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ニュースリリース

2012年10月19日
経営関連

10月定例社長会見

詳細

1 最近の営業・輸送状況
(1) 運輸取扱収入の状況
 8月は前年比99.0%(確定値)と今年度において初めて前年を下回りましたが、9月は前年比100.8%と前年実績を上回ることができました。中長距離券につきましては、9月の3連休が1回少なかったことや月末に台風17号の上陸がありまして、その影響で前年実績を下回りました。近距離券につきましては、月末に台風17号がありましたが、土休日が1日多かったことがありまして、前年実績を上回りました。定期券につきましては、8月31日が金曜日で週の始まりが9月3日であったことから、購入時期が9月にずれ込んだことなどの影響で前年実績を上回りました。
 10月は、18日までの実績で前年比99.9%で、少し100%を割っています。特に近距離券につきましては、曜日配列において昨年は休日が2日多かったという影響があり、前年実績を下回り97.3%となっています。

○運輸取扱収入の状況(前年同日比)
対象期間収入計近距離券中長距離券定期券
9月 100.8% 104.5% 98.5% 102.6%
10月(18日まで) 99.9% 97.3% 100.2% 100.8%

※注釈 駅などでの取扱高を示します。
※注釈 10月は直営の速報値です。

(2) 新幹線・在来線特急・アーバンネットワークのご利用状況
  9月のご利用状況は、新幹線は対前年比99%で、9月の3連休が1回少なかったことや月末の台風17号の影響等がございました。在来線特急は、昨年豪雨により運休していました「きのくに線」の反動増があり、昨年実績を上回っています。
  10月は18日までの実績で、新幹線は対前年比98%ということで、やや平日のご利用が低調なことが影響しています。在来線特急は100%、アーバンネットワークは、収入同様に休日数が昨年より少ないことから96%となっています。

○ご利用状況(前年同日比)
対象期間新幹線在来線特急アーバンネットワーク
9月 99% 104% 104%
10月(18日まで) 98% 100% 96%

 ※注釈 10月の数値は速報値です。 

2 「フラワーアートミュージアム2012」 
 当社は、大阪ステーションシティ開業以降、大阪ひいては関西の魅力向上のため、玄関口であります大阪駅、特に「時空(とき)の広場」でさまざまな仕掛け作りを行っています。開業から1年半を迎えた現在も、梅田地区の新たなまちづくりが進んでいます中で、当社は今後も賑わい創出につながるさまざまな取り組みをしてまいりたいと考えています。
 この「フラワーアートミュージアム2012」は、「時空の広場」におきまして、色とりどりの7色35種類、計2万ポット以上の花で埋め尽くしました巨大な花壇を作ろうということでございます。10月29日(月曜日)から11月11日(日曜日)まで2週間限定で開催いたします。駅は日常生活の一部としてお使いいただいていますが、四季折々の花でいっぱいにすることで非日常の時間と空間を過ごしていただけるように、視覚的な面で演出し、梅田地区の賑わいに貢献したいと考えております。これは、安藤忠雄先生が「まちの顔である大阪駅を賑やかにしたい」という熱い思いを持っておられまして、これが当社の思いと一致しましたので、今回のイベントが実現に至りました。
 今後につきましても、大阪ステーションシティを訪れていただきましたお客様に、“新しい発見”と“感動”を感じてもらえるような場所に育てていきたいと考えております。この「フラワーアートミュージアム2012」が、大阪ステーションシティの風物詩になればと思っているところでございます。

「フラワーアート」

 オープニングセレモニーは10月29日にございまして、安藤忠雄先生にご出席いただき、除幕式・テープカットを行いたいと思います。
 なお、最終日には、大阪ステーションシティで期間中にお買物していただいたお客様がレシートをご持参いただければ、花壇のお花をプレゼントいたします。期間中、少しでも多くの皆さまにお越しいただいて、梅田地区の賑わい創出にご協力いただければと思います。

 なお、この期間内ですが、10月31日には大阪駅構内に新たな商業施設「エキマルシェ大阪」が開業いたします。こちらは、「大人のみちくさ」をコンセプトとしており、日常の中でご利用いただければと考えております。

「フラワーアート ミュージアム 2012」のプレスリリースはこちら

3 食料等の備蓄について
 これまで自然災害等がございました時、お客様が列車内で長時間運転再開をお待ちいただく場合がございました。そうした場合に食料などを緊急手配して提供する場合がございました。特に、北陸・山陰エリアでは、雪害により運転再開をお待ちいただく場合に備え、食料等の備蓄を実施しております。昨年の東日本大震災の際には、首都圏で多くの帰宅困難者の問題が発生いたしました。
 大規模な自然災害発生時における鉄道会社の使命といたしまして、公共交通として早期復旧するという使命がございますが、一方で東日本大震災の事例に鑑みましても、避難場所へ誘導させていただくまで一時的に駅や列車内で待機される方々への救援措置として、従来の緊急手配に加え、一部エリアで実施していました食料などの備蓄を当社全エリアで実施することを決めましたのでお知らせします。

 内容としましては、当社エリアの新幹線・在来線主要58駅に、合計約5万食の飲料水・食料を備蓄するというものです。
 1人あたり1食分として、飲料水(500ミリリットルペットボトル)と非常食(保存用ビスケット:5年保存可能)1袋を用意します。さらに、お子様や高齢者を対象に、保温シート約19,000枚も配備いたします。列車の運行状況等を考慮しつつ、駅や列車内でお待ちいただくお客様にご利用いただければと考えております。
 南海トラフ巨大地震を想定し、山陽新幹線のぞみ停車駅の10駅、京阪神主要6駅、和歌山支社管内主要7駅に重点を置きながら、従来の雪害なども考慮して北陸、北近畿、山陰地区に配備いたします。今年度中に配備する予定であり、雪害に備え、北陸と山陰の主要駅にはすでに配備が終わっておりますが、できるだけ今年度中の早い時期にすべての配備を終えたいと考えております。
 この帰宅困難者対策にはさまざまな問題がございますが、食料備蓄の問題につきましては、今後、地域全体で取り組むことが必要で、帰宅困難者対策協議会の枠組みを通じて行われることが望ましいと思っておりますが、今回の対策は、当社といたしまして、一時的であるにせよ、当社のお客様に鉄道事業者としてできる範囲のことを準備していこうという取り組みでございます。

保存用ビスケット、保存水

金・銀レスキューシート

3 当社、スペイン国鉄(Renfe)、スペイン鉄道インフラ管理機構(Adif)との連携協定調印式を終えて
 
先月の会見でお知らせいたしましたとおり、9月24日、上下分離しておりますスペインの国鉄AdifとRenfeという会社と当社との間で連携協定の覚書の調印式を行うため、マドリードまで行って参りました。調印式を、スペインの鉄道財団が所有しておられるフェルナン・ヌニェス宮において、執り行わせていただきました。
 スペイン国鉄は非常に積極的に高速鉄道網を整備しようと取り組んでおられますが、国鉄として国民の利便性を提供していく使命を担っているというお話、あるいは、短期間にすでに世界に誇れるような高速鉄道ネットワークを構築していること、さらにそれにより高速鉄道関連の優秀な企業群が育っているといったお話を伺いました。当社を含めた日本の鉄道事業者と比較しまして、環境や考え方の違いはありますが、両国の鉄道ともに地域の繁栄を考え、幅広い分野で協力していくことをお互い確認することができました。
 この機会に、マドリードからセゴビアまでの片道約30分の往復区間を運転台に添乗させていただき、行きと帰り2種類の異なるフリーゲージトレインで、ゲージの変換の様子あるいは走行の様子などを見せていただきました。また、バルセロナまでの往復で別の列車を利用させていただきましたが、非常に近代化されていると感じましたし、岩盤がしっかりしておりますので非常に車内が静かで、乗り心地も良いと感じました。また車内のサービスにつきましても、立派なサービスができていると感じました。
 調印式には当社の技術部、車両部、施設部の技術者も同席し、その後、両社を訪問させていただき、フリーゲージの設備および車両についてこちらの質問に対してご説明をいただきました。
 スペインの鉄道は、高速鉄道が標準軌、在来線がさらに広い広軌と規格が日本とは違います。その分、車両も日本よりも重く、スペインの技術をそのまま日本に適用できるわけではありません。当社では、もう少し小型化や軽量化を図る必要があります。しかし、フリーゲージの設備をとりましても、融雪装置やゲージ変換の際に水あるいは油をかける散水システムなど設備上のオペレーションやメンテナンスの手法について大いに参考にできるところがあると感じました。
 今後、3社の間で、さまざまな意見交換あるいは交流をしてまいりたいと考えております。

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