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ニュースリリース

2016年10月12日
経営関連

10月定例社長会見

詳細

【233号機関車の重要文化財指定および京都鉄道博物館の日本鉄道大賞受賞】
 京都鉄道博物館について2点ほどお知らせいたします。先月にもお知らせさせていただきましたけども、蒸気機関車の「233号機関車」が8月17日に重要文化財の指定を受けました。このことを記念いたしまして、10月14日の鉄道の日に京都鉄道博物館におきまして式典をとり行いたいと思います。
 もう1点は「日本鉄道賞」において、「京都鉄道博物館」が大賞に選ばれまして、同じく10月14日に受賞することとなりました。この賞を受賞できましたのも、ひとえに地域の皆様をはじめ、多くの関係者の方々のご支援、それからご協力のたまものと認識いたしてございます。この場をお借りしてお礼申し上げたいと思います。

1 最近の営業・輸送概況
【取扱収入】
 9月の取扱収入は、当社直営の速報値、すなわち旅行会社発売分などを除く速報値ではございますけども、昨年が5日間のシルバーウィークがありご利用が減少したこと、加えまして今年は台風16号の影響や定期券の購入が一部10月にずれこむ曜日配列であったことから、それらをトータルといたしまして9月単月は前年を下回っているということでございます。それから、9月までの上期の累計でございますけども、4月の熊本の震災による影響ですとか、前年の北陸新幹線の開業によります特需があった反動などで減少要素があるわけですけれども、また一方でシニアの方それから海外からお越しのお客様のご利用が好調でありましたこと、近距離で見てみますとUSJや京都鉄道博物館などにお越しのお客様のご利用が増えたことから前年を上回る実績でありました。
収入
※注釈 駅などでの取扱高(消費税を含む)を示します。
※注釈 直営の速報値です。(旅行会社発売分などを除きます)

【ご利用実績】
 ご利用状況についても9月単月は同様の要因によりまして、全体として減少の傾向となりました。上期の累計でございますが、山陽新幹線が99%と「九州観光復興キャンペーン」の効果もありまして前年並みに戻りつつあります。また北陸新幹線でありますけども、上期全体では90%ですが、年度初に比べて減少幅は少なくなってきてございます。この秋にはJR東日本様と連携したキャンペーンを展開していくなど、ご利用増に取り組んでまいりたいと考えてございます。
ご利用状況
※注釈 実績は速報値です。

2 乗務員に関わる安全・安定輸送の取り組み
 乗務員に関わる安全・安定輸送の取り組みについて、2件ご説明いたします。

【在来線の全乗務員に対するタブレット端末の導入】
 1件目は、在来線の全乗務員に対してタブレット端末を導入するというものであります。すでに、新幹線の全乗務員に対しては、平成27年1月から同様の端末を導入してまいりました。この間、異常時におきます関係者間の情報共有や、列車遅延時の情報提供、ならびに訪日外国人のお客様へのご案内などに効果を発揮してまいりました。こうしたことから、在来線においてもさらなる安全・安定輸送の実現、CS向上を目的として、タブレット端末を導入したいと思っております。

 導入により期待される効果が、3点ございます。1点目は安全・安定輸送の実現です。これは、異常時において、通信機能を活用した関係者間での情報共有により、原因の特定や処置が迅速に行えることで、ダウンタイムの縮小につながるなどの効果が期待できると考えます。
 2点目は、お客様へのご案内を強化できるということでございます。ご案内にあたり、最新の運行情報などを取得し、お客様に対して、迅速かつ詳細な情報提供が可能となるわけであります。また、翻訳ツールがタブレットの中にございまして、それを活用して、訪日外国人のお客様へタブレットの画面をお示ししながらご案内いたします。
 3点目は、マニュアル・規程類の電子化による省資源化と、乗務員の負担軽減です。電子化により乗務員の携帯品が軽量化され、資料の差し替え作業の負担が軽減されることが期待されます。

 導入する端末は、「運転士用」として「iPad Air(アイパッド エア)」、「車掌・客室乗務員用」として「iPad mini(アイパッド ミニ)」を考えてございます。全導入台数は、約8,600台であり、まずは今年度内に京阪神地区で約900台を導入し、以降、全社へ約7,700台を順次導入したいと思っております。

 ※注釈 詳細についてはこちらをご覧ください。

【乗務員の眠気対策】
 つづいて2件目は、乗務員の睡眠改善に関する取り組みです。当社では、福知山線列車脱線事故以降、運転技術に関する教育の見直しの1つとして、ヒューマンファクターに関わる教育を実施しているところであります。その中で、安全研究所における「運転士などの眠気予防策」に関する研究成果に基づいた教育や、それをサポートするための指導者の育成や環境整備などさまざまな取り組みにより、ヒューマンエラーの低減を図り、乗務の質の向上をめざしております。

 具体的に申し上げますと、「睡眠改善」は、まず「教育・指導」として、乗務員の自覚を促すために「睡眠健康の増進」に関わる定期的な教育を実施するとともに、乗務員が自らの睡眠を振り返り、今後の生活習慣の改善に活かすべく「睡眠日誌」を活用した指導も行っています。また、「睡眠改善リーダー」と称して、ヒューマンファクター教育や、睡眠日誌を活用した日常の指導が行える指導者の育成を実施しています。そして、新たな取り組みとして「睡眠改善システム」の開発を進めております。このシステムは、睡眠状態の記録・可視化や、個人にあった睡眠改善のアドバイスを行うものであります。現在4つの現場にて試行をしており、その結果などを踏まえて導入を検討していくと考えてございます。
 このほか、「環境整備」として、乗務中を対象としてトレインナビを活用する(眠気を感じやすい時点で注意を促す音声を発する)ことや、休憩所・乗務員宿泊所での環境改善として、仮眠スペースの整備、照明の暖色化、高機能マットレスの導入や寝巻きの改善の試行などを順次実施しています。
 これらの「睡眠改善」の取り組みにより眠気予防をしていても、眠気を感じることも想定されることから、乗務中における「眠気に対する対処」として、乗務中に眠気を感じた場合に、窓を開け外気を取り入れたり、清涼菓子を口に含むなどの具体的な対処法を定めております。しかし、運転士の場合について、それでも、安全を阻害するような強い眠気があれば、ちゅうちょすることなく「列車を停止させて指令員に連絡」することをマニュアルに定め指導しております。
 今後も引き続き、これらの取り組みを着実に進め、安全性の向上に努めてまいります。
眠気対策

3 山陽新幹線岡山・相生間 保守基地新設
 新幹線の安全・安定輸送の維持・向上を目的といたしまして、地上設備の更新および地震対策などがより効率的に実施できるよう、保守作業の拠点となる基地を新設いたします。保守基地の新設は、山陽新幹線では開業以降初めてのこととなります。
 山陽新幹線は開業から40年以上が経過し、多くのまくらぎや電線などの更新の時期を迎えようとしております。新幹線の保守作業は最終電車の運行終了後の夜間、翌朝の営業運転開始までの限られた時間で実施しております。また、保守作業の多くは保守用車を使用しているため、保守用車が出入りする基地から作業現場までの距離が遠くなるほど、移動に時間を費やすこととなり、結果として一日あたりの作業時間が短くなるという実態がございます。そこで、今回、作業時間をできるだけ確保し、効果的な設備の更新などにつなげるため、既設の隣接する基地同士の距離が遠い区間に、基地を新たに設けるということです。
 新設予定地は、山陽新幹線の相生・岡山駅間で、兵庫県赤穂市に位置する場所です。基地間の距離は平均しておおむね40キロメートル間隔ですが、姫路と岡山の保守基地の間隔は、80キロメートル程度と離れているのが現状です。用地面積は約23,900平方メートル、留置線の総延長約1,600メートルを計画しています。
 主な設備といたしまして、クレーン設備、バラスト積み込みおよび取り卸し設備や保守用車の検修庫(検査修繕を行う設備)などを設置する予定でございます。この基地の新設により、作業内容などによる違いはあるものの、最も効果がある箇所では、従来の作業時間(約60分)と比べて、約3倍となる約180分の作業時間を確保でき、計画的かつ効率的に地上設備更新や地震対策などを実施できるようになります。完成は、平成33年3月を予定しています。
新設予定地

概略図

 ※注釈 詳細についてはこちらをご覧ください。

4 東海道支線 地下化・新駅設置事業
 大阪駅の北側、「うめきた地区」におきまして、大阪市様とともに進めている東海道線支線の地下化・新駅設置事業の進捗状況などについてお知らせいたします。当事業では、現在、地平を走行する東海道線支線を地下化すると同時に、大阪駅の北側に地下新駅を設置する工事を当社が実施しており、現在は5つの工区で工事を着手しているところです。このたび、最後に契約の残っていた新駅部の工区も9月14日に契約を締結し、10月から工事に着手していく予定でございます。
 本事業では、線路の地下化により、鉄道で分断されたまちが一体的に利用できるようになることに加え、西梅田一番踏切が廃止されることから、渋滞の解消などにもつながります。また、新駅設置により、梅田と関西国際空港間のアクセスが向上します。平成35年春の開業をめざし、安全に工事を進めてまいります。
事業概要

着手について

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