

総合職採用
施設(土木)
建設工事部
「地図に残る仕事がしたい」と思ってJR西日本に入社した私にとって、その夢が初めてかたちになる機会となったのが、北陸新幹線敦賀開業にあたっての新幹線敦賀駅の計画立案です。地形上の制約などから、当初の予定では新幹線と在来線は離れた建物になってしまい、利便性に問題がありました。私を含むチームメンバーが担当したのは、その問題を解決する駅構造物の計画を作ることです。さまざまな案が検討されたなかで最有力となったのが、駅の1階が在来線特急、2階がコンコース、3階が新幹線という、駅構造物としては“アクロバティック”ともいえる計画です。この案を作り上げる過程では、現地をつぶさに観察して状況を把握しました。そのうえで既成概念にとらわれない発想で計画を立案し、さらに、本当に実現可能なプランであるかを根拠に基づいて検証していきました。建設コストや輸送ダイヤなどに課題があったプランではあるのですが、解決に向け、他部署と協議を重ねながら実現可能な計画に落とし込んでいきました。その過程では、他者を巻き込んで合意を得ながら物事を進めるという、プロジェクト推進のノウハウを学ぶこともできました。そして何よりも、人と人とのつながりこそが鉄道を動かし、プロジェクトを成功に導くという、鉄道会社における建設部門の仕事のおもしろさを体感することができた出来事でした。
入社以来、それぞれの時期に出会った仲間に支えられてきました。当社の社員はとても仲間意識が強く、「困っている人がいたら助ける」という風土が根付いています。周囲に相談したら必ず応えてくれますし、相談するよりも前に、周りの人が気を配ってくれて声をかけてくれることもごく日常的です。部下を持ち、判断や指示をすることが求められる立場になってからは、「安全」という考えの拠り所があることが、成長を支えてくれています。判断に迷うような場面ではいつも、「安全上の懸念点はないか。あるならば、解決のために何を行うべきか」と考えます。その積み重ねが、スピーディーで的確な判断力を養うことにつながっていると思います。
国土交通省 都市局 出向
2015年4月から2年間、国土交通省都市局に出向しました。担当したのは、日本の都市交通システムの海外展開を支援する業務です。具体的には、ゆりかもめやポートライナーのように、ゴムタイヤで専用軌道上を走行するAGTや、モノレールなどの交通システムをアジアなどの新興国に紹介することです。在籍中は、対象となる国に出向いて政府関係者に説明を行ったほか、日本に招いて実際に乗車体験をしてもらう機会などを企画・実施しました。また、国内については、少子高齢化・人口減少が加速していくなかで、駅周辺に居住を誘導しようという「立地適正化計画」の策定支援も行いました。これらの業務を通じて改めて感じたのは、鉄道というものが、いかにまちづくりにおいて大きな役割を担っているかということです。日本は交通システムはもちろんのこと、それと一体になったまちづくりにおいても独自のノウハウを持っています。また、立地適正化計画では、まちの持続にとって、鉄道の駅がどれほど重要な役割を担うのかを学びました。出向する前は、政府の動きは遠い世界の出来事だと考えていました。それが、出向を通してダイレクトで身近に感じるようになりました。この経験を活かして、行政と協力しながら、持続可能な発展に向けた鉄道事業者としての取り組みに参画していきたいと考えています。
鉄道は地域に利便性をもたらしますが、そのためには線路や駅の工事という“迷惑”ももたらしてしまいます。だからこそ、行政や地域住民の方との十分な対話が重要だと考えています。地元の要望にしっかりと耳を傾け、同時に、当社としての希望や事情もていねいに説明していく。そうやってWin-Winの関係を築いていくことが、地域に求められる鉄道会社であるために、とても大切なことだと考えています。