プロフェッショナル職採用
車両
山陽新幹線統括本部 博多総合車両所 係長 長田 亜紀子 2004年 入社
Career Step
- 2005年福岡支社 博多総合車両所
- 2012年(株)ジェイアール西日本新幹線テクノス 出向
- 2014年新幹線管理本部 博多総合車両所
- 2018年新幹線鉄道事業本部 博多総合車両所
- 2019年新幹線鉄道事業本部 博多総合車両所 係長
- 2022年山陽新幹線統括本部 博多総合車両所 係長
山陽・九州新幹線開業に向けた
走行試験業務を担当
福岡支社 博多総合車両所
東海道・山陽・九州に跨るエリアを走る新幹線の検査・修繕を行う「博多総合車両所」が、入社時からの私の職場です。120万kmの走行で機器をすべて取り外し、車両を詳細に調べる全般検査を実施し、60万km走行で台車検査を行います。台車は台車枠・ブレーキ装置・輪軸などで構成されており、各部の状態確認や測定など、あらゆる検査項目をチェック。必要に応じて部品の交換なども行います。これまで上記のような検査・修繕業務が主な仕事でしたが、入社4年目の2008年10月に高速車両グループへ異動となり、新車を導入する前の走行試験業務に携わることになりました。試験前の準備から試験測定までを行い、車両の歪みや振動といった主に台車関係のデータを、測定器を用いて収集。自分たちが手がける測定データの良否によって今後の走行に影響してくる非常に重要な役割で、責任が重大なだけに、やりがいも大きいものでした。台車の構造もこれまで検査・修理を手がけてきたものとは少し違い、世に出る前の新しい車両に触れられる体験は技術者としても貴重で、得られた知見は以降の現場でも活かされました。
成長を支えたもの
入社後に台車センターに配属され、何年か経ったある時、とても厳しい作業長の下で業務することになりました。ただ、その厳しさのなかに、私を成長させようとしてくれているあたたかい思いがあるのを感じ、それが伝わってきたので、「やってやろう」という気持ちが芽生えました。必死で食らいついていった当時の経験の一つひとつが、今の私の糧となっています。その方は、技術者としての発想力、行動力もすばらしく、その点も尊敬していました。今は私が指導・育成する立場となりましたが、その先輩を模範とし、叩き込まれた技術やマインドを後進に継承していければと思います。
博多総合車両所 台車センター初の女性係長に。
試行錯誤するなかで、より良いリーダー像を探る
新幹線鉄道事業本部 博多総合車両所 係長
2019年6月に現場の係長となり、古巣である台車センターへ戻ってきました。毎月入場してくる車両の本数に合わせて作業工程を組むとともに、現場社員の把握や指導・育成が主な仕事となります。現在は2つの作業グループ(1グループ約10名)を受け持ち、個々の特性に配慮しながら、どのように声掛けをしていけばいいのかを自分でも試行錯誤するなかで、現場社員の指導・育成に当たっています。技術的なことのフォローよりも難しいのが、必要な作業にいかに能動的に取り組んでもらえるかという教育の部分です。指示されたことの意図や必要性が理解できなければ、納得感を持って作業には臨めません。「なぜ、この作業が必要なのか」が上手く伝わらなければ、言い方を変えて再度アプローチするなど、先輩係長のサポートのもと、自分なりのやり方を探りながら日々より良い職場づくりに努めています。大変なことが多い一方、裁量を持って自由にできる部分もあり、例えば「これまでとは少しやり方を変え、より作業効率を上げられるのではないか」といった自分なりの色を出し、職場に変化をつけられるのも今の仕事の魅力になっています。博多総合車両所の台車センターにおいて、私が初めての女性係長。まだまだ女性が少ない職場ですが、女性が働きやすい環境づくりに尽力するのも一つの目標です。私自身は係長としての仕事を確立し、そこで積み重ねていった経験を活かし、将来的には次のステップもめざせればと考えています。
私の地域への取り組み
新幹線テクノスに出向した際に、500系新幹線を改良しイベントカーの設計に携わりました。玩具メーカーと共同開発した「プラレールカー」で、大型ジオラマを中心としたお子様が遊べる空間を車内に設け、突起物や角を極力なくし、目につきにくい場所もクッション材を入れるなど、安全面に配慮した素材・形状で内装を仕上げました。完成後、試乗会に添乗させてもらいましたが、楽しそうに遊ぶお子様の姿を間近に見られて、すごくうれしかったです。この時に培った知見や人脈を活かし、次の車両改良グループ時代には、人気アニメとコラボレーションしたイベントカーも担当。こちらも、多くの方々に喜んでいただけました。