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総合職採用

施設(土木)

構造技術室 課長 荒巻 智 1994年 入社

Career Step

  1. 1994年金沢支社 福井保線区
  2. 1997年金沢支社 施設課
  3. 1998年施設部
  4. 1999年米子支社 米子保線区
  5. 2000年施設部
  6. 2003年大阪建設工事事務所 施設技術課
  7. 2004年大阪建設工事事務所 大阪工事所 係長
  8. 2005年(株)レールテック 出向
  9. 2006年施設部
  10. 2008年広島支社 小郡土木技術センター 助役
  11. 2010年施設部 課長代理
  12. 2012年広島支社 広島土木技術センター 所長
  13. 2015年構造技術室 担当課長
  14. 2018年施設部 担当課長
  15. 2020年近畿統括本部 施設課 担当課長
  16. 2022年近統統括本部 施設部 課長
  17. 2023年構造技術室 課長

おおさか東線の高架橋を立ち上げ。
保守に活きる建設の仕事を学ぶ

大阪建設工事事務所 大阪工事所 係長

学生時代にトンネルの研究に取り組み、広大なエリアに土木構造物を有していることに魅力を感じて選んだのがJR西日本。そういった経緯もあり、入社以来、線路の保守、橋梁、高架橋、トンネルなど構造物の維持管理に携わってきました。そうして迎えた入社11年目。建設中のおおさか東線において、放出~久宝寺間の高架橋の建設を担当することになりました。高架橋を保守するのと建設するのとはまったく異なる仕事。また、当時、部門間の交流も限定的でした。しかし、建設を知ることは構造物の理解につながる貴重な機会。そんな思いから、新たな仕事にチャレンジしました。建設工事を進めるにあたり、工事を行う建設会社はもとより、設計を行う当社グループ会社、さらに電気などの社内の他部署や地元である大阪市など、多くの関係者との調整が欠かせませんでした。「花の建設、涙の保全」という言葉にあるように、建設は華やかな仕事に思われがちです。それが実際には、地道で綿密な計画の積み重ねであることを体験し理解できたことは大きな収穫でした。以前から、上司より、耐久性や保守のしやすさに配慮した設計をすることや、建設時の記録を残すことが保守の際に役立つことを聞いて、知識として理解していました。建設の現場に携わり、それらのことが実際に行われている様子を目の当たりにしました。建設と保守の連携の大切さを実感したことも、その後の仕事を行ううえでの大きな財産になりました。

成長を支えたもの

入社して6年目の1999年に、山陽新幹線のトンネルからコンクリートが落下するという事象が発生しました。安全が至上命題である当社にとって、このことは会社の存続に関わる問題でした。事象発生後まもなく、所属していたのはコンクリートの維持管理を担当する部署。上司や先輩の危機感は尋常ではありませんでした。幾多の難局に対して逃げずに立ち向かい、これらを乗り越えていく方策を打ち出す上司・先輩の姿を目の当たりにするなかで、「自分もこうなりたい」と強く感じたことを覚えています。この時の経験が、その後の私を支えてきたように思います。

災害からの復旧を陣頭指揮。
鉄道と地域とのあり方を見つめ直す

広島支社 小郡土木技術センター 助役

2009年7月、平成21年中国・九州北部豪雨が山口県を襲いました。管内の多くの路線に、土砂流入や盛土崩壊など、被害が多数発生。小郡土木技術センターで助役を務めていた私は、災害対応の陣頭指揮を取ることになりました。災害時には、まず災害状況の把握を行うことが復旧計画を立案するために重要であり、迅速な人員の確保が不可欠です。しかし、実際は道路の通行止めや交通渋滞、次々に発生する新たな被害などで、人を派遣することも集めることも難しかったです。この時の経験から、災害時には人の確保こそが重要課題であることから、日頃から所員に対して異常時対応を鍛えておくことや、他拠点から応援を要請できる体制を整えておくことが大切だと学びました。図らずもこの経験が活きたのが、2014年に広島市で発生した平成26年8月豪雨です。この時は山口での経験を思い出しながら、落ち着いて対処することができました。ただ、広島での災害では、線路沿いの多くの住民が被災されていました。「鉄道の復旧はもちろん大切だが、本当にそれが最優先すべきことだろうか?」と考えた末、復旧を担当していた関係者で話し合い、道路や民家に押し寄せた土砂撤去のお手伝いもするという判断をしました。鉄道の復旧は、線路沿いの復旧が落ち着いてからと考えたのです。災害の復旧は当社だけでは成り立ちません。地域と歩調を合わせ、協力することで災害復旧が進んでいく。そのことを強く感じた出来事でした。

私の地域への取り組み

構造物の維持管理において、補修・補強工事を行うことがあります。その場合、どうしても騒音・振動や交通規制など、沿線地域へご迷惑となることが発生してしまいます。しかも鉄道における工事の多くは夜間に行われます。そんななかで、いかにして地域への影響を最小限にすることができるかを、常に考えています。説明会を開いたりご挨拶に回ったりして、十分にコミュニケーションを図りながらご理解をいただくこともそのための方法の一つ。例えば、防音シートの活用や極力工期を短くするなど、さまざまな手法で、地域の皆様への負担軽減に取り組んでいます。

技術の核となる部署に異動。
大先輩からバトンを受け継ぐ

構造技術室 担当課長

構造物の維持管理に携わる過程で、入社して10年目頃から、「コンクリートの維持管理は荒巻に聞けと言われるように詳しくなりたい」という思いを持つようになりました。会社の技術コアとなることをめざして、2008年に発足した構造技術室。自分自身の技術力を高めて、いつかは構造技術室のメンバーになりたいと思っていました。そして、2015年、構造技術室に異動になりました。当時、私が業務を引き継いだ課長は、国鉄の構造物の技術基準の作成や、新幹線構造物や長大橋の設計・現場指揮、さらには構造物の維持管理を行ってきた大ベテラン。まさに、私自身がめざす人物でした。課長が大切にしていた教えの1つが、「設計を理解すれば、必ず構造物を効率的に維持管理できる」というもの。私は設計があまり得意ではなかったのですが、課長自らが講師を務める研修において、私自身も講師を務めることで設計について多くのことを学びました。おかげで、自分自身の幅を広げることができました。また、構造技術室に在籍している間に、メンバーと一緒になって、山陽新幹線のコンクリート問題に対する取り組みをまとめ、その内容がインフラメンテンナンス大賞の優秀賞として評価されたことも、とても印象に残っています。