ハレの日の食膳 タコ

タコとトマトをニンニクで炒めたペペロンチーノ風タコパスタ。夏に合ったあっさり味で。

 「半夏生[はんげしょう]」は雑節の一つで、夏至から数えて11日目の7月2日頃を指す。「半夏」とは「烏柄杓[からすびしゃく]」という薬草で、この時期にその薬草が自生することに因むとされる。7月上旬は梅雨も後半を迎える季節の変わり目で、田植えをそれまでに終える目安とされ、各地にさまざまな風習がある。

 関西では半夏生にタコを食べる習慣があるという。作物が吸盤のついたタコ足のように大地にしっかりと根づくようにとの願いが込められる。タコは、当て字で「多幸」とも書き、足が八方に伸びることから、運勢が広がる縁起物としても親しまれている。特にこの時期に旬を迎える“明石だこ”は有名だ。明石海峡周辺から明石沖の潮の速い海域で水揚げされた「マダコ」は、激しい潮流に流されないよう踏ん張ることで「足が太く、短い」のが特徴だ。産卵に向けて栄養を蓄えようとするため身に弾力があり甘味がある。調理法は各人各様で刺身はもちろん、タコ飯やパスタ、酢味噌に和えるのもいい。

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