5月定例社長会見
1 最近の営業・輸送状況
(1) 運輸取扱収入の状況
4月の収入計は対前年比109.9%と、12カ月連続で前年実績を上回りました。中長距離券につきましては、東日本大震災による前年の減収の反動増やゴールデンウィーク期間にご利用いただく分の前売りの売り上げ増により大変好調であり、前年実績を大きく上回りました。近距離券につきましても同様に、東日本大震災による減収の反動増や大阪ステーションシティの開業効果などによりまして、前年実績を大きく上回りました。対前々年比で見ますと、近距離券が102.7%、中長距離券が107.7%となっており、前々年比との比較においても大変好調となっております。
5月は22日までの実績で、対前年比104.1%です。4月同様に東日本大震災による減収の反動増やゴールデンウィークのご利用増などにより、前年実績を上回っております。
対象期間 | 収入計 | 近距離券 | 中長距離券 | 定期券 |
---|---|---|---|---|
4月 | 109.9% | 105.2% | 116.0% | 103.1% |
5月(22日まで) | 104.1% | 102.5% | 105.8% | 100.7% |
24年度累計 | 106.0% | 104.3% | 108.8% | 101.9% |
※注釈 駅などでの取扱高を示します。
※注釈 5月、24年度累計は速報値です。
(2) 新幹線・在来線特急・アーバンネットワークのご利用状況
新幹線、在来線特急ともに、東日本大震災による出控えの反動増などにより前年実績を上回りました。アーバンネットワークにつきましては、大阪ステーションシティ開業効果などにより、前年実績を上回りました。5月も同様の傾向が続いており、新幹線、在来線特急ともに前年実績を上回っております。
次に、九州新幹線のダイヤ改正後のご利用状況ですが、3月17日のダイヤ改正では「みずほ」「さくら」の増発を実施しておりますが、ダイヤ改正後の5月22日までの小倉〜博多駅間のご利用状況は対前年比107%と引き続き好調に推移しております。
対象期間 | 新幹線 | 在来線特急 | アーバンネットワーク |
---|---|---|---|
4月 | 116% | 112% | 104% |
5月(22日まで) | 107% | 107% | 100% |
※注釈 5月の数値は速報値です。
2 東海・東南海・南海地震(三連動地震)に備えた地震・津波対策について
これまでも地震・津波対策を行ってきましたが、本日は東海・東南海・南海地震に備えた地震・津波対策についてお話しさせていただきます。
阪神淡路大震災以降、当社では、新幹線の高架橋柱、橋梁、トンネルなどを中心に耐震補強対策を行ってまいりました。また、列車の線路からの逸脱防止対策や地震計の観測体制強化などを順次進め、揺れが列車に到達する前に減速あるいは停車をさせる、あるいは脱線・逸脱をさせないための対策も進めてまいりました。
昨年3月の東日本大震災で鉄道構造物に被害が生じたことや、津波発生時の早期避難の必要性が明らかになったことを踏まえ、構造物の一層の耐震補強対策を推進し、津波からの避難設備の充実などについて検討してまいりたいと考えております。現在すでに、耐震補強対策を進めており、それを継続するとともに、今後発生が予想される三連動地震に備えた耐震補強対策の実施と、特に紀勢線の津波対策に力を入れたいと考えております。
(1)対策実施期間
耐震補強対策については、自社で整備できるところは概ね5年間程度で完了し、高架下をご利用されている関係者との協議を要するところは概ね10年を目途に進めてまいりたいと考えております。なお、紀勢線津波対策については概ね2年間で完了したいと考えております。
(2)対策費用
対策費用については、概算で総額約1,000億円となります。内訳は、新幹線が約500億円弱、在来線が約500億円強です。
現在実施している対策を進めつつ、新たな対策の早期の完了を目指してまいります。
※注釈 東海・東南海・南海地震(三連動地震)に備えた地震・津波対策についてはこちらをご覧ください。
3 大阪駅「ギャレ大阪」跡地の開発について
平成23年3月31日に大阪駅の商業施設「ギャレ大阪」を閉館し、跡地利用を検討してまいりました。今回新たに「エキマルシェ大阪」という名称で、平成24年10月下旬頃に開業することを決定いたしました。「エキマルシェ」と称する施設は宝塚駅にすでに開業しておりますが、「エキマルシェ大阪」はさらに大きな規模で、本格的な駅構内の商業施設として開発していきます。「駅を日常的にご利用されるお客様のニーズにお応えする」ことをコンセプトに掲げ、安心感や利便性とともに、楽しさや発見を提供するデイリーニーズの一番店を目指してまいります。施設に直結する改札口も設置し、お客様の利便性に配慮した配置にしたいと思います。
昨年度開業したノースゲートビルディング、サウスゲートビルディングの各商業施設などとの相乗効果を発揮し、大阪ステーションシティの魅力をさらに高めていけるような店作りを考えていきたいと考えております。
なお、店舗数は約80店舗を予定しておりますが、詳細な店舗概要や具体的な開業日などにつきましては、8月下旬頃に運営主体となるグループ会社からお知らせする予定です。