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ニュースリリース

2018年12月19日
経営関連

2018年12月 定例社長会見
1.最近の営業・輸送概況
2.ホーム安全の取り組み
3.訪日のお客様向けインターネット予約サービスの開始
4.ホテルグランヴィア大阪の全面リニューアル

詳細

12月定例社長会見ビジュアル


1 最近の営業・輸送概況

【取扱収入】
 11月は、昨年文化の日3連休の反動があったものの、勤労感謝の日3連休を中心にご利用が好調に推移したことなどにより、収入計で102.4%と前年を上回りました。12月は14日時点では、年末年始期間の前売りが好調に推移していることなどにより、対前年101.5%と前年を上回っております。
 【運輸取り扱い収入の状況
 ※注釈:駅などでの取扱高(消費税を含む)を示します。 
 ※注釈:直営の速報値です。(旅行会社発売分などを除く)
 
 【ご利用状況】
 11月は、昨年文化の日3連休の反動があったものの、勤労感謝の日3連休によるご利用増により、山陽新幹線対前年103%、北陸新幹線同103%、在来線特急同101%、アーバンネットワーク同103%と前年を上回りました。12月は14日時点では、山陽新幹線は対前年100%と前年並みで推移しております。北陸新幹線、アーバンネットワークは、ご利用が好調で前年を上回りました。在来線特急は、同98%で前年を下回っております。
 新幹線・在来線特急・アーバンネットワークのご利用状況
 ※注釈:実績は速報値です。

2 ホーム安全の取り組み
【ホームにおける転落・列車接触発生状況】
  ホームの安全は重要なテーマです。グラフにあるように、前回の安全計画における5ヵ年で、ホームからの転落や列車との接触件数は減少傾向にあり、非常ボタンの取り扱い比率も年々増加しております。これはお客様にもご協力いただいた結果であります。今年からの5ヵ年計画である「鉄道安全考動計画2022」の到達目標では、ホーム以外にも範囲を拡大し、お客様が死傷する鉄道人身障害事故の削減に努めているところですが、やはり鉄道人身障害事故の多くはホームで起こっております。
  目標達成のためにも、引き続きお客様に非常ボタンを押していただくよう周知していくとともに、転落・接触そのものを減らすハード対策についても取り組んでまいります。

 ホームにおける転落・列車接触発生状況

【安全性向上に向けたソフト対策、ハード対策の取り組み状況】
 ソフト対策およびハード対策について

○ソフト対策
(1)社員教育
  配慮が必要なお客様にも安心してご利用いただくため、改札やホームなどで社員によるお声かけ・見守りを行うとともに、駅構内で従事するグループ会社社員も対象として、お声かけや非常ボタンの取り扱いについて教育を行っております。
  また、2015年度から駅社員を対象に「サービス介助士」の資格取得にも取り組んでおり、サポートが必要なお客様の立場に立った対応をさせていただいております。今年度中には1,200名が取得予定です。
  このほかにも、視覚に障がいのあるお客様との合同勉強会を駅ホームで実施し、線路に降りてホームの高さを体感していただいたり、駅係員がどのようにお声かけやご案内をすれば良いかを学んだりしております。

 社員教育

(2)ホーム転落防止キャンペーン(年11月1日から翌年3月31日まで)
  現在、「冬期ホーム転落防止キャンペーン」を実施しております。この時期は、忘年会・新年会など飲酒の機会が増えることから、まずはホームからの転落防止として、お客様同士によるお声かけのご協力や、適正飲酒の呼びかけを行うとともに、線路に転落された場合などの緊急時には「非常ボタン」を押していただくように、ポスターの掲出や、車内・駅のディスプレイ・当社ホームページでの動画放送や、SNSでの情報発信を行っています。
 
 ホーム転落キャンペーン
○ハード対策
 これまで、ホームの安全性を高める手段として、さまざまな取り組みを実施して参りました。ホーム安全設備
(1)ホーム柵設置計画
  ホーム柵の整備については、国の指針として乗降人員が10万人以上の駅への優先的な整備が示されております。当社では、これに加え、転落・接触の多い駅や、山陽新幹線ののぞみ全停車駅への整備を進めてまいるべく、今般策定した「中期経営計画2022」にて2022年度までに35駅約90のりばに整備もしくは整備に着手する計画をお示ししております。
  そして今回、大阪駅1、2番のりば、高槻駅3、4番のりば、岡山駅22、23番のりばにつきまして、新たに「可動式ホーム柵」を整備する準備が整いました。今後も、「中期経営計画2022」でお示しした線区を中心に、優先順位を付けつつ、ホーム柵の長期継続的な整備拡大に努めてまいりたいと考えております。

 ホーム柵設置計画  

(2)内方線付き点状ブロックの整備
  目の不自由なお客様にホームの内側を認識いただける、内方線付き点状ブロックについて、乗降1万人以上の駅については2017年度末までに整備を完了しております。乗降3千人以上の駅についても2022年度末までに整備してまいります。
  そのほかにも、当社から始めた取り組みとして、ベンチの設置方法の改善やホーム端部の視認性を高めるCPラインを設置しております。

 内方線付き点状ブロックの整備

3 訪日のお客様向けインターネット 予約サービスの開始
 訪日のお客様が増加する中、より便利で快適な旅を提供できるように、海外からインターネットを通じて、JRのきっぷおよび訪日のお客様向け専用商品が購入でき、日本到着後にはみどりの券売機などできっぷが受け取れるサービスを2019年春から開始します。
サービス名称は「JR WEST ONLINE TRAIN RESERVATION(ジェイアールウエスト トレイン リザベーション)」です。
サービス開始時期は、通常のきっぷについては2019年3月、JR―WEST RAIL PASSなどの訪日のお客様向け専用商品は2019年5月の開始を予定しております。予約可能なエリアは新幹線、在来線特急とも当社エリア管内に留まらずご利用いただけます。対応言語は、英語、中国語(簡体字、繁体字)、韓国語になります。決済は、予約時にクレジットカードで決済いただけます。

○ 名称
 「JR-WEST ONLINE TRAIN RESERVATION」

○ サービス開始時期 
 ・通常のきっぷ(指定席・自由席):2019年3月予定
 ・訪日のお客様向け専用商品(「JR-WEST RAIL PASS」といった当社商品など):2019年5月予定

○ 予約可能なエリア 
 ・新幹線:北陸、東海道・山陽、九州、上越、東北(一部区間)
 ・特急:JR西日本、四国、九州、東海エリアと東日本一部エリア

通常のきっぷの予約可能なエリア 指定席 自由席

○ 対応言語
  英語、中国語(繁体字・簡体字)、韓国語

 ご利用イメージなどにつきましては、プレスリリースをご参照ください。今後の詳細は決まり次第、随時ホームページなどでお知らせさせていただきます。

4 ホテルグランヴィア大阪の全面リニューアル
 当社ホテルチェーンの最上位ブランド「グランヴィア」基幹店のひとつ、ホテルグランヴィア大阪が開業35周年を迎え、変化する大阪の市場やお客様ニーズへの対応、そしてグランヴィアブランドの価値向上を目的に、このたび館内の全面リニューアルを実施いたします。
ホテルグランヴィア大阪は1983年に、出張を目的とするお客様向けのホテルとして約7割をシングルとする構成で開業しました。その後、大阪のエリア開発と共に、レジャー利用のお客様が年々増加し、現在、年間の宿泊者数は開業当初の約2倍となる38万人にまで達しています。
 その大きな要因はインバウンドの増加で、開業時約2.2%程度であったシェアが、昨年度には30.7%と過去最高となっています。こうした現在のマーケットとホテル設備にギャップが生じていることや、大阪では2023年春のうめきたエリアの新駅開業や大阪・関西での国際博覧会を見据え、今後もインバウンドへの対応が益々必要と見込まれることから、今回の改装を決定しました。
 JR西日本のホテル事業は、変化するエリア動向やお客様のニーズに対応するため、現在展開中の施設においてもこうしたリニューアルを今後も検討していきます。

 ホテルグランヴィア大阪の全面リニューアル


【リニューアル後の概要およびイメージ】
  ホテルグランヴィア大阪の全面リニューアルについて

 今年最後の会見となりましたので、簡単に1年を振り返りたいと思います。
 今年は、「中期経営計画2022」および「鉄道安全考動計画2022」のスタートの年として、グループ一丸となって取り組みを進めてまいりました。特に、当社グループの最重要課題である「安全」については、引き続き到達目標を策定のうえ、取り組みを進めているところです。
 昨年12月に惹き起こした新幹線重大インシデントについて、その反省を踏まえ、経営層から現場社員まで一体となって、ハード・ソフトの両面から安全性向上の取り組みを進めてきた1年でありました。また、安全を確認できない時や危ないと感じた時には、「迷わず列車を止める」という安全意識の浸透を図ってまいりました。
今月11日の会見で副社長の平野も申し上げましたが、現在、これまでの取り組みの成果は出つつも、さらに高いレベルの安全を目指して取り組みを進めている段階にあると認識しております。引き続き、緊張感を持って様々な取り組みを全力で推進して新幹線の安全性を向上させるよう努力を続けてまいります。
 また9月には、「祈りの杜 福知山線列車事故現場」の整備が完了しました。私ども役員一同、慰霊碑の前に立ち、あのような事故を二度と起こしてはならないとの決意を新たにし、安全に対する不断の努力をお誓い申し上げ、献花をさせていただきました。「祈りの杜」はお亡くなりになられた方々の慰霊・鎮魂の場であるとともに、事故の事実を社会や後世に伝え、また、私たちが事故を反省し、安全を誓い続けていく大切な場所です。今後もご被害者のご意見を賜りながらお守りしてまいります。
 さらに今年は、多くの自然災害に見舞われた年でもありました。6月の大阪北部地震、7月の西日本豪雨や、8月から9月にかけての大型大風などが相次ぎ、当社グループも大きな影響を受けました。広島エリアでは、まだ運転見合わせの区間があり、ご利用のお客様にはご不便をおかけしている状態が続いております。1日も早い復旧に向け、関係者のご尽力を賜りながら取り組んでまいりたいと思います。また、これらを通じて、鉄道の社会的な影響の大きさや期待の大きさを改めて認識するとともに、有事の際のグループを含めた社員の団結力を感じることができました。
 一方で、地域価値の向上の取り組みとして、鉄道事業と創造事業が連携した「せとうちパレットプロジェクト」をスタートさせたほか、新たなホテルブランドであるヴィスキオの開業、ルクア大阪の大規模リニューアルなどの取り組みも進めることができました。
 2025年国際博覧会の開催地が大阪・関西に決まったことは、私どもも大変嬉しく思っております。当社としても関西のインフラ企業としての役割を果たし、大阪・関西万博の成功、ひいては関西の発展に全力を尽くしてまいります。
 来年はラグビーワールドカップやG20サミットなどの国際的な大型イベントが開催されます。鉄道事業者としての役割を確実に果たすとともに、引き続き地域とも連携し、グループ一丸となって受け入れ態勢の充実や地域の活性化に尽力してまいります。さまざまなチャンスを最大限に捉え、めざす未来に向けたさらなる飛躍を実現するために、なすべきことをやり遂げる年にしてまいりたいと思います。

 もう1件お知らせがございます。
 私どもは、昨日開催の取締役会において、元社長3名に対して、かねて支払いを留保していた「退職慰労金制度の廃止に伴う打ち切り支給」につき、支払いを行う旨を決議しましたのでお知らせいたします。なお、支払額については福知山線列車事故を惹き起こした企業としての責任を重く受け止め、5割の減額を行いました。
 これまでの経緯を少しご説明させていただきます。私どもは、2002年6月24日の株主総会・取締役会において、退職慰労金制度の廃止に伴う重任取締役への「退職慰労金の打ち切り支給」を決定しました。3名の「退職慰労金制度の廃止に伴う打ち切り支給」については、福知山線列車事故を弊社が惹き起こしたことに鑑み、退任時等に支払うことを決議していたものの、支払いを留保しておりました。
 この間、福知山線列車事故の反省と教訓を重く受け止め、二度とこのような事故を発生させないことを変わらぬ決意とし、安全性向上に引き続き全力で取り組みを進めてまいりました。
 一方、支払いの履行についても慎重な検討を行ってまいりましたが、3名については刑事裁判もあり、少なくともこれまでは判断を留保すべきものと考えてきました。その後、3名に対する刑事裁判が終結したことも含めて、改めて「退職慰労金制度の廃止に伴う打ち切り支給」の支払い金額について慎重に検討を重ねる中で、今般、支払いを決議したものです。
3名については、「会社が福知山線列車事故を惹き起こしたこと」「この事故によりご被害者の皆様へ多くのお苦しみを与えてしまったことに加え、世の中の皆様にも多大なご迷惑とご不安をおかけしたこと」に対する企業としての責任を重く受け止め、、5割の減額を行いました。
いずれにしても、支払いについては様々なご意見・お考えをお持ちの方がいらっしゃることは重く受け止めてまいりたいと考えております。
 今後も、安全性向上に向けた弛まぬ努力を積み重ねていくとともに、ご被害者の皆様のお気持ちやお考えを丁寧にお伺いしながら、真摯な対応を続けてまいります。

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