このページの本文へ移動

ニュースリリース

2016年7月20日
経営関連

7月定例社長会見

詳細

 先月の就任後の会見の場でも申し上げておりますけれども、私は今後の当社の経営にあたり、安全性の向上の取り組みを基本といたしまして、これまでの戦略・施策の「継続」と、そのさらなる「進化」ということを意識していきたいと考えております。また、先月来、長時間にわたる私どもの列車のダイヤの乱れなどによりまして、多くのお客様にご迷惑をおかけしております。今後こうしたことを減らし、なおかつ無くす努力というものが大事ですので、私どもとして引き続き懸命に努力したいと考えております。

1 最近の営業・輸送概況
【取扱収入】
 6月の取扱収入でありますけれども、USJや京都鉄道博物館などの近距離のご利用が大変堅調でございました。その他、山陽新幹線沿線支社も堅調に推移いたしまして、全社では前年比で101.1%でありました。今月に入ってからの取扱収入でございますが、18日までで見ていただきますと前年度の台風の影響によるご利用減に対する反動の増などもございまして、対前年104.1%ということで前年を上回って推移しております。熊本地震による影響ですとか、北陸新幹線の開業の反動などということを踏まえまして、これまで以上に需要喚起に取り組んでいく必要があると考えております。
運輸取扱収入の状況
※注釈 駅などでの取扱高(消費税を含む)を示します。直営の速報値です。

【ご利用実績】
 ご利用の実績でございます。6月は山陽新幹線はほぼ前年並みのご利用ということでありました。北陸新幹線は昨年度の開業効果の反動によりまして、引き続き前年を下回っているという状況でございます。今月の実績でございますが、18日現在で前年度の台風による影響があり反動の増や、曜日配列の影響などによりまして、山陽新幹線が対前年106%、北陸新幹線が対前年94%、在来線特急同120%、アーバンネットワーク同110%ということでありました。
ご利用状況
※注釈 実績は速報値です。

【九州観光復興キャンペーン】
 7月4日から山陽・九州新幹線の直通列車を通常の運転本数に戻しまして運転をしております。九州観光復興キャンペーンで設定いたしました旅行商品も出足から堅調に推移しており、このキャンペーンにおきましては、旅行会社各店舗や駅構内、それから列車内、WEBなどで集中的に告知を行っておりますほか、各メディアを通じて九州の魅力をお伝えいたしているところであります。これからも多くのお客様に九州へお越しいただきまして、少しでも早い復興につなげていければと考えている次第であります。


2 近畿エリアにおける豪雨災害対策の取り組み
 昨今、災害が激甚化している中で、豪雨や台風に対する備えを当社も強化しております。そうした中で、今年も台風シーズンを迎えてまいりますが、台風接近時は、進路や勢力によりまして間引き運転や線区単位の運転見合わせを実施することを基本としております。
 昨年7月17日から18日にかけて、台風11号が到来しました。台風が日本海側へ抜けたあとも、京阪神エリアにおきまして、観測史上最大級の24時間降雨量となる降雨が続き、24時間連続雨量が各線区で規制値を上回りました。結果として、駅間での列車の長時間停車を発生させまして、お客様に本当にご迷惑をお掛けすることとなりました。当社といたしましても、これらの課題を受けまして、間引き運転の考え方の整理や、駅間に列車を長時間停車させないためのルール変更などを行ってまいりました。
 本日は、その後の「豪雨災害に対する取り組み」についてご紹介させていただきます。

【雨量計情報表示システム改修】
 一つ目は、「雨量計情報表示システムの改修」です。このシステムは、もともと指令所に設置されており、画面上において、24時間の降雨量の合計である「連続雨量」や、1時間当たりの降雨量である「時雨量」の実績を閲覧するものでした。昨年の台風以降、このシステムの改修として、2点の機能を追加しております。
 一つは、直近2時間における雨量の平均を基に、規制値に到達する想定時刻をシステム画面に表示するもので、もう一つは、規制値に到達する前に輸送指令員に対して、システム画面でのポップアップ表示やパトライト点灯で通知するものです。これによりまして、規制値到達前に輸送指令員へ注意喚起ができるため、連続雨量の状況に応じて、より適切に間引き運転などを実施できるようになると考えております。また、運転再開に関わる手続きについても見直すことで、よりスムーズに運転再開が行えるよう取り組んでおります。
雨量計情報表示システムの改修

【京阪神エリアにおける斜面防災工事の進捗状況】
 続きまして、斜面防災工事の進捗状況についてご説明いたします。昨年度より、列車運行本数が多くお客様への影響が大きな京阪神エリアにおいて、斜面防災工事を集中的に実施しております。工事は来年度までの計画で、これまで順調に進んでおります。今後も、さらに安全性を高めることと安定輸送を確実に行っていくために、運転規制時間の短縮を目指し、この工事を鋭意進めてまいります。
施工例


3 近畿エリアにおける「駅ナンバー」導入
 当社としまして、特に「海外からお越しのお客様の受け入れ態勢をより充実させる」という観点で、2年前の平成26年度から近畿エリアにおきまして「路線記号・ラインカラー」を導入してまいりました。「路線記号・ラインカラー」は、国内外からお見えのご利用に不慣れなお客様などに対して、のりばや乗られる列車のご案内を分かりやすくすることを目的に導入したものでございまして、駅や車両のご案内表示の更新を順次進めているところであります。このたびは、近畿エリアの主要路線に「駅ナンバー」を新たに導入し、「路線記号・ラインカラー」と組み合わせて、より分かりやすいご案内に努めるというものであります。

【駅ナンバー導入対象】
 今回導入する「駅ナンバー」は、近畿エリアで「路線記号」を付けた21路線のうち、海外からのお客様が特によくご利用になる駅が多くある「12路線」の主な駅に導入したいと考えています。他社路線の駅を含みます都市路線図・地図や、他社と当社の駅とを一緒に扱うご案内表示などにおいては、当社の「駅ナンバー」が分かりやすいように、すでに認知度が高い社名である「JR」を冠して表記いたします。

【具体的な導入内容】
 具体的な導入内容を、ご利用イメージに合わせて説明いたします。まず、お客様ご自身が、お住まいの国を出発される前におきましては、既存の海外向けホームページに「駅ナンバー」路線図の掲載を追加し、ご旅行に関わる情報として事前にご確認いただけるようにします。つづいて、お客様が国内に到着されて、当社をご利用いただくため、駅に到着された際、券売機できっぷをお買い求めいただきやすいように、「駅ナンバー」で目的地の駅を検索してきっぷを購入いただける機能を追加いたします。改札に入場されてからは、駅サインや車両の「路線記号」表示により、目的地へののりばや到着した列車の行き先をご確認いただけるようにしています。実際に列車に乗車されてからは、車内の液晶表示器などで「駅ナンバー」をお示しし、お降りになられる駅を確認いただけるようにいたします。目的地の駅では、ホームの柱や壁面に掲示している「ひらがな駅名標」に「駅ナンバー」を表記させていただき、最終的に駅の確認をしていただけるようにします。

 券売機などの改修もございますので、平成30年3月からの使用開始に向けて着実な準備を進めてまいり、より混乱なくご利用いただけるような体制にしたいと考えております。
駅ナンバーのご利用イメージ

 ※注釈 駅ナンバー導入の詳細につきましては、こちらをご覧ください。


4 「広域周遊ルートの拠点」創出に向けた駅改良
 当社は、中長期的・広域的視点から、地域の皆様と連携し、地域の魅力向上、活性化に取り組みたいと考えており、広域周遊ルートの拠点として、観光拠点駅の美装化やリニューアルを進めているところでございます。そうした中で、せとうちエリアにつきましては、岡山・尾道・広島を核とした「広域周遊ルート」の創出を進めているところです。7月からはJR四国様と連携した「せとうちキャンペーン」も開催しております。
 特に、尾道は、日本遺産にも認定された古くからの観光名所の一つであるとともに、近年では「サイクリストの聖地」として、新しいまちづくりが進められております。国内はもとより、海外からお越しのお客様も増えている状況でございます。今回は、せとうちエリアを周遊されるお客様の新しい拠点として、尾道駅のリニューアルを発表させていただきます。

【デザインコンセプト】
 まず、デザインのコンセプトからご説明いたします。コンセプトといたしましては、国内外からせとうちエリアを周遊のためにお見えになるお客様には「旅情」を、地域の皆様には「尾道らしさ」を感じていただけるよう、「尾道のまちへの玄関口」「せとうちエリアへの玄関口」にふさわしい駅空間にしたいと考えております。外観は、「尾道のまちなみに溶け込む」ように、初代駅舎の「おもむき」を踏襲し、「まちなみ」と融和したデザインとしました。
 一方、内観は、「尾道の風土を活かした空間づくり」と、「多様な人々が集うコミュニティの場の創出」を目指しまして、自然光を導入した吹き抜け空間や、尾道水道を楽しめる眺望デッキを設けることにより、より開放的で多様な楽しみ方ができる空間としたいと考えております。デザインは、有限会社アトリエ・ワン一級建築士事務所様に監修いただいております。
外観イメージ
内観イメージ

【駅施設リニューアルの概要】
 つづいて施設概要についてご説明いたします。駅舎は2階建てとし、国内外からお見えになるお客様や、日々ご利用のお客様にもご利用いただきやすいよう、お手洗いやコンコースを広くゆとりのある空間にするとともに、改札内地下通路もリニューアルし、より快適できれいな駅空間を実現します。また、駅舎建て替えによる耐震性能の向上でより安全・安心な駅にしてまいりたいと考えております。商業施設は、「世界有数のサイクリングコース」ということを踏まえ、お客様にその魅力を体感いただけるよう、駅直結の宿泊施設やサイクリスト向け店舗などを配置いたします。また、地域の皆様の日々の暮らしをより便利にご利用いただける店舗なども配置いたしますが、詳細が決まり次第、あらためてお知らせする予定です。総工事費は約17億円で、平成30年夏ごろの開業を目指しております。

【瑞風専用出入口の設置】
 また、改札口付近には、尾道駅に立ち寄る「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」のお客様にご利用いただくために専用出入口を設置したいと考えております。

 最後となりますが、せとうちエリアを周遊されるお客様の新しい拠点として、また、地域の魅力発信の場、地域の皆様の交流・にぎわいの場としてご利用いただけるよう取り組みを進めてまいりたいと思います。
レイアウトイメージ

ニュースリリース一覧に戻る

以下のカテゴリから検索できます

以下の詳細カテゴリからも検索できます(2017年度以降のニュースリリース対象)

エリアを選択

年度・月を選択