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ニュースリリース

2017年2月15日
経営関連

2月定例社長会見
山陽新幹線逸脱防止対策の整備計画拡大、VRを活用した災害対策ツール導入、制服リニューアルなど

 すでに報道されておりますが、2017年2月11日未明、広島県三原市の山陽線糸崎駅構内において、当社グループ会社の協力会社の方が、線路内での夜間作業に従事する中で、貨物列車に接触してお亡くなりになるという大変痛ましい事故が発生いたしました。このことは、痛恨の極みであり、誠に申し訳ございません。お亡くなりになられた方のご冥福をお祈りいたしますとともに、そのご家族に対し、心からお悔やみ申し上げます。
 詳細な事故原因については現在調査中ですが、早急に原因を究明し、必要な対策を講じて再発防止に努めてまいります。「安全考動計画2017」において、5年間を通じた目標に「死亡に至る鉄道労災ゼロ」を掲げている中、このような事故を起こしてしまい、強く反省しております。先日当社グループ会社を含めた緊急の会議を開き、情報共有と注意喚起を行いました。今後、二度とこのような事故を発生させない取り組みをを継続してまいります。
 また、週末に日本海側に降った大雪の影響により、山陰線青谷駅構内で普通列車が長時間にわたり立ち往生するなど、ご利用のお客様には大変なご迷惑をおかけいたしました。この場を借りておわび申し上げます。

詳細

1 最近の営業・輸送概況
【取扱収入】
 1月における直営の取扱収入は、雪害の影響はありましたが、年始や「成人の日」を含む3連休の増に加え、全般的にご利用も好調に推移し、前年を上回りました。
収入状況
 ※注釈 駅などでの取扱高(消費税を含む)を示します。
 ※注釈 直営の速報値です。(旅行会社発売分などを除きます)

【ご利用状況】
 ご利用状況は、年始のご利用が好調であったことなどから、山陽新幹線101%、北陸新幹線100%、在来線特急104%、アーバンネットワーク103%と好調に推移いたしました。
ご利用状況
 ※注釈 実績は速報値です。

【今後の取り組み】
 今年3月までの予定として、山陽新幹線では「鹿児島キャンペーン」や「京の冬の旅キャンペーン」、北陸新幹線では、「Japanese Beauty Hokuriku」などのキャンペーンを展開しているところです。
 また、当社では「訪日観光客商品のご利用者数を2012年度実績と比較して5倍増」を目標として掲げるなか、このたび、訪日外国人のお客様向けの商品について改善を行いました。今回は、天橋立など、さらに広域の魅力ある観光地を訪れていただくべく、地域やグループ会社と連携し、既存商品の改善や、福岡空港からお越しのお客様向けの商品の充実などの見直しを行っており、それぞれ2017年4月10日から発売する予定です。
 今後も引き続き、地域やグループ会社の皆様と連携し、魅力ある観光地を訪れていただけるよう取り組んでまいります。


2 地震対策の取り組み
【山陽新幹線における逸脱防止ガードの整備計画の拡大】
 まずは、地震対策の考え方についてご説明いたします。私どもは、1995年1月に発生した「阪神淡路大震災」以降、新幹線・在来線ともに構造物の耐震補強対策を継続して実施してきております。また、2004年10月に発生した「新潟県中越地震」では、鉄道施設が被害を受けただけでなく、新幹線としては初めての脱線事故が発生し、国土交通省に「新幹線脱線対策協議会」が設置され、新幹線を運行するJR各社、鉄道・運輸機構および鉄道総合技術研究所が、大きく3つのテーマについて検討、開発を進めてまいりました。 1つめは、「被災箇所への進入防止対策」、2つめは「構造物対策」、3つめは「脱線後の減災対策」です。
 本日は、3つめの「脱線後の減災対策」として、私どもが山陽新幹線で進めている「逸脱防止ガード」の整備計画の拡大についてお知らせいたします。
 逸脱防止ガードとは、線路の内側に敷設することで、車両が脱線しても車輪がガードにあたり、線路から車両が大きく逸脱することを防止する設備です。2011年10月より、新大阪〜姫路駅間の約110キロメートルにおいて整備を進め、2015年12月に完了しました。2016年度からは、姫路以西の約110キロメートルにおいて整備を進めており、この工事については2022年度までに完了する予定です。このことにつきましては、2016年2月の社長会見でもお知らせさせていただきました。
 今回、山陽新幹線のさらなる安全性向上に向け、姫路以西の整備計画を約175キロメートル拡大し、現在工事を進めている約110キロメートルと合わせ、合計で約285キロメートルの整備を行うことを決定いたしました。整備完了は2029年度の予定です。なお、整備区間のさらなる拡大については、地震に対するリスクの検証を引き続き進め、今後とも検討してまいります。

逸脱防止ガードの整備

【紀勢線の津波対策「運転士の判断力を養うVR教材の製作・導入」】
 紀勢線におきましては、「列車内への避難梯子の設置」、「国道に上るための階段整備」、「出口方向を示す矢印標の整備」や「津波対処訓練」など、ハード・ソフト両面でのさまざまな津波対策を行っております。新宮駅と和歌山市駅を結ぶ紀勢線は、南海トラフ地震が発生した場合、総延長の約3分の1にあたる73キロメートルの区間が津波で浸水し、特に、新宮〜白浜駅間は、地震発生から5分以内に10メートルを超える津波が襲うという厳しい想定がなされています。このため紀勢線では、乗務員が緊急地震速報を受けた場合、お客様の避難誘導を行うようルール化しております。そして、定期的に運転士への訓練を実施し、万が一のときのお客様の安全確保に備えております。
 今回、KDDI様にご協力をいただき、VR(仮想現実)を活用した教材を導入し、運転士のさらなる判断力の向上をめざすこととしました。こちらの映像は、この教材を使用した場合、運転士が実際に目にする画像を撮影したものです。

VR

○避難行動の演習コンテンツ(https://youtu.be/wSglHYxwoi4
○地震・津波発生疑似体験コンテンツ(https://youtu.be/8PUDT6256Zo

 本教材は、紀勢線の新宮〜串本駅間における実際の映像を使用しております。運転士が視線を動かせば周囲の地形や設備の状況なども映し出され、また振り返ると客室内の映像が映し出される仕組みになっております。従来の訓練にこの教材を追加することにより、「最寄りの避難出口などの迅速な確認」や「前方にホームなどがある場合に、運転士自身の判断で、そこまで列車を移動させるかどうかの判断」など、実際の地形と津波の想定に即した訓練が可能となります。
 また、停止した列車の前方の河川から津波が押し寄せる臨場感のある映像により、万が一の際に心理的に落ち着いて行動できる可能性にも期待しています。この教材は、2017年4月以降、新宮列車区と紀伊田辺運転区に配備する予定であり、2017年度において、運転士一人あたり、2回以上の訓練を実施する計画です。
 このほか、今後、和歌山支社において、より多くのお客様に列車からの避難を体験いただくことを目的とした「鉄學(てつがく)」という新たな考え方の訓練を実施する予定です。


3 山陽新幹線 新ATC(自動列車制御装置)の使用開始
 すでに先日、この3月のダイヤ改正につきましてお知らせしておりますが、山陽新幹線において、2010年度から設備更新の工事と合わせて準備を進めてきた「新ATCの導入」について工事が完了しました。このATC導入により、列車が駅に停止する際におけるブレーキ制御が、「段階的なブレーキ制御」から、「一段でのブレーキ制御」が可能となり、スムーズな減速を行えるようになります。効果として、乗り心地が向上するとともに、新大阪〜博多駅間における所要時間は、ダイヤ見直しによる効果を加味した上で、のぞみで最大6分、こだまで最大38分の短縮につながり、より快適で便利に新幹線をご利用いただけるようになります。2017年2月19日の始発列車から使用を開始する予定です。
新ATCについて


4 新制服の導入
 当社は、2017年4月に会社発足30周年を迎えることを機に、次世代に向けた新しいJR西日本のシンボルとして、新制服を導入することにしました。新しい制服は、現行の制服のコンセプトである「安心感」、「信頼感」に加えて、次世代への「積極果敢なチャレンジ」への期待を込めるとともに、良質さ・品位が求められる機会などへの対応や社員のさまざま意見などを踏まえまして、「先進性」と「上質さ」をコンセプトといたしました。
 今回導入する新制服の「こだわり」は3点です。1つ目は、「安全性を高める」ということです。当社の最大の使命は安全の確保であることから、より視認性が高くなる素材の使用や、異常時における迅速な対応が可能となるように女性の制服についてスカートを廃止することといたしました。
 2つ目は、「次世代へのシンボルとなるデザイン」であり、社員にプロフェッショナルとしての誇りをもって仕事をしてほしいという思いから、帽子やネクタイなどにコーポレートカラーであるブルーを使用し、帽章・袖章・胸章には共通デザインをあしらいました。また、制服ごとに個別のセキュリティIDやICタグを導入し、セキュリティ面の向上を図っております。
 3つ目は「使いやすさを高める」であり、最新技術を取り入れた上質な生地の使用により、「涼しさ」、「動きやすさ」を向上しました。
 これらの新制服は、2017年4月1日から着用を開始いたします。

新制服


5 京都鉄道博物館に関するお知らせ
 京都鉄道博物館は、2016年4月にグランドオープンし、2017年1月21日には、初年度の入館者目標数である120万人を達成いたしました。京都市をはじめ、関係機関、地元の企業や団体の方々、そして地域の皆様にはさまざまなご支援・ご協力を賜り、あらためまして厚く御礼申し上げます。今後、グランドオープン1周年を記念いたしまして、これまで車両保存の観点から積極的に公開していなかった車内の公開などをはじめ、さまざまなPRやイベントを考えております。その先駆けといたしまして、本日は、1周年記念ロゴをお示しいたします。こちらのロゴは、「博物館の収蔵車両の多様性」、「象徴的な建物であるエントランスと旧二条駅舎」、そして「緑豊かな梅小路公園」のイメージを組み込んだデザインとしています。以降、さまざまな場面での活用を考えております。今後も引き続き、多くのお客様に楽しんでいただけるよう努めてまいりますので、さらなるご愛顧を賜りたいと思っております。

京都鉄道博物館1周年

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