2009年度 環境管理
地球環境に優しい事業活動を目指して、各事業所の事業内容に基づいた環境管理システムを構築しています。環境審査や教育を通じて、法令順守や環境汚染事故防止、環境負荷低減に努めています。
ISO14001認証とJR西日本独自の環境マネジメントシステム
環境管理は、環境リスクの回避や環境負荷低減のために有効な手段であり、当社では、環境マネジメントシステムの国際規格ISO14001を環境負荷が比較的高く大規模な事業所(4事業所)で取得しています。
箇所名 | 所在地 | 担当車両数 | 社員数 (協力会社を含む) |
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金沢総合車両所 | 石川県 | 586 | 394 |
吹田工場 | 大阪府 | 2,043 | 795 |
網干総合車両所 | 兵庫県 | 2,059 | 626 |
博多総合車両所 | 福岡県 | 881 | 1,536 |
(平成21年3月31日現在)
また、ISO14001に準拠しつつ、 法令順守を基本にした環境審査(第二者監査)に重点を置いた当社独自の環境マネジメントシステムを駅やメンテナンス部門(207事業所)で、グループ会社と一体となって展開しています。
グループ会社のISO認証取得
グループ会社74社中11社(平成21年12月31日現在)がISO14001認証を取得しているほか、5社がNPOや業界独自の環境マネジメントシステムの認証を受けており、地球環境保護に積極的に取り組んでいます。
認証取得会社名 | 認証取得時期 | 主な事業内容 |
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株式会社ジェイアール西日本新幹線テクノス | 1999年8月 | 車両検修・保守・整備作業・物流 |
株式会社ジェイアール西日本メンテック | 2000年1月 | 車両の清掃・検査修繕・入換、商業ビルの清掃、ホテル厨房内洗い場作業 等 |
株式会社ジェイアール西日本総合ビルサービス | 2000年11月 | 設備管理業務、本社事務業務 |
大阪ターミナルビル株式会社 | 2000年12月 | 不動産賃貸業、ビル管理業、駐車場業、広告業、広告施設の賃貸業 |
株式会社ジェイアール西日本金沢メンテック | 2002年11月 | 本社の計画管理業務及び金沢駅における清掃サービス業務 |
株式会社ジェイアール西日本広島メンテック | 2005年4月 | 車両清掃、構内入換、駅舎清掃業務 等 |
大鉄工業株式会社 | 2005年6月 | 土木構造物・建築構造物の設計、施工及び線路構造物の施工 |
株式会社ジェイアール西日本テクノス | 2005年12月 | 鉄道車両部品の保守、検修設備保守 |
株式会社JR西日本テクシア | 2005年12月 | 環境関連の測定、分析、調査、環境関連設備の提供・販売 |
西日本電気システム株式会社 | 2007年6月 | 鉄道電力設備・信号通信設備の設計・施工 |
京都ステーションセンター株式会社 | 2008年3月 | 不動産賃貸業並びに小売業及び飲食業 |
認証取得会社名 | 認証取得時期 | 認証取得した環境マネジメント名 | 主な事業内容 |
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株式会社ジェイアール西日本ホテル開発 | 2005年4月 | KES(ステップ2) | ホテル業 |
株式会社ジェイアール西日本伊勢丹 | 2005年10月 | KES(ステップ2) | 百貨店業 |
三宮ターミナルビル株式会社 | 2009年1月 | KES(ステップ1) | ホテル業 |
株式会社ホテルグランヴィア広島 | 2009年2月 | KES(ステップ2) | ホテル業 |
株式会社ジェイアール西日本マルニックス | 2008年1月 | グリーン経営認証 | 貨物運送業 |
グループ会社の受賞事例
京都駅前地下街「ポルタ」を運営する京都ステーションセンター株式会社は、平成20年6月に電力の有効活用など省エネルギー化の取り組みを積極的に行ったとして、近畿電力利用合理化委員会から表彰されました。
環境審査
社外機関の協力によりISO19011(環境マネジメントシステム監査のための指針)に基づく一定の資格を有した担当者が、毎年、事業所の取り組み指導を兼ねた社内審査を実施しています。
審査は、環境マネジメントの適合性の評価(ルールを順守しているかどうか)を重視したうえで有効性の評価(さらに進んだ取り組みが行われているかどうか)を加えて実施し、優秀な箇所には社長表彰を行っているほか、不具合のあった箇所では是正を行っています。

環境審査
環境リスクマネジメント
油・化学物質・廃棄物等の取り扱いや管理について、法令等への抵触や取り扱い誤り、行政機関等の立入検査などの報告要領を定め、事象の範囲・大小に関わらず関係機関や社内への報告を行っています。平成20年度は、107件の報告がありました。また報告内容を参考に緊急事態を想定した訓練も実施しています。
変電所絶縁油漏えい事故への対応
平成21年6月に変電所内の変圧器から841リットルの絶縁油を敷地内に漏えいさせてしまいました。
この事故を受け、緊急一斉点検、弱点箇所の補強、機器点検方法を見直した新たな点検マニュアルを作成し、水平展開を図ることで再発防止に努めています。

環境教育
「法令順守を基本に、環境の視点から自分たちの日常業務を見直していく人材」の育成を目指し、本社・支社において、環境管理指導者が中心となり、グループ会社の従業員もあわせて体系的に教育を実施しています。
また、JR西日本独自の環境マネジメントシステムにあわせた教材「環境管理テキスト」をもとに、現場に即したわかりやすい教育を行い、環境に精通した人材育成に努めています。



環境管理優秀職場の表彰
2008年度の環境審査は法令順守を基本に、環境汚染事故の防止や環境負荷低減に向けた各系統の業務に合った取り組みがなされているかを評価する環境審査を実施し、取り組みが優秀な箇所及び著しい改善が見られた箇所について表彰を行ないました。

支社 | 箇所 |
---|---|
米子支社 | 浜田鉄道部 |
新幹線管理本部 | 姫路新幹線保線区 |
部門 | 支社 | 箇所 |
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鉄道部 | 広島支社 | 山口鉄道部 |
駅 | 広島支社 | 広島駅 |
車両 | 米子支社 | 後藤総合車両所 |
保線 | 神戸支社 | 神戸保線区 |
電気 | 新幹線管理本部 | 小郡新幹線電気区 |
支社 | 箇所 |
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金沢支社 | 富山運転センター |
支社 | 箇所 |
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京都支社 | 大津駅 |
京都支社 | 堅田駅 |
神戸支社 | 加古川鉄道部 |
神戸支社 | 姫路鉄道部 |
浜田鉄道部の取り組み(平成20年度JR西日本環境大賞受賞)
米子支社浜田鉄道部では、社員間で情報を共有しながら、職場全体で日常的に「エコキャップ運動」や「アイドリングストップ」に取り組み、地球環境保護を推進しています。

テレビ報道がきっかけで、自分たちにも気軽にできるのではないかと、キャップの回収を始めました。回収状況がタイムリーにわかるポスターを楽しみながら作成し、地球環境委員会や職場内掲示板を活用して周囲にも参加を呼びかけています。
省資源の取り組み 「エコキャップ運動」
気軽にできる地球環境保護活動として、平成20年10月より、ペットボトルのキャップを集めて、業者に販売した利益によりワクチンを購入し、発展途上国の子供に贈るという「エコキャップ運動」に、グループ会社を含めた職場全体で取り組んでいます。
活動開始から平成22年1月現在までで78,360個のキャップを回収し、約617キログラムのCO2削減を行うとともに、98名分のポリオワクチン購入にもつなげています。

キャップ回収箱の上にもポスターを掲示しています
省エネルギーの取り組み「アイドリングストップ」
燃料の使用量を減らせば地球環境保護につながるのではないかと考え、平成9年より、キハ120系車両を中心に、お客様がいらっしゃらない状態での停車時間が30分以上ある列車で、エンジンをかけたままにすることをやめる「アイドリングストップ」を実施し、CO2を削減しています。
また平成15年に導入されたキハ187系車両では、サービス機器を動かす発電用エンジンと駆動用エンジンが分かれており、駆動用エンジンを止めてもお客様への影響がない構造になっています。このことに着目し、平成21年2月より米子支社全体で、終着駅の折り返し場面で停車時間が15分以上ある列車で、アイドリングストップに取り組んでいます。

キハ120系車両

キハ187系車両
鉄道部で毎月開催する地球環境委員会では、「エコキャップ運動」などに対する箇所ごとの取り組み状況や独自の工夫を紹介し、グループ会社を含めて情報の共有を図っています。
また、社員の地球環境保護への関心を高めるため、省資源・省エネルギー・リサイクルなど専門部会のリーダーを任せ、活動へのきっかけを意識的につくり出しています。
こうした取り組みにより、互いにコミュニケーションを取りながら、社員一人ひとりの意識を高め、職場全体が日常的に地球環境保護に取り組む風土を築いています。
