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ニュースリリース

2018年3月30日
ご報告

新幹線の安全性向上の取り組みについて

 2017年12月11日、東海道新幹線名古屋駅にて運転を取りやめた「のぞみ34号」(弊社所有車両)の台車にき裂などが発見された重大インシデントにつきまして、あらためましてお詫び申し上げます。
 このたび新幹線の安全性向上の取り組みについてお知らせさせていただきます。

詳細

1 車両の安全確保
(1)台車の点検
 超音波探傷による点検、目視による入念点検、台車温度検知装置の活用、これら3つの手段を講じることで、車両の安全確保に万全を尽くしております。
 番号1超音波探傷
  全台車について、全般検査、台車検査時に実施しています。なお、側バリ底面の板厚の不足している台車については、取り替えまでの間、全般検査と台車検査の中間の時期にも実施します。
  超音波探傷による点検については、こちらをご覧ください。(PDF形式:90キロバイト)

 番号2入念点検
  仕業検査において、台車の当該箇所を指定して綿密な目視検査を実施しています。
  仕業検査における入念目視点検については、こちらをご覧ください。(PDF形式:152キロバイト)

 番号3台車温度検知装置の活用
  東海道新幹線区間2箇所に設置されている装置によって台車の異常の兆候の把握を行っています。

(2)川崎重工製の台車の取り扱い
 番号1板厚の不足している台車
  側バリ底面の板厚の不足しているものは、順次取り替えを進めます。メーカーと交換台車の製作工程を調整しており、2018年度内に完了する見込みです。
川崎重工製台車枠の取り替え状況(2018年3月29日時点)

 番号2エコー反応を示した台車 
  超音波探傷できずの疑いのあるエコー反応を示したものについては、3月20日までに全て取り替えました。
  なお、他メーカー製の台車において、エコー反応を示したものが現時点で4台あり、これらは運用から外して詳細な調査を行ないます。
他メーカー製台車枠の状況(2018年3月29日時点)

2 安全性向上の取り組み
(1)再発防止に向けて既に進めている取り組み
 のぞみ34号の走行を継続させたことに関して、「車両の状況に関する認識のズレ」「指令間協議をせずに運行引き継ぎ」「関係者間での判断の相互依存」の対処すべき3点があり、事象発生直後に対策を策定し、実施できるものから直ちに行ってまいりました。引き続き着実に取り組んでまいります。
再発防止に向けて既に進めていること取り組みの一覧

(2)有識者会議 社外委員からの提言
 様々な視点で多くの提言をいただきました。これを弊社の進めているリスク管理の取り組みにあてはめて活かしてまいります。
 新幹線の高速鉄道という特性を踏まえたうえで、新幹線の運行システム全体を5つの視点から洗い直し、リスク管理の取り組みを開始しています。
新幹線の運行を支えるシステム
 今回いただいた提言をこの視点から以下のように分類いたしました。
社外委員からの提言内容

(3)今後進めていく取り組み
 経営層がリーダーシップを発揮し、技術層・実行層とともに組織全体で、新幹線の運行を支えるシステムに潜在するリスクを洗い出し、対策の立案と実行、その進捗のフォロー、対策の修正と実行を繰り返し、安全性の向上につなげていきます。
 具体的な取り組みを以下に示します。

 番号1台車の異常を検知するセンサーの整備
  東海道新幹線区間と山陽新幹線区間では軌道条件が異なるため、地上にセンサーを整備するにあたり、装置の小型化、軌道の改修および実環境における動作検証が必要です。2018年度内に1台目の設置を目指し、5月ごろから現地調査を開始します。
 また、車上で台車の異常を検知するセンサーについても検討しており、早期の整備を目指します。
 地上と車両の両方からの監視体制を整え、安全性の向上を図ります。
 山陽新幹線区間の台車温度検知装置の整備については、こちらをご覧ください。(PDF形式:62キロバイト)

 番号2音(車内・車外)、匂いから異常を判断する技術開発
  世の中のセンシング技術は大きく進歩しており、これを活用することで新幹線車両の発生する音、匂いから異常な状態を検知することが期待できます。音や匂いなど人間の感覚による判断を支援するための技術開発にも取り組んでまいります。

 番号3博多総合車両所のリニューアル
  老朽化した設備の更新や作業環境の改善を行うとともに、部品の自動洗浄や非解体の点検を可能とする設備を導入して効率的かつ高品質な車両の検査を実施し、安全運行を支えてまいります。工期は約10年を予定しています。

 番号4車両データを活用した品質向上
  車両の機器の動作状況など蓄積されているデータを解析することで車両のメンテナンスに活用し、車両の品質向上や異常時対応の迅速化を図ります。
  これらのデータは、東京指令所の指令員、駅に配置した走行管理班、車両所で検査に携わる社員の間で共有し、業務に活用します。
  現在、データ解析システムの開発を進めており、出来上がったシステムから順次活用してまいります。

 番号5車両の増備
  定期的な検査、臨時の修繕や臨時列車などを考慮して必要な車両数を保有しています。車両のトラブル発生時などに、より柔軟な車両運用を実現するために、車両の増備を検討します。
  あわせて、車両留置機能の増強についても検討を進めます。

3 新幹線専属の組織の設置
 新幹線に係わることを全体的かつ専属的に考え、迅速な意思決定が可能となる「新幹線鉄道事業本部」を鉄道本部内に設置します。
 この新しい組織には、鉄道本部内で分散されている新幹線に係わる中長期戦略の策定、技術上の基準の制定、設備投資の機能を集約します。
 あわせて、山陽新幹線のオペレーションを担っている新幹線管理本部を新しい組織に取り込み、本社機能と支社機能を一体化します。
 新幹線に特化した体制による新幹線の特徴を踏まえた未知のリスクの抽出と対策の実施、人財の集中配置による部門横断テーマの解決、経営層・技術層・実務層の双方向のコミュニケーションの円滑化による一体感の醸成などを通じて、施策の迅速かつ着実な推進を図ります。
 実施時期は2018年6月1日を予定しています。
 新幹線専属の組織の設置については、こちらをご覧ください。(PDF形式:157キロバイト)

4 今後に向けての決意
 このたびの重大インシデントでは、台車の異常を発見できなかったことについては、異常を検知する手段が不足していたことが挙げられます。また、異常を感じたにもかかわらず運転を継続したことについては、判断力の不足、認識のズレ、相互依存の課題が挙げられます。
 これらの背景には、リスクに気付くことができなかったことと、安全最優先の判断や行動ができなかったことがあります。有識者会議においても同様の意見をいただきました。
 これまでの安全計画の中でも、安全最優先の意識を浸透させ、社員一人ひとりの安全考動の実践と組織の安全管理の充実を柱として、様々な取り組みを進めてきたものの十分でなかった点がありました。
 安全管理のPDCAサイクルの中で、取り組みの実行度の把握と検証、そして修正から更に実行の部分を強化し、安全マネジメントの充実を図ります。
 経営層がリーダーシップを発揮し、本社から現場第一線まで全ての社員とのコミュニケーションを向上させ一丸となって「JR西日本グループ鉄道安全考動計画2022」に掲げる施策を迅速かつ着実に実行し、新幹線の安全運行に全力で取り組んでまいります。

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