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循環型社会の実現

循環型社会の実現に向けて

グループ全体で、設備の保守や工事、駅や列車から排出される廃棄物のリデュース、リユース、リサイクルの3Rを推進しています。特に鉄道資材発生品や駅や列車から回収されるごみのリサイクルについては目標を定めて取り組んでいます。

設備の保守や工事における廃棄物に関する取り組み

鉄道の安全運行を確保するための設備の保守や工事で発生した廃棄物は、受託工事を含め平成27年度は設備工事で12.9万トン、車両で1.7万トンでした。
資源を有効に使用し廃棄物を抑制する設計・工法を採用し、また、発生した資材の再利用の推進に取り組むことで、平成27年度は設備工事で96.7%、車両で93.2%を再利用しました。

鉄道資材における3Rの推移(設備工事)
鉄道資材における3Rの推移(車両)

駅や列車から排出されるごみに関する取り組み

駅や列車から排出されたごみは、平成27年度1.3万トンでした。
分別ごみ箱を設置し、お客様にもご協力いただきながら、空き缶やペットボトルなど資源ごみの回収に取り組むことで、平成27年度は98.3%をリサイクルしました。

リサイクルフロー
駅ごみ・列車ごみ(資源ごみ)のリサイクルの推移

3Rの具体的な取り組み

リデュース(使用資源の削減及び廃棄物の発生抑制)

ガラスコーティング技術導入によるワックス液の削減

一般に、車両などの床はワックスによるメンテナンスで美しい床面を保っていますが、ワックス除去のために使用する剥離剤は環境負荷が高く、また耐久性が低いため、1〜2ヶ月ごとに再塗布が必要です。そこで、ワックスの10倍以上の耐久性があり、剥離剤を使用しないガラスコーティング技術の導入に取り組んできました。試験段階では試行錯誤を繰り返しながらもノウハウを蓄積し、良質なガラスコーティング施工技術を確立しました。その結果、2017年には剥離廃液は2012年比で70%以上の削減を見込んでいます。

これにより、産業廃棄物の発生抑制と、メンテナンス原料であるワックス材を削減し、環境負荷の低減にも貢献できます。

ロングレール化・PCまくらぎ化

鉄道の安全を支えるレールやまくらぎは、安心して長く使用できる材料でなければなりません。レールについては、継目をなくしたロングレール化を進めることにより、レールの長寿命化と継目材料の削減を図っています。なお、ロングレール化は列車の走行抵抗や騒音・振動の低減にも効果があります。また、まくらぎは古くはほとんどが木製でしたが、耐久性の高いPC(コンクリート)まくらぎの導入を進めています。安全性向上だけでなく、廃棄物の発生抑制、ひいては原料木であるケンパスの伐採を削減し、森林保護にも貢献できます。

PCまくらぎ
PCまくらぎとは、「プレストレスト・コンクリートまくらぎ」のことで、コンクリート内に、鉄筋のほか、PC鋼線を挿入し、コンクリートに事前に張力を加えるものです。これにより、ひび割れなどが防げ、まくらぎの強度も増します。

レールの摩耗防止

レールは、車輪との摩擦により、少しずつ摩り減っていきます。この摩耗を防止するための装置を沿線に設置していますが、一部に太陽電池を電源に利用した装置を導入しています。
摩耗防止でレールの長寿命化に寄与しているほか、その電源に太陽電池を用いることで、より環境に配慮した装置としています。

太陽電池を電源に用いた電動塗油器

【リデュース】IC乗車券「ICOCA」の導入による
きっぷなどの削減

近距離利用の利便性向上(きっぷの購入が不要、改札機にタッチするだけで利用可)などを目的として導入されたIC乗車券「ICOCA」は、繰り返し使用できるため、従来の磁気きっぷや磁気定期券の発行枚数削減にも効果があります。

2003年に京阪神エリアに「ICOCA」を導入し、2007年に岡山・広島エリアにも「ICOCA」を導入しました。また、2013年には10の交通系ICカード相互利用を開始するなど、さらなる利便性向上を図った結果、当社ICサービスエリアにおけるIC乗車券のご利用は全体の6割程度になり、近距離きっぷ(磁気きっぷ)の割合が相対的に減少してきています。

これにより、廃棄物の発生抑制と、きっぷの原材料である紙を削減し、森林保護にも貢献できます。

新規ウインドウで開きます。IC乗車券「ICOCA」の詳細ページへ(おでかけネット)

ICOCA定期券

き電線の発生抑制

従来の直流電車線路設備は、図のシンプルカテナリ架線で、き電線、吊架線、トロリ線で構成されており、ハイパー架線は、き電吊架線とトロリ線で構成され簡素化された設備です。き電線の乗数、吊架線、支持金具、がいしなどの部品数の削減やメンテナンスの省略化により、資材投入量、廃棄量を抑制しています。

リユース(再利用)

新幹線から在来線へのバラスト・レールの再利用

新幹線で使用されたレールやバラストの一部は、社内のリサイクル施設で在来線の基準を満たすように整備したうえで再利用しています。また、再利用できないバラストについては、破砕や選別を行い再生砕石(注釈1)、再生骨材(注釈2)、再生路盤材(注釈3)にするなどリサイクルしています。

〈主な用途〉
  • (注釈1)建物基礎下の地盤整備や道路用砕石やクッション用砂・埋め戻し用砂などに使用します。
  • (注釈2)コンクリートを造るうえで、セメント、水と練り混ぜて使用します。
  • (注釈3)道路舗装の一部を構成する部材として下層に敷き詰め、道路表層から伝達される荷重を分散して受け止め地表に伝える役割をします。

発生バラストのリユース率向上

山陽新幹線の道床修繕工事で発生した道床バラストについては、従来、表層部分のバラストを人力で再使用していましたが、新型道床交換機を用いて道床バラストを掘削・回収後、保守基地にて小型自走式スクリーンを用いて道床バラストのふるい分けすることにより、交換する道床バラスト量に対する再使用率がこれまでの20%から40%以上に向上させることができました。
発生道床バラストの再使用率を高めることにより、道床修繕工事における山から砕石として採取される新バラスト量を削減できます。

リサイクル(再資源化)

分別ごみ箱の設置

お客様に分別にご協力いただきやすいように、投入口の形の改善やわかりやすい表示を心がけ、駅のホームには透明で最大4分別できるごみ箱を設置しています。一方、列車内ではスペースを勘案し、2分別のごみ箱設置を進めています。

駅ホーム用 分別ごみ箱

列車内用 分別ごみ箱

木まくらぎのリサイクル

木まくらぎのリサイクルの流れ

木まくらぎは従来、交換後大半が焼却処分されていましたが、バイオマス燃料として活用できるルートを開拓し、サーマルリサイクルの拡大を推進しています。

きっぷのリサイクル

使用済みの乗車券は、正しく使用されているかチェックしたのち、製紙会社に送られ、トイレットペーパーや建材向けのパルプとしてリサイクルしています。

オフィスごみの削減

本社や支社で発生するオフィスごみは分別回収の徹底を図り、リサイクルに努めています。また、電子ファイリングや、会議・打ち合わせ等への電子システム導入により、レスペーパー化を図り、紙使用量の削減に努めています。

リサイクルボックス

駅ビルやホテルにおけるごみのリサイクル

鉄道だけでなく、駅ビルやホテルでのリサイクルも重要な課題と考えています。大阪ステーションシティ サウスゲートビルディング(旧アクティ大阪)ではテナントから発生したごみを分別回収しテナントごとに計量のうえ、食品ごみや段ボール、カン、ビンなどをリサイクルしています。こうした取り組みが評価され、平成20年度大阪市長表彰(ごみ減量優良建築物)に選ばれました。

サウスゲートビル

大阪市長表彰の盾

サウスゲートビルでのごみ計量

また、京都駅前地下街「ポルタ」を運営する、京都ステーションセンター株式会社では京都市の「ごみ減量・3R活動優良事業所」に、平成24年度に引続き平成26年度も認定を受けました(認定は2年間有効)。これは、同社が、ごみの減量や分別を推進するに当たって各テナントショップと一体となり、強力な取り組みを展開したことが評価されたものです。

京都駅前地下街「ポルタ」

京都市の認定証

ごみの分別

古紙の効率的な循環リサイクルの構築

株式会社ジェイアール西日本マルニックスでは、JR西日本内で発生した使用済み車内吊り広告やパンフレットなどの古紙を、各駅で使用するトイレットペーパーにリサイクルする仕組みを構築しました。

従来、これらの古紙は担当箇所ごとで業者に売却する一方で、トイレットペーパーはメーカーから購入し、各駅などに配送していましたが、これらの古紙を集約・一括搬送し、同じ車で同一市内にあるメーカーから再生トイレットペーパーを各駅に供給する、一貫循環リサイクル物流システムとしました。

これにより、JR西日本内で発生する古紙が安定的に効率よくトイレットペーパーに再生される上、物流に関わるトラックの走行距離が大幅に減少しました。

この取り組みが評価され、平成24年10月に「日本ロジスティクスシステム協会 環境賞」を、平成25年10月に「リデュース・リユース・リサイクル推進協議会 会長賞」を受賞しております。

なお、平成26年度からは、列車で使用するトイレットペーパーにも、同システムによる供給を行っています。

ロジスティクス大賞の賞状

水資源の有効活用

地球上に存在する水資源のうち、私たちが利用可能な水資源は全体の約0.01%であり、水資源とは非常に貴重な資源であるといわれています。水資源の確保が困難化される昨今、JR西日本では、飲料水や調理、トイレ等の生活用水の節水利用や、工場等で利用する冷却水や洗浄水などの工業用水などの循環利用など、水資源の保全や有効活用に取り組んでいます。

排水処理装置での循環利用

車両のメンテナンスを担当する事業所では、車体洗浄などで発生した汚水を処理するために排水処理装置を設置しています。

この装置により、浄化された水を再度、車両設備の洗浄水として使っています。

排水処理装置での循環利用

雨水の循環利用

大阪ステーションシティ(ノースゲートビルディング)では1日に使用するトイレ洗浄水約870m3の約70%を再生水でまかなっています。

ドーム大屋根に降った雨水は線路上空の連絡配管を通ってノースゲートビルディングに運ばれます。雨水はろ過し、浄化処理した雑排水とともに地下再生水貯留槽に貯めた後、トイレ洗浄水として使っています。

内部サイトリンク 新規ウインドウで開きます。大阪ステーションシティ地球環境への取り組み

駅トイレのリニューアル

2013年度から「大阪環状線改造プロジェクト」をスタートし、大阪環状線のイメージアップと満足度向上を図っています。本プロジェクトの重点施策の「安全・快適な駅づくり」では、駅トイレの改良を重点項目と位置づけ、「暗い・臭い・汚い」の解消を基本とし、社会環境の変化もふまえた快適なトイレ空間を目指します。

また、リニューアルに併せて洗浄水量の少ない節水型衛生器具を採用し、洗浄水や手洗水を節水しています。

駅トイレのリニューアル

  • 鉄道は環境負荷の少ない輸送機関
  • ちきゅうにやさしいでんしゃでいこう
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