法令順守と汚染の予防
法令順守
地球環境保護における法令の順守は、事業活動の基盤をなす重要な課題であるとの認識のもと、日常業務における化学物質や廃棄物の適正な管理に取り組んでいます。さらに、環境汚染の防止や騒音・振動など地域の生活環境への配慮にも取り組んでいます。
2018年度については、重大な環境関連法規制等の違反(罰金/制裁措置)はありませんでした。今後も継続して適正管理に努めていきます。
PCBの処理
PCB[注釈1]が使用された変圧器、コンデンサ、蛍光灯安定器や、PCB油が付着したバラストや汚泥などのPCB汚染物は、「廃棄物処理法」や「PCB特措法」の基準などに従って厳重に保管・管理しています。
「PCB特措法」で2027年3月までの処理が義務付けられており(2012年12月の法改正により、処理期限が2016年7月から延長されました)、2007年1月よりJESCO(中間貯蔵・環境安全事業株式会社)の処理施設で当社保管のPCB機器の処理を開始し、2018年度末までに累計で7,223トンを処理しました。今後も保管・管理の徹底と、確実な処理を進めていきます。
- [注釈1]PCBとは、ポリ塩化ビフェニルの略称です。難分解性のため環境に蓄積し、人の健康に影響を与えるとして、現在は使用が禁止されています。
PCB搬出作業
PRTR法への対応
各事業所において、使用する化学物質の種類や量を把握するとともに、保管・管理の徹底、使用量の削減に取り組んでいます。2018年度にPRTR法[注釈1]に基づき行政に排出量・移動量を届け出た事業所は6箇所で、車両メンテナンス時の塗装工程で使用される有機溶剤などが届出対象となっています。
- [注釈1]PRTR法とは、有害性が疑われる化学物質が、どこからどの程度環境へ排出されたか、廃棄物として事業所外へ運び出された量を把握し、集計・公表することを定めた法律です。(正式名称「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律」)
2016年度 | 2017年度 | 2018年度 | ||||
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化学物質名称 | 大気への 排出量 |
移動量 (当該事業所外) |
大気への 排出量 |
移動量 (当該事業所外) |
大気への 排出量 |
移動量 (当該事業所外) |
石綿 | 0 | 2,830 | 0 | 0 | 0 | 1,200 |
エチルベンゼン | 1,230 | 240 | 0 | 0 | 0 | 0 |
キシレン | 4,892 | 787 | 5,000 | 730 | 4,855 | 370 |
クロム | 160 | 920 | 0 | 0 | 0 | 0 |
ジクロロペンタフルオロプロパン (HCFC-225) |
930 | 230 | 930 | 230 | 930 | 230 |
スチレン | 530 | 2,120 | 530 | 2,070 | 330 | 1,350 |
1,2,4-トリメチルベンゼン | 919 | 281 | 1,048 | 193 | 416 | 120 |
トルエン | 4,900 | 6,328 | 5,600 | 6,480 | 6,300 | 6,837 |
ポリ塩化ビフェニル(PCB) | 0 | 10,000 | 0 | 4,400 | 0 | 5,800 |
メチルナフタレン | 28 | 0 | 30 | 0 | 28 | 0 |
(単位はキログラム)
大気汚染防止法への対応
国や県・市が定める規制基準および自主基準に基づき、VOC(揮発性有機化合物)や、NOx(窒素酸化物)の排出量を測定・報告しています。
NOx(窒素酸化物)は、窒素の酸化物(NO、NO2、N2O4、N2O3、N2Oなど)NO、の総称で、工場のボイラー燃焼や自動車の排気ガスなどから発生します。
VOC(Volatile Organic Compound)とは、揮発性を有し大気中でガス状となる有機化合物の総称です。VOCは主に、塗料、印刷インキ、接着剤、洗浄剤などに使用されています。
- 集計対象は、大阪府・兵庫県で排出された自動車の排気ガスです。
- 集計対象物質は、PRTR法対象物質の内のエチルベンゼン、キシレン、ジクロロペンタフルオロプロパン(HCFC-225)、スチレン、1,2,4-トリメチルベンゼン、トルエンの6項目です。
揮発性有機化合物などの管理
列車の車体や地上設備など、多くの場所で塗料を使用していますが、塗料の種類によっては環境に悪影響を与える可能性のある物質を含んでいます。
塗料の使用量を削減するために、ステンレスの車体を採用したり、橋梁・電柱などへの構造物へ塗装の必要がない耐侯性鋼材を使用したりしています。また油性塗料から水性塗料への転換の検討も行っています。
-
ステンレス車体
-
耐侯性鋼材を使用した橋梁
オゾン層破壊物質の管理
現在、車両や建物の空調機などに冷媒としてフロンガスを使用しています。そのうちCFC(クロロフルオロカーボン)とHCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)は、太陽が発する強力な紫外線から地球を保護しているオゾン層を破壊する物質として「オゾン層保護法」によって使用が規制されています。
これらの物質を、オゾン層に与える影響が少ない物質に転換するとともに、空調機のメンテナンスや廃棄の際には大気への放出を防止するために専用の回収器を使用し、オゾン層保護に努めています。
フロンガスの回収
土壌汚染の措置
用地の売却や建設工事において、その土壌から土壌汚染対策法に定める基準値を超える特定有害物質が検出された場合は、定められた措置方法に基づき適切に処理を行っています。
排水の管理
車両のメンテナンスを担当する事業所では、車体洗浄などで発生した汚水を処理するために排水処理装置を設置しています。これら装置により、排水は法規制を遵守した処理を行うとともに、装置の維持・管理に万全を期しています。
米子施設区では、西鳥取車両支部の排水処理装置の老朽取り替えにおいて、環境に配慮した検討を行い、エネルギー消費量が少ない電解処理方式を採用しました。
沿線環境への配慮
新幹線の騒音、振動、及び在来線の新設・大規模改良時における騒音に対しては、基準や指針などが定められており、地上設備、車両の両面から対策を行っています。
新幹線においては、地上設備では、防音壁の設置やレールの削正[注釈1])、弾性まくらぎの敷設[注釈2]などを実施しています。また、車両では新幹線N700系において、車両の平滑化、低騒音パンタグラフの採用などを行い、環境との適合に配慮しています。
在来線においては、新設や大規模改良などの機会にあわせて、必要により防音壁の設置やロングレールを敷設するとともに、車両のモーターファンの低騒音化、車輪フラット削正[注釈3]などを行っています。保守作業においては、作業時に作業空間を遮蔽する遮音板を装備したマルタイ[注釈4]を使用し、作業騒音の低減に努めています。
新幹線の防音壁
マルタイ
- [注釈1]レールの削正:列車が走ることでレールにできる凹凸を平らにすること。レールと車輪が走行中につねに密着するため騒音が低減します。
- [注釈2]弾性まくらぎ:コンクリートまくらぎの底面にゴムを貼り付けたもので、通過する列車の騒音・振動が低減します。
- [注釈3]車輪フラット削正:車輪に生じた偏摩耗を削って、もとの円に戻す作業のこと。
- [注釈4]マルタイ:線路の上下及び左右方向の狂いを修正し、バラストを締め固める大型機械。
汚染の予防
環境リスクマネジメント
環境に影響する事象について、事象の大小に関わらず報告・届出等の対応をルール化、情報を共有化するとともに、緊急事態を想定した訓練を実施することにより、同種事象の再発防止に取り組んでいます。
なお、2018年度は、77件の報告がありました。
環境教育を通じた内部監査や環境審査(第2者監査)により、重大汚染事故や環境法規制違反は発生していません。
緊急事態を想定した訓練の様子
ISO14001認証取得とJR西日本独自の環境マネジメントシステム
鉄道は他の輸送機関に比べて環境に優しい乗り物ですが、事業活動において、廃棄物や油脂類、化学物質等を取り扱っており、この取り扱いを誤ると地球環境に影響を与えることになります。こうしたことから当社は地球環境に優しい事業活動を目指して、各事業所の事業内容に応じてISO14001に準拠して構築した独自の環境マネジメントシステムを推進し、法令の順守※はもとより環境汚染リスクの回避、環境負荷低減等に日々取り組んでいます。
- 当社では法令等の遵守について「遵守」の漢字を用いていますが、地球環境分野においては、ISO等の認定機関である公益財団法人日本適合性認証協会の指針に基づき「順守」を用いています。
ISO14001認証箇所
環境管理は、事業活動によって生じる環境の影響を把握し、環境汚染のリスク回避や環境負荷低減のために有効な手段です。当社では、環境マネジメントシステムの国際規格ISO14001を環境負荷が比較的高く大規模な事業所(4事業所)で取得しています。
また、ISO14001に準拠しつつ、法令順守と汚染の予防を基本にした当社独自の環境マネジメントシステムを駅やメンテナンス部門(222事業所)に導入しています。全社員が日常業務を地球環境の視点から見直し、継続的な改善を続けるため、グループ会社と一体となった取り組みを展開しています。
箇所名 | 所在地 | 認証取得時期 | 認証機関 | 担当車両数 | 社員数 (協力会社を含む) |
---|---|---|---|---|---|
金沢総合車両所![]() |
石川県 | 2001年5月 | JQA[注釈2] | 412両 | 282名 |
吹田総合車両所![]() |
大阪府 | 2006年5月 | JACO[注釈1] | 1,680両 | 671名 |
網干総合車両所![]() |
兵庫県 | 2001年12月 | JQA[注釈2] | 2,116両 | 716名 |
博多総合車両所![]() |
福岡県 | 1999年8月 | JACO[注釈1] | 1,007両 | 1,469名 |
(2019年6月現在)
- [注釈1]JACO:株式会社日本環境認証機構
- [注釈2]JQA:一般財団法人日本品質保証機構
JR西日本グループ会社のISO14001認証取得箇所
JR西日本グループは、鉄道を中心とする輸送サービスやその特性を活かした生活関連サービスに加え、新たな事業分野に取り組むなど、グループの社員が一丸となってさまざまな事業活動を行っています。
JR西日本グループ会社70社中3社がISO14001認証を取得しているほか、7社がNPOや業界独自の環境マネジメントシステムの認証を受けており、地球環境保護に積極的に取り組んでいます。
認証取得会社名 | 認証取得時期 | 認証機関 | 主な事業内容 |
---|---|---|---|
大阪ターミナルビル株式会社![]() |
2000年12月 | JACO[注釈1] | 不動産賃貸業、ビル管理業、駐車場業、広告業、広告施設の賃貸業 |
大鉄工業株式会社![]() |
2005年6月 | MSA[注釈3] | 土木構造物・建築構造物の設計、施工及び線路構造物の施工 |
株式会社JR西日本テクシア![]() |
2005年12月 | JQA[注釈2] | 環境関連の測定、分析、調査、環境関連設備の提供・販売 |
(2019年10月1日現在)
- [注釈1]JACO:株式会社日本環境認証機構
- [注釈2]JQA:一般財団法人日本品質保証機構
- [注釈3]MSA:株式会社マネジメントシステム評価センター
認証取得会社名 | 認証取得時期 | 認証取得した 環境マネジメント名 |
主な事業内容 |
---|---|---|---|
株式会社ジェイアール西日本ホテル開発![]() |
2005年3月 | KES(ステップ2) | ホテル業 |
京都ステーションセンター株式会社![]() |
2017年9月 | KES(ステップ2) | 不動産賃貸業 |
株式会社ジェイアール西日本マルニックス | 2006年1月 | グリーン経営認証 | 貨物運送業 |
JR西日本宮島フェリー株式会社![]() |
2010年12月 | グリーン経営認証 | 海上運送事業 |
京都駅ビル開発株式会社![]() |
2012年10月 | KES(ステップ2SR・ステップ2En) | 不動産業 |
大阪エネルギーサービス株式会社![]() |
2015年10月 | KES(ステップ2En) | 熱供給事業 |
嵯峨野観光鉄道株式会社![]() |
2017年1月 | KES(ステップ1) | 鉄道事業 |
(2019年10月1日現在)
エコマーク「ホテル・旅館Version2」認証取得会社新着
株式会社ホテルグランヴィア岡山は、2019年4月19日、公益財団法人日本環境協会が制定するエコマーク[注釈1]「ホテル・旅館Version2」を宿泊施設では西日本で初めて取得しました。
- [注釈1]エコマークとは国際標準化機構の規格 ISO14024「タイプT環境ラベル制度」に基づく認定制度です。1989年から日本環境協会が運営しており、環境への負荷が少ないなど、環境保全に役立つと認められた商品および施設に与えられます。
環境教育
「法令順守を基本に、環境の視点から自分たちの日常業務を見直していく人材」の育成を目指し、本社・支社において、環境管理指導者が中心となり、グループ会社の従業員もあわせて体系的に教育を実施しています。
また、JR西日本独自の環境マネジメントシステムにあわせた教材「環境管理テキスト」をもとに、現場に即したわかりやすい教育を行い、環境に精通した人材育成に努めています。
環境審査
ISO14001に準拠した環境マネジメントシステムの継続的改善を図るため、社外機関の協力により内部環境監査員資格を取得した担当者が、事業所の取り組み指導を兼ねた環境審査(第二者監査)を実施しています。
審査は、ルールの順守状況、システムの有効性、積極的な創意工夫などを評価し、不適合な箇所は是正措置を実施しています。
環境審査
環境表彰
ISO14001に準拠した環境マネジメントシステムを展開している職場に対し実施した環境審査結果に基づき、先進的な取り組みや環境マネジメントシステムの優秀な運用を行っている直接部門に大賞・優秀賞・努力賞を、環境管理教育・指導に成果を挙げている間接部門、ISO認証取得職場、グループ会社については、特別賞の表彰を行いました。
社内表彰(2018年度)新着
環境大賞 三原新幹線保線区
グループ会社と一体となった環境汚染リスクの回避
三原新幹線保線区では、新幹線職場における環境汚染事象報告一覧表を作成しています。これをもとに、保線区とグループ会社は環境汚染リスクの回避に向け、全員が日頃から考え行動する「自分ごと化」に取り組んでいます。具体的には、毎月開催する環境管理委員会で、一覧表を踏まえた職場としての対策を検討し、実施に移しています。特に、日頃から作業前に対策を周知徹底する取り組みが効果を発揮しています。
環境管理委員会での環境汚染リスク対策の検討
給油設備(危険物施設)の点検
社内表彰(2017年度)
環境大賞 小倉新幹線保線区
グループ会社と一体となった環境汚染リスクの回避
地球環境の取り組みに限らず、福岡エリアでは当社グループ内の連携が以前から緊密で、耳の痛いことでもお互いにしっかりと指摘し合える風通しの良さが、さまざまな好影響を生んでいると感じています。自然に協働しようとする雰囲気が、例えば環境汚染発生時における、グループが一体となった迅速で適切な対応に結びついています。保線区やそれぞれのグループ全体の社員がチームを組んで一緒に実施する環境パトロールや内部環境監査では、各社の強みを活かした観点から、単独での実施では得られない気付きにつながっており、精度の高いチェックができていると実感しています。
世代交代で社員の若年化が進む中、今の強い連携感とチームワークを引き継いでいくため、各社の若手社員同士の技術交流や会議の合同開催等に力を入れていきたいと考えています。
環境優秀賞 姫路鉄道部
竹の伐採における地域との共生
沿線の竹林は、地元から景観保全のご要望があり、薬剤を使用した整備ができません。周辺の生態系に配慮しつつ伐採費用や労力を抑えた抜本的対策がないか模索していたところ、地元の森林組合や地権者の方々とのコミュニケーションを通じて、双方のニーズを満たす伐採方法の知見を得ることができ、地域との共生に向けた大きな手応えを感じています。
社内表彰(2016年度)
環境大賞 王寺鉄道部
お客様に安心・信頼していただける鉄道を目指し、環境へのこだわりを持つ
王寺鉄道部は、旧型の車両が大多数を占めるエリアであるため、運転士の技能向上に併せて、省エネルギー対策として乗務員の運転方法に「エコ運転」を取入れ、運転士全員に対して定期的な指導を実施しています。
また、転てつ器に亀が挟まる輸送障害が発生しており、「亀救出大作戦」として、亀が転てつ器に挟まることのないよう誘導路(アニマルパスウェイ)を作りました。これにより、転換不能の防止と亀の命を守る生物多様性保全に寄与するとして、2016年度、環境省が主催する「第4回グッドライフアワード」で実行委員会特別賞を受賞しました。
その他にも、地域の皆様と協力し「羊」によるノリ面の除草を行なうなど、地域の活性化、自然との共生に取り組んでいます。
環境優秀賞 豊岡電気区
目標と進捗を見える化し、全員が環境を意識する
社員全員が環境を意識するしかけづくりとして、日々の業務に直結した環境目標を設定し、毎日掲示板にその進捗を記録して見える化しています。例えば、持続可能な設備の維持管理のために省力化を図ることを考え、遮断棹のスリット化や踏切警報灯の前方向化などを推進することが、廃棄物の削減にも寄与していることを明示しています。今後も環境への意識と業務の改善がつながる取り組みを継続していきます。
環境特別賞 (株)ジェイアール西日本金沢メンテック
環境にやさしく美しい駅舎や車両を提供するために
一般に、車両などの床はワックスによるメンテナンスで美しい床面を保っていますが、ワックス除去のために使用する剥離剤は環境負荷が高く、また耐久性が低いため、1〜2ヶ月ごとに再塗布が必要です。(株)ジェイアール西日本金沢メンテックでは、2017年度までに剥離廃液の半減(2012年度比)を目標に掲げ、ワックスの10倍以上の耐久性があり、剥離剤を使用しないガラスコーティング技術の導入に取り組んできました。試験段階では試行錯誤を繰り返しながらもノウハウを蓄積し、良質なガラスコーティング施工技術を確立しました。その結果、5年目となる2017年には剥離廃駅は2012年比で70%以上の削減を見込んでいます。
今回の技術は、常に美しい車両の提供、作業効率の改善、環境負荷の低減という3つのメリットにつながり、他のJRグループ会社でも導入されるなど、更なる広がりが生まれており、環境負荷を抑えることを日々の業務で意識し、地道に取り組みをつみ重ねていくことが大切だと考えます。
社外からの表彰
省エネ大賞経済産業大臣賞(省エネ事例部門/支援・サービス分野)新着 京都駅ビル開発株式会社
特定非営利活動法人建築設備コミッショニング協会、株式会社日建設計、高砂熱学工業株式会社、株式会社JR西日本テクシア、西日本電気システム株式会社、株式会社ジェイアール西日本総合ビルサービス
京都駅ビルの熱源システムの改修において、コミッショニング手法を適用して設備システムの抜本的な見直しにより、既存ビルでありながら、熱源設備で改修前比60%(建物全体では30%)の大幅なエネルギー削減を実現したコミッショニングチーム(京都駅ビル開発株式会社、特定非営利活動法人建築設備コミッショニング協会、株式会社日建設計、高砂熱学工業株式会社、株式会社JR西日本テクシア、西日本電気システム株式会社、株式会社ジェイアール西日本総合ビルサービス)の取り組みが評価され、平成30年度省エネ大賞経済産業大臣賞を受賞しました。
おおさか優良緑化賞 JR西日本不動産開発株式会社
JR西日本不動産開発株式会社の手掛ける2つの開発、高架下複合商業施設「ビエラ桃谷」および大阪市内の大規模マンション「ブランズシティ天神橋筋六丁目」が、第11回「おおさか優良緑化賞」奨励賞を同時受賞しました。
今回の受賞は、第10回で奨励賞を受賞した、分譲マンション「ジェイグラン・エル茨木」に続き、2年連続2度目の受賞となります。
ビエラ桃谷
ビエラ桃谷では、隣の歩道と約1メートル高低差のある緩衝地に緑地帯を配置し、うるおいある空間を提供しています。緑化に合わせ、ベンチやデッキ、柱化粧材には天然木を使用、無機質なコンクリート構造物への砂岩調吹付け仕上げなどナチュラルな素材感で落ち着いた雰囲気を演出しました。桃谷駅周辺の丘陵地が、かつて桃の名所であったことから、3種類の桃の木(フェイジョア、ベニスモモ、テルテモモ)を計13本植栽しています。
ブランズシティ天神橋筋六丁目
ブランズシティ天神橋筋六丁目では、「里山に暮らす」をコンセプトに、数多くの樹種に囲まれた自然配置の植栽計画にしたのが特徴です。緑地面積は1,838平方メートルにも及び、高さ1メートル以上の植栽を860本植えています。
外周の緑地帯は13種類の低木混植、3種類の混ぜ垣など単調にならない樹木の構成にしており、多様な生物を呼び込めるようにする工夫です。シラカシの並木を景観形成の軸としながらコブシ、ソメイヨシノ、エゴノキ、サルスベリといった様々な花木を混ぜ込むことで季節の移ろいを知らせてくれます。
また、建物周辺の敷地を地域の方も利用できるように開放緑地にするなど緑豊かな敷地とし、地域景観の向上に寄与しました。
「SEGES都市のオアシス」認定 大阪ターミナルビル株式会社
大阪ステーションシティは、2015年4月、大阪駅北側のノースゲートビルと南側のサウスゲートビルの屋上緑化が、「公開性、安全性、環境への配慮」に優れ、都市における貴重な環境資源として評価され、公益社団法人都市緑化機構による「都市のオアシス」の認定を受けました。
「SEGES都市のオアシス認定」は、四季を感じる緑・花の彩りや鳥や昆虫たち等の生き物とのふれあい、木陰、そよ風、ひだまり、憩いの場の提供等、アメニティの向上に役立つ都市の『みどり』を認定することにより、事業者の積極的な『みどり』の取り組みを評価し、緑豊かな潤いのある都市づくりの推進を目的とします。
「大阪ランドスケープ賞 第5回みどりのまちづくり賞」受賞 大阪ターミナルビル株式会社
大阪ステーションシティにおいて、プロフェッショナルな管理ならびに「風の広場」に代表される四季折々の花壇づくりや、「天空の農園」における野菜の栽培、地域と連携した収穫イベントなどの活動が高く評価され、2015年11月、「大阪ランドスケープ賞 第5回みどりのまちづくり賞(一般社団法人 ランドスケープコンサルタンツ協会 関西支部長賞)を受賞いたしました。
「尼崎版スマートコミュニティ[注釈3]」に認定 JR西日本不動産開発株式会社
JR塚口駅前の再開発計画を推進する「ZUTTOCITY[注釈1]」を手がける野村不動産株式会社、JR西日本不動産開発株式会社、株式会社長谷工コーポレーションの3社は、「ZUTTOCITY」における電力の需給状況の見える化を行うとともに、尼崎市全域において、地域通貨ポイントを新たに導入し、地元の商店と連携してデマンドレスポンス[注釈2]を行う持続可能な省エネ・地域活性化の取組みを行っています。
2016年4月、この取組みが尼崎市が進める「尼崎版スマートコミュニティ[注釈3]」に認定されました。
- [注釈1]UTTOCITY:総開発面積約8.4ヘクタール(甲子園球場約2個分)、JR駅前再開発としては過去最大規模を誇るプロジェクト。分譲マンション(1,200戸)、戸建(71戸)をはじめ、駅ビル、商業施設、駅前ロータリー、大型公園等が新設される駅前大規模再開発。
- [注釈2]デマンドレスポンス:電力需給が逼迫する際に、供給者側からの要請に基づいて需要者側で電気の使用を抑制もしくは別の時間帯にシフトすることにより需給バランスを保つこと。
- [注釈3]尼崎版スマートコミュニティ:一定規模以上の住宅開発に際し、HEMS(家庭のエネルギー管理システム)を導入し、それを活用したAEMS(地域のエネルギー管理システム:街区の電力利用状況を集約・可視化し、適切に街区のエネルギー管理を行うシステム)に関する取組みを実施するとともに、それらを活用した地域経済の活性化(市内商店、商業施設への誘導により市内での購買を促進)につながる仕組みづくりが構築されている街。
第3回神戸市デザイン賞を受賞 JR西日本不動産開発株式会社
摩耶シティCOMFORT・DELIGHT・NADA EXCEEDが、2016年12月 第3回神戸市デザイン賞(地球にやさしいCASBEE建築部門すまいの環境性能賞)を受賞しました。
駅ビルや商業施設、マンションの開発及び管理運営等を行うJR西日本不動産開発株式会社が、新しく建設した摩耶駅周辺のマンション開発で、神戸市建築物環境評価制度又は神戸市すまいの環境性能表示の重要項目において、特に優れた以下3点の取組みを行っていることが高く評価されました。
- 空の筋雲や爽やかな透明感をイメージした白いライン状のフレームで統一され山並に呼応する六甲の自然に溶け込んだデザイン。
- 屋上の太陽光やエコジョーズの採用による省エネ、温暖化対策への貢献していること。
- 敷地内の一部に打ち水ブロックを採用し、温度上昇を抑えるなどの環境負荷低減に貢献していること。
グッドデザイン賞2011を受賞 大鉄工業株式会社
建設工事及び軌道工事等を行う、大鉄工業株式会社では、2010年11月に完成した本社ビルにおいて、「環境とデザインの融合」が評価され、公益財団法人日本デザイン振興会より、2011年グッドデザイン賞を受賞しました。
平成27(2015)年度省エネ大賞受賞 大阪エネルギーサービス株式会社
大阪エネルギーサービス株式会社では、大阪駅ノースゲートビルディング地域冷暖房プラントにおける取組みについて、一般財団法人 省エネルギーセンター主催の平成27(2015)年度 省エネ大賞 省エネ事例部門で「平成27(2015)年度省エネ大賞 省エネルギーセンター会長賞」を受賞しました。
大阪駅ノースゲートビルディング地域冷暖房プラントは、熱源を電気・ガス併用のベストミックスとし、インバータターボ冷凍機や氷蓄熱槽を設けることで、ルクア等からの需要に効率よく対応できる機器構成としており、継続的な運用改善を実施していることが評価されました。