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ニュースリリース

2011年12月16日
経営関連

12月定例社長会見

詳細

 1 平成23年を振り返って
 まず、今年の大きな出来事として東日本大震災の発生があり、被災された皆様は大変なご被害を受けられました。当社においても、鉄道事業だけでなくグループ全般にわたり影響を受けました。電車のモーターに使用する部品であるカーボンブラシの不足により、一時期、間引き運転を行いました。ご利用いただくお客様には大変なご不便をおかけし申し訳なく思っています。また、原発の影響から電力需給の逼迫の問題もあり、当社も、大量に電力を消費することとお客様への影響の二点を考慮しながら、現在でも節電の取り組みを継続しています。

 また、9月の台風12号の影響により、奈良県、和歌山県などでは大きな被害がありました。当社も、紀勢線をはじめ各地で被害を受けました。順次運転を再開し、12月3日に全線運転再開することができました。ただ、地元では観光のお客様の落ち込みが激しく、同じく12月3日から観光キャンペーンを実施しています。特に旅行会社の皆様の強いご協力をいただき、私どもや自治体と一体となって、この元気になるキャンペーンを続けていきたいと考えています。

 また、今年は2大プロジェクトがスタートした年でもあり、3月12日には山陽・九州新幹線の直通運転を開始しました。セレモニーを控え、静かな出発となりましたが、おかげ様で好調を維持しております。来年3月にはダイヤ改正もあり、引き続きお客様の利便性を高める取り組みを継続していきたいと思います。

 一方で、5月4日には大阪ステーションシティが開業しました。想像以上に多くのお客様にお越しいただいており、大阪駅が「ステーション」から「シティ」に変わりつつあることを実感しております。今後も関西を中心とした多くのお客様にご利用いただけるよう取り組んでまいります。この地区の4つのデパートや周辺のお店では、日々厳しい競争を行っておりますが、一方で、これだけの商業集積エリアから発するたくさんの魅力を広く情報発信することで、遠方のお客様にもお越しいただきたいと考えております。今後も、阪急電鉄、阪神電鉄、三菱地所、当社などが中心となって、エリアの魅力を発信するいろいろな取り組みを拡大していきたいと考えています。

 来年についても、「経営の三本柱」、すなわち「被害に遭われた方々に誠心誠意と受け止めていただけるような取り組み」「安全性向上に向けた取り組み」「変革の推進」を継続的に推進していくことが経営の中心です。また、来年度は「安全基本計画」の最終年度です。少しずつ運転事故の件数が減少してきており、手ごたえを感じておりますが、お客様にご迷惑やご心配をおかけする事象や不祥事も発生させております。今一度、安全の重要性を認識し、企業理念や安全憲章に掲げている「お客様のかけがえのない尊い命をお預かりしている責任」を全社員が自覚し、安全意識を定着させ、より安全な会社となるよう努めていくことが目標であり使命であると考えています。

2 最近の営業・輸送状況

○運輸取扱収入の状況(前年同日比)
対象期間収入計近距離券中長距離券定期券
11月 102.3% 100.8% 103.6% 99.8%
12月(15日まで) 105.3% 104.1% 107.2% 98.9%
23年度累計 102.6% 101.3% 103.9% 100.2%

※注釈 駅などの取扱高を示します。
※注釈 12月、23年度累計は直営の速報値です。

○ご利用状況(前年同日比)
対象期間新幹線在来線特急アーバンネットワーク
11月 105% 98% 101%
12月(15日まで) 106% 104% 103%

※注釈 12月の数値は速報値です。

(1) 運輸取扱収入の状況
 11月の直営の運輸取扱収入計は対前年比102.3%、近距離券は100.8%、中長距離券は103.6%、定期券が99.8%となっております。近距離券は6カ月連続、中長距離券は7カ月連続で前年を上回っております。
 近距離券については、多くのお客様が大阪ステーションシティにいらっしゃっていることが大きな要因であると考えております。中長距離券については、在来線は紀勢線の影響もあり、やや振るいませんでしたが、新幹線の収入の伸びが全体としての数字を押し上げたと考えております。定期券については、11月が99.8%、12月は15日までで98.9%となっておりますが、定期券の売り上げは、お客様がお買い上げになるタイミングにより数字が変動するため、年度累計で判断することとしており、今年度累計では対前年比100.2%であることから、特に心配はしておりません。
 また、12月の運輸取扱収入は15日までで対前年比105.3%、近距離券が104.1%、中長距離券が107.2%と大変好調ですが、この中には年末年始ご利用分の前売りの収入も含まれていると考えております。

(2) 新幹線・在来線特急・アーバンネットワークのご利用状況
 11月の新幹線のご利用状況は対前年比105%、在来線特急は98%でした。新幹線のご利用の伸びが全体の数字を上げています。アーバンネットワークは対前年比101%でした。
 また、12月は15日までで、新幹線が対前年比106%、在来線特急が104%、アーバンネットワークが103%となっております。在来線特急が対前年比104%という高い数字となっておりますが、北陸線および湖西線が好調であるためと考えております。

3 平成24年春のダイヤ改正について
平成24年春のダイヤ改正は平成24年3月17日に実施します。
 (1) 新幹線
「みずほ」「さくら」を増発します。
 春のダイヤ改正に向け、10編成の車両を製造しています。当社が保有する車両数はこれまでの9編成とあわせて19編成となり、JR九州の10編成もあわせると29編成となります。増加する10編成をどのように運用するかをJR九州とともに議論してまいりました。
その結論として、直通列車を8往復増発することとなりました。最速達タイプの「みずほ」につきましては1往復増やし5往復に、「さくら」は7往復増やし18往復とします。
 所要時間につきましては、九州新幹線区間内の徐行区間において通常速度で運行できるようになることから、「みずほ」は最速列車で熊本駅まで1分、鹿児島中央駅まで3分短縮し、「さくら」は熊本駅まで2分、鹿児島中央駅まで4分短縮します。所要時間の短縮が安全性を損なうことなく実現できたと考えております。

山陽・九州新幹線 みずほ さくら(新山口〜厚狭) 山陽・九州新幹線 みずほ さくら (新下関〜厚狭)

(2) 在来線特急
特急「くろしお」に新型車両(287系)を投入します。
 主な特徴として、足元空間の拡大、洋式トイレの大型化、女性専用トイレの設置、グリーン車の全座席にパソコン用コンセント設置などがあります。また、安全性につきましても、衝撃吸収構造(車両先頭部に衝撃を吸収する領域を設けることで、衝突時にお客様にかかる衝撃加速度を緩和する構造)や、オフセット衝突対策(車両同士の衝突時に相手方車両を外側に誘導させる構造)を採用しております。
 運行区間については、京都・新大阪〜紀伊田辺・白浜駅間で、当面は4往復を、7月までに7往復を投入したいと考えております。また、特急の名称をすべて「くろしお」に統一いたします。

特急 くろしお

(3) 夜行列車の設定見直し
 寝台特急「日本海」は大阪〜青森駅間を運行しています。昭和25年に運行を開始し、長い期間お客様にご愛顧いただいた列車です。また、急行「きたぐに」は昭和36年に金沢〜新潟駅間の運行を開始し、昭和43年から大阪〜青森駅間を、昭和57年から大阪〜新潟駅間を運転しています。
 この二つの夜行列車の運転を取り止めたいと思います。最大の理由は、お客様のご利用が減ったためです。なお、定期列車としての運転を取り止めますが、お客様のご利用が多い時期には臨時列車として運転する予定です。

寝台特急 日本海 急行 きたぐに

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