鉄道文化財を巡る

京都鉄道博物館 所蔵

大阪駅時鐘

 1874(明治7)年に誕生した初代大阪駅に設置された大阪駅時鐘は、英国人技師により持ち込まれたと伝わる。青銅製の時鐘は高さ58cm、重さ100kgを誇り、汽車が駅を離れる5分前に駅前に建つ「時鐘台」から「カーン、カーン」と鐘の音が響き渡り、当時の大阪の名物として知られた。

 そんな時鐘もやがてその役割を終え、一時は行方も知れず、3代目大阪駅開業の1940(昭和15)年には現在の大阪保線区(大阪市福島区)で手洗い鉢として利用されていたという。その後、3代目大阪駅の駅長室に飾られ、大阪の旧交通科学博物館に移り、現在は京都鉄道博物館で保存展示されている。

 1960(昭和35)年に貴重な鉄道遺産として鉄道記念物に指定され、かつての姿を伝えるとともに明治の音色も聞かせてくれる。

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