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ニュースリリース

2012年12月19日
経営関連

12月定例社長会見

詳細

 今年も残すところ10日余りとなりました。今年もたくさんの出来事がありましたが、現在、年末年始について昨年を上回るご予約をいただいております。年末年始の安全・安定輸送に向けて総点検を実施しながら、お客様に快適な鉄道でのご旅行をしていただけるよう、しっかり取り組んでまいりたいと考えております。
 ここ最近の交通関係のニュースでは、中央道笹子トンネル天井板崩落事故の発生がありました。当社においても、トンネルの問題につきまして、平成11年にコンクリート剥落事故を2件発生させ、皆さま方には大変なご迷惑をお掛けいたしました。この剥落事故の発生により、山陽新幹線の全142トンネルにおいて、52日間でコンクリート全般の打音検査を実施し、徹底的に点検いたしました。また、この剥落事故を受けて、当時の運輸省は「トンネル安全問題検討会」を設置しました。検討会の提言に基づいて、点検の方法を定め、従来実施していた2年以内ごとに目視中心で行う「通常全般検査」に加えまして、構造物の初期状態を目視と打音検査によって行う「初回検査」を実施いたしました。以来、「特別全般検査」という検査を、新幹線につきましては10年ごと、在来線につきましては20年ごとに実施すると定めております。10年ごとと申しましても、10年以内にすべての工程を行うというルールで行ってきております。
 コンクリート問題につきましては、新幹線は剥落事故当時の「初回検査」と10年ごとの「特別全般検査」が終わり、現在3回目の検査に入っております。在来線につきましては、「初回検査」を終え、次の検査に入っている状態であります。
 その他に、従来から行っております2年に1回の通常検査において、新しい機器「トンネル覆工表面撮影車(SATUZO)」も導入し、実施しております。
 今後も、専門家や国土交通省によるご指導を踏まえ、当社としてトンネルの安全対策に万全を尽くしていきたいと考えております。 

1 最近の営業・輸送状況
(1) 運輸取扱収入の状況
 11月の運輸取扱収入につきましては、前年比102.7%と前年実績を上回りました。中長距離券が好調でしたが、勤労感謝の日を含む3連休のご利用の増や、山陰デスティネーションキャンペーンに伴うご利用増などによるものです。近距離券につきましても同様に、3連休によるご利用増、エキマルシェ大阪の開業、阪急百貨店の開業効果などにより、前年比103.2%となりました。
  12月は18日までの実績ですが、近距離券において週末のご利用が好調だったことから前年比100.3%と前年実績を上回りました。

○運輸取扱収入の状況(前年同日比)
対象期間収入計近距離券中長距離券定期券
11月 102.7% 103.2% 104.3% 97.1%
12月(18日まで) 100.3% 102.0% 99.0% 104.0%

※注釈 駅などでの取扱高を示します。
※注釈 直営の速報値です。

(2) 新幹線・在来線特急・アーバンネットワークのご利用状況
 11月は、在来線特急が108%と好調であり、12月は18日までで、在来線特急は天候不順により北陸線などで運転を取り止めたことがありましたため、前年実績を少し下回っております。 

○ご利用状況(前年同日比)
対象期間新幹線在来線特急アーバンネットワーク
11月 106% 108% 103%
12月(18日まで) 99% 96% 101%

 ※注釈 数値はすべて速報値です。 

2 京都・梅小路エリアでの鉄道博物館計画について

 ※注釈 新鉄道博物館のイメージ映像についてはこちらをご覧ください。

 鉄道の歴史は、世の中の変遷・歴史と共に歩んできたものであり、時代を反映しております。先人達の努力によって鉄道網は日本全国に整備されました。当社も国鉄から生まれ変わって25年、鉄道の再生を課題として取り組んでまいりました。
 この鉄道博物館では、明治時代以降の保存品を展示し、50両ほどの特に歴史的価値の高い車両を展示いたします。当社としては、展示物をご覧になっていただくだけではなく、触っていただいたり、体験していただくということに力点を置いた博物館にしていきたいと思っております。
 当社は「地域との共生」を大事にしたいと考えております。また、地域の活性化へ貢献していくことが大事であると考えております。地域経済・文化の発展に貢献できる企業となれるよう、先人達の偉業を継承し、こうした歴史を後世に伝えてまいりたいと考えております。

新鉄道博物館 全景外観(イメージ図)

新鉄道博物館 エントランス外観(イメージ図)

展示車両「本館配置イメージ」

 このようなことから、鉄道博物館のコンセプトは「地域と歩む鉄道文化拠点」とさせていただいております。
 場所は、梅小路公園の一部にあり、隣には今年3月にオープンしました京都水族館があります。距離的にも200メートル強と近い距離にあり、京都水族館がオープンしてから梅小路蒸気機関車館の入館者も5割程度増えております。当社としましては、鉄道博物館の新設により、人の流れをより盛んにしたいと思っています。京都のみならず関西全体を盛り上げるために、人が訪れていただける拠点が必要です。関西全体の活性化に寄与できればと考えております。
 収蔵車両につきましては、50両程度を予定しており、日本最大級の収蔵車両数となります。特にSL 23両を一箇所に収蔵しているのは国内では梅小路だけでございます。また、動態保存している「スチーム号」というSLにご乗車いただけることが大きな特徴です。
 さらに、この博物館は、営業路線に隣接していることを生かし、梅小路の構内留置線を館内に引き込む計画をしております。実際に走行している営業車両そのものを引き込んで臨時に展示することができるのが特徴です。これによって、ご来館いただくたびに新たな発見、感動をしていただけると考えています。
 また、引き込み線から入った館内は、車両工場をイメージして屋根上点検通路を設け、この通路から普段見ることのできない車両の屋根上を間近で観察することができます。また、電気機関車を持ち上げて展示し、機関車の下部構造を下から実際に見ていただくことができます。

車両工場・営業車両等の展示

 この鉄道博物館は体験を重視したことも特徴であります。体験展示の一例を申しますと、「台車とばね」を使った体験があります。台車がどういう構造かを実際に乗って動かして体感していただけます。

台車とバネ

 また「運転シミュレーター」につきましては、在来線と新幹線で現在使用している乗務員の訓練用運転シミュレーターを展示し触れていただけないかと検討しております。お子様には子ども用の制服を貸し出し、乗務員になりきって体験いただくことも考えております。

運転シミュレーター

 その他に車両連結装置やパンタグラフなどの模型を使用して、車両の連結作業やパンタグラフを上げる体験をしていただけるよう考えています。

 開業は平成28年の春を予定しております。事業費につきましては約70億円です。
 この鉄道博物館は鉄道車両そのものを楽しんでいただけると思っています。さらに、鉄道の歴史、鉄道技術の発達の歴史、車両の歴史などさまざまなことが学べる鉄道博物館を目指しております。
 鉄道の造詣が深い方から歴史や機械にご興味のある方、またお子様にも学びながら楽しんでいただき、新たな気付きや感動を発見したり体験していただきたいと考えております。

 オープンまでには、まだまだ勉強を重ね、できるだけ地域の方やご来館いただく方に喜んでいただける工夫をしていかねばならないと考えています。
 現時点で、梅小路蒸気機関車館と弁天町の交通科学博物館を合わせ、年間約60万人のお客様にご来館いただいております。この鉄道博物館開業後は、年間約80万人のお客様にご来館いただけるよう目指したいと考えておりますので、ご期待いただければと思います。

 ※注釈 「2016年(平成28年)春、京都・梅小路エリアに新たな鉄道博物館が開業します」についてはこちらをご覧ください。

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