取り組みの3本柱のうち「地球温暖化防止・気候変動対策」の対応として環境長期目標「JR西日本グループ ゼロカーボン2050」を策定し、
下記目標を掲げています。
2050年カーボンニュートラルに向けては下記の2軸で取り組んでいます。
※図の下部はイメージであり、特定の割合等を正確に表したものではありません。
主にオフサイトコーポレートPPA(※1)による列車運転用電力への再生可能エネルギー由来電力の導入を進めています。
大阪駅のノースゲートビルディングおよびサウスゲートビルディングは2024年4月から、2024年7月開業のイノゲート大阪においても使用電力の100%再エネ化を実現しました。また、2025年春頃に開業予定の大阪駅うめきたエリア(地上駅ビル)も、次世代太陽電池であるペロブスカイト太陽電池や省エネ設備などと組み合わせ、100%再エネ化を実現する予定です。
消費エネルギーの大部分を占める列車運転用エネルギーの削減のため、省エネルギー型の車両への置き換えを進めています。近年では、VVVFインバータに電流オン/オフ時の電力損失がより少ないフルSiC(炭化ケイ素)半導体を採用した323系電車(大阪環状線・JRゆめ咲線)、227系電車(和歌山線・万葉まほろば線・きのくに線等)、271系電車(特急はるか)、N700S新幹線電車(山陽新幹線)を投入し、一層の省エネ化を進めています。そのほか、駅設備等においても、高効率機器導入、自然光を活かした設計と調光照明といった工夫等を通じた省エネにも取り組んでいます。
駅などの鉄道アセットに総合水素ステーションを設置して、燃料電池列車やバス、トラック、乗用車に対する水素供給および水素輸送の拠点として、姫路地区に加え、倉敷市水島地区から津山市にわたる岡山地区および山口・周南地区において、総合水素ステーションの設置による各種モビリティへの水素の供給、貨物による水素輸送などの実現可能性の調査の実施を始めています。
姫路地区においては、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業に採択され、関係各社と共に、2025年度にかけて、水素需要の創出と効率的な水素のサプライチェーンの構築に向けて、グリーン水素の大規模輸送、利活用に向けた調査・検討を進めています。
当社は、公益財団法人鉄道総合技術研究所とJR7社で構成する共同技術開発体を通じて、国土交通省の「鉄道技術開発・普及促進制度令和4年度新規技術開発課題」(鉄道車両におけるバイオディーゼル燃料の導入に向けた技術開発)に参画し、2022年度から性能試験や走行試験を実施してきました。2023年度までの試験で良好な結果が得られたため、2024年度は岩徳線・山陽本線において営業列車を使用した長期走行試験を実施し、現在保有するディーゼル車両(気動車)の燃料を100%次世代バイオディーゼルに置き換えることを目標に、2025年度の営業列車への実装をめざします。
ディーゼル車両(気動車)の置換えについては、燃料電池車両の導入の検討も開始しています。燃料電池システムや水素貯蔵システムは、国内外の標準化を想定した汎用性の高いものを採用し、さらに、モーターを制御する主回路システムは、燃料電池車両と同様に非電化区間への導入を対象とした電気式気動車との共通化を図り、車両更新時等に燃料電池化が可能な構成での検討を進めていく予定です。関係各社と連携して開発を進め、2030年代の早い時期に営業運転をめざしています。
我が国の運輸部門の脱炭素化の実現のためには、各輸送モードの脱炭素化の推進とともに、鉄道など相対的に低炭素な輸送機関へのモーダルシフトもあわせて必要です。そのために当社では、「WESTER」アプリ等のデジタルも活用し、鉄道・公共交通の利便性向上や都市圏・都市間輸送における鉄道の環境優位性の訴求強化を通じた旅客輸送のモーダルシフトの推進に取り組んでいます。
都市圏・都市間輸送における鉄道の環境優位性の訴求強化を目的に、
鉄道業界共通のロゴマーク・スローガンを作成しました。
鉄道業界一丸となって、鉄道の環境優位性のPRを進めています。