追加で乗務員を添乗させ、車両基地まで運転しました。
・「速度検出器」とは、車軸の回転から車両の走行速度を判定する機器のことです。
※注釈 運転台にある速度計とは別の回路です。
・「EB装置(緊急列車停止装置)」とは、保安装置のひとつで、運転士が運転機器操作を60秒間行わなかった場合にブザーが鳴動し、さらに5秒間何もしなければ自動的に非常ブレーキが動作します。
・その他の運転機器、保安装置には異常はありません。
・この事象による速度超過はありません。
・回送電車のため、ご乗車のお客様はいらっしゃいません。
5 原因
・速度検出器のブレーカーが切れたことにより、EB装置が動作しなかったためです。
※注釈 EB装置は、車両が走行中に動作するため。
・速度検出器のブレーカーが切れた原因は、28日に車両基地内で電源が入った車両を電源の入っていない車両に連結した際に過電流が生じたためと思われますが詳細は調査中です。
6 対策
速度検出器のブレーカーを緊急点検し、同条件での作業は実施しないこととしました。