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省エネルギー・CO2削減にむけて

JR西日本では、地球環境保護の観点から列車運行エネルギーのみならず、列車運行以外の省エネルギーにも取り組んでいます。

JR西日本の省エネルギー、CO2削減の取り組み

列車運行エネルギーの削減

JR西日本では消費エネルギーの8割以上を列車運行エネルギーが占めています。これを削減するため、ハード対策として、モーターを効率よく制御するVVVFインバータや、ブレーキ時にモーターが発電機となって発電する回生ブレーキなどの省エネルギー機能を備えた車両の導入や、送電設備の見直し、回生電力の有効活用(電車への送電ロスを低減させる上下タイき電の設置、電力貯蔵装置の開発など)などに取り組んでいます。また、その他、お客様のご利用状況に合わせた列車運行の見直しや回送列車の削減、省エネルギー運転の推進などにも取り組んでいます。

列車運行エネルギー低減の具体的取り組みの図
【直流電力変換装置の導入】直流電力変換装置は、電車のブレーキ時に発生する直流1,500Vの回生電力エネルギーを交流100Vや200Vに変換し、駅の照明などに無駄なく利用するために、JR神戸線(東海道本線)摩耶駅に、当社で初めて導入しました。同装置は一般家庭10世帯分の電力量(約100kWh/日)を賄える能力を備え、駅の消費電力削減に寄与しています。

列車運行エネルギーと省エネルギー車両の導入推移

平成27年度の車両キロあたりの消費エネルギー(1両を1キロメートル走行させるのに必要なエネルギー)は19.7メガジュールとなり、当社基準年の平成22年(2010年度)と比較して5%削減しています。
今後も、省エネルギー車両の導入など、列車運行エネルギーの低減に向けた取り組みを進めていきます。

列車運行エネルギーと車両キロあたりの消費エネルギーの推移グラフ
省エネルギー車両の導入推移(営業車)グラフ

駅、オフィス等での省エネルギー化・CO2削減の取り組み

駅・オフィス等で使用するエネルギーは列車運行エネルギーと比較すると少ないものの、約48.5億メガジュールに上ります。これらは列車の安全・安定輸送やお客様の利便性向上のために必要不可欠なエネルギーですが、その削減に向け、使用機器を現在の設備規模に合った高効率なものに取り替えるとともに、新たに導入する機器についても省エネルギー化の配慮を行っています。

列車運行以外のエネルギー消費の推移グラフ

エスカレーターの省エネルギー運転

インバータ制御を採用したエスカレーターを導入し、人感センサーによりお客様がいない待機時間帯に微速運転を行うことで、無駄な運転を少なくし、消費エネルギーの削減を図っています。

大阪駅のエスカレーター

照明・信号機の高効率化

信号機や照明の高効率化も重要な課題と位置づけています。信号機を電球式からLED(発光ダイオード)式にすることで、乗務員の視認性が向上し、消費電力の観点からも省エネルギー化が図られます。
事務所やホームなどの照明についても、白熱電球の蛍光灯化や省電力型蛍光灯、LED照明など高効率な機器の採用を進めています。

LED式信号機

エコステーション構想を推進

JR西日本では、省エネルギー照明や雨水利用、太陽光発電、屋上緑化など、地球環境に配慮した快適なエコステーションづくりを推進しています。

エコステーションとは、省エネルギー・省資源などの効果が駅全体として最大限に発揮される設計でなければなりません。そのため、計画、設計、施工、維持管理、運用など様々な分野の社員が共通認識を持つ必要があるとして、平成25年3月に共通の設計指針となる「エコステーション設計ガイドライン」を作成しました。

新駅設置やバリアフリー化、橋上化などの駅改良の際にこのガイドラインを活用することで、今後のエコステーション実現に努めていきます。

※エコステーション設計ガイドラインの概要
各章 主な考え方
第1章 エコステーションの背景 JR西日本はグループ会社と一体となって地球環境保護の取り組み、持続的発展が可能な社会の実現に貢献するために、地域の玄関口、お客様との接点である駅に対する取り組みをより着実に推進する。新駅設置やバリアフリー化、橋上化などの駅改良の際にこのガイドラインを活用すること。
第2章 エネルギー(電気) 標準駅における消費電力量の約半分が照明設備によるもので、昼間の昼光や太陽光発電、省エネルギー機器を導入することなどにより電力量を大幅に削減すること。
第3章 資源(水) 駅で使用される上水道の約85%がトイレで使用されており、給排水設備はトイレ周りを中心とし、雨水や湧水、地下水などを利用して積極的な節水技術を導入すること。
第4章 空気(温熱環境) 外気温や日射、人体からの発熱、設備機器からの排熱などの影響を減らすために、西日の影響を受けにくい建物配置や温熱シミュレーションなど、温熱環境をコントロールするための設計を行うこと。
第5章 マテリアル(建材) 長寿命化や木質化など修繕を繰り返しながら長期にわたり使用できるよう、非再生性資源材料の使用量削減(3R)に取り組むとともに、グリーン購入法特定調達物品情報システムやエコマーク商品の活用など、地球環境に配慮した建材を使用した設計を行うこと。
第6章 周辺環境、その他 鉄道の利用促進を図ることは、駅だけでなく地域全体でのCO2削減と省エネルギーに貢献するため、交通(鉄道・バスなど)・エネルギー・緑化(屋上・壁面)など様々な分野の技術を結集して駅の魅力向上を図ること。

JR神戸線 摩耶駅における取り組み

2016年3月、JR神戸線(東海道線)六甲道駅・灘駅間にエコステーション摩耶駅を開業しました。電車のブレーキで発電する回生電力を駅舎照明に使用する直流電力変換装置を当社で初めて導入し、さらには、自然の光や風の流れを利用し快適性を確保するとともに、太陽光発電や全照明のLED化など様々な環境保全技術を導入し、同規模駅に比べ一日のエネルギー消費量の約50%削減を達成しました。また、六甲山系の間伐材を内装に使用するなど森林整備にも寄与し、地域との共生を図っています。

エコステーション 摩耶駅

電力供給逼迫に対応した節電を継続

JR西日本グループを挙げて、節電の取り組みを継続実施しています。従来の取り組みに加え、エコステーションの検討で得た知見を活用し、照明回路の細分化や、高効率照明(LEDなど)への取り替えを進めています。また、可能な範囲で営業列車の車内消灯、エスカレーターの速度変更、自動改札機・券売機の一部停止なども実施しています。

大阪ステーションシティの熱供給システムの高効率運転(省エネルギー化)

大阪ステーションシティに冷暖房エネルギーを供給している当社グループの大阪エネルギーサービス株式会社は、地域冷暖房プラントの運用を毎年改善することで効率的な運転を行っていることが評価され、平成26年5月に「空気調和・衛生工学会 技術賞」を、平成26年9月に「豊かな環境づくり大阪府民会議 おおさか環境賞 奨励賞」を受賞しました。

  • 鉄道は環境負荷の少ない輸送機関
  • ちきゅうにやさしいでんしゃでいこう
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